コナラの樹皮に紛れていたので初めは存在に気付かなかったフタモンウバタマコメツキ。手元の図鑑で調べて名前が分かったのだが、体長は3㎝くらいあり、名前のとおり、胴の中ほど部分の翅の両側に黒い半円形の紋がある灰褐色の大型のコメツキムシの仲間だ。樹液を餌にしているようだ。
昨日載せたツマグロヒョウモンがいたヒャクニチソウの花壇でヒメアカタテハも飛び交っていた。去年の11月16日に載せたように、東海地方では秋によく見掛ける蝶だが、最近は梅雨時から夏の暑い時期でも見られるようになった。この蝶もツマグロヒョウモンと同様に、温暖化の影響で生息域が次第に北上しつつあるそうだが、寒さには弱く成虫で越冬できないらしいから、まだ東北地方には進出していないのではないだろうか。
公園の花壇に植えられているヒャクニチソウに吸蜜に来ていたツマグロヒョウモン。昔は東海地方では全く見られなかった暖かい地方にいる蝶だったが、温暖化の影響なのか、今では関東地方でもありふれた蝶になり、さらには東北地方南部まで生息域を広げているそうだ。
公園の池で咲いているハスの周りをウチワヤンマが飛び交っていた。雌も雄も腹部先端に黒い縁取りのある半円型の黄色い団扇状の突起があるのが名前の由来だ。東海地方では普通に見掛けるが、県によっては絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定しているところもあるという。
空中で小さな虫を捕えて食べていた。
空中で小さな虫を捕えて食べていた。
近くの公園の花壇で見掛けたキマダラセセリ。翅の模様がよく似たヒメキマダラセセリというのもいるが、これは2017年9月21日に載せたのと同じキマダラセセリのようだ。幼虫で越冬し、6月頃から年に2~3回羽化するそうだから、それほど珍しいセセリチョウではないが、普通によく見掛けるチャバネセセリやイチモンジセセリほど多くはないだろう。
最近では2017年7月にも載せたことがあるヨツスジハナカミキリ。黒と黄色の4本の縞模様が特徴だ。あまり似ているとは思えないが、蜂に擬態しているという。幼虫で越冬し、春に羽化するそうだ。成虫はガクアジサイやノリウツギなどの花で見掛けることが多いから、その花粉を餌にしているのだろう。
ムラサキシジミは翅の表側が雌雄ともに光沢のある青紫色が目立つ綺麗なシジミチョウだが、裏側は地味な灰褐色だから、翅を閉じているとあまり目立たない。年に3~4回羽化し成虫で越冬するから、この辺りでは冬でも暖かい日には幼虫の食樹であるカシやクヌギの周辺を飛んでいるし、時には雌が葉に止まって産卵しているのを見掛けることもある。
近くの公園にアジサイを見に行った時に、園内の散策路脇の葉上に偶然にも舞い降りてきたウラナミアカシジミ。先週の6日に載せたミズイロオナガシジミと同じゼフィルスの一つだ。直ぐに飛び去ったので、逆光の位置でこの画像が1枚しか撮れなかったが、オレンジ色の翅の裏側には角ばった黒い斑点模様が帯状にたくさん並んでいる綺麗な蝶だ。卵で越冬し、生まれた幼虫はクヌギやコナラなどのカシ類の葉を食べて育つそうだが、初夏のこの時期に年1回しか羽化しないから、なかなかお目に掛かれない希少種で、多くの都県で絶滅危惧種に指定されている。
キスジホソマダラは、5年前の2019年10月9日にも載せたことがあるが、黒褐色の翅に黄色の縦縞模様がある小型の綺麗な蛾だ。蛾には夜行性のものが多いが、これは昼行性で花の蜜にも寄ってくるという。近くの公園の薄暗い木陰に植えてあるアジサイの葉に留まっていたが、幼虫はササとか竹の葉を食べて育つようだ。
先月末に載せたサトキマダラヒカゲを撮っていた時に、急にバタバタと羽音を立てて飛び立ったオオトモエ。全く気付かなかったが、サトキマダラヒカゲがいた幹の裏側で樹液を吸っていたようだ。十数メートルほど離れた道路脇に留まっていたのを追いかけて撮ったものの、驚いてまた林の中に飛び去ってしまったから画像はこの1枚しかない。翅の開張が 10㎝くらいはあったかと思うほど大型の蛾だ。翅は褐色で地味でも、よく目立つ巴形の目玉模様と細い帯状の白い模様が特徴的だ。外敵を驚かせるためだろう。
ミズイロオナガシジミは “ゼフィルス” と呼ばれるシジミチョウの仲間で、平地でもたまに見られるものの、年1回だけこの時期にしか羽化しないから、どこでも簡単に出会える蝶ではない。名前にミズイロと付いていても、前翅も後翅も裏側は水色ではなく灰色で、翅を広げてくれなかったが、図鑑によると、表側は全体が黒褐色だ。後翅の黒いV字状の帯模様と長い尾状突起、小さな橙色の斑点模様が特徴だ。