浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

この本を読んだ①

2011-02-25 10:33:08 | 日記
 TAMAYOの『コメディ+LOVE TAMAYO的差別の乗り越え方』(解放出版社)を読んだ。なぜ読んだか。今年の静大人文学部推薦入試の課題図書・桜井裕明『差別言論』(平凡社新書)を読み、その巻末に差別問題を考える際に必要な文献案内があり、そこに記されていた本だ。この文献案内に記されている本は、読みたくなる本が多い(次は『屠場文化』を読もうと思う)。

※なお静大人文学部がこの本を課題図書にしたことは、評価したい。

 さてこの本は、話題になった本である。なお、もう16年前に発売されたもので店頭にはないと思い、市立図書館にあるかどうかを調べたところ浜北図書館にあったので借り出した(今日東図書館に返すので、浜北図書館に帰っていくかどうかはわからない)。

 TAMAYOさんは、アメリカに住むコメディアンだ。言うまでもなくアメリカは人種差別の国だ。アメリカ民主党が健康保険制度を導入しようとしているが、それができない背景には人種差別が厳然として強い力を持っているからだと思う。
 そのアメリカでアジア人のTAMAYOさんが生きていくのであるから、差別の対象にならないわけがない。しかし彼女は、その差別を逆にギャグにしていく、差別を笑い飛ばそうとするのだ。

 彼女はこう記す、「差別を乗り越えるにはね、精神的に、差別する奴のもっと上に立って、それを高にから笑い飛ばせばいいのよ。笑い飛ばすっていうことは、これは余裕や。つまり、自分自身や自分の人生に誇りを持つことや」と。

 そして「(誇りを持つのは)すごーーーく難しいことやけど、正しく生きて、人を許し思いやる心を持つように努力しているだけで、誇りは勝手に湧いて出るわよ。」

 彼女は、Get over it!(乗り越えろよ)、Better than never(気づいたときに正せばいい!)、What`s eating you up?(何が君を食い荒らしているんだ?=嫉妬したりやっかんだりしている人に、そうしているのはあなた自身なんだよ、だから嫉妬なんかやめなさい)という英語を書き記している。

 なるほどね。

 簡単に読めて、ところどころ考えさせられるところがある。しかし、紹介されている彼女のジョーク、あまり面白くなかった。差別を笑い飛ばすという内容のコメディは、難しいところがある。

 図書館で読んでみよう。
コメント
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