NHKのEテレ、毎週日曜日夜十時から、「日本人は何を考えてきたのか」、その明治編4回のシリーズが終わった。福沢諭吉、中江兆民、植木枝盛など自由民権家、田中正造と南方熊楠、そして幸徳秋水と堺利彦がとりあげられた。いずれも、日本近代が生み出した巨星たちだ。
私は、中江兆民の「論外交」、『三粋人経綸問答』、『一年有半』などを読んで社会認識の方法や視点の置き方を学び、植木枝盛の「東洋大日本国国憲按」に感動し(家永三郎『革命思想の先駆者』岩波新書を高校時代に読んで)、また様々な自由民権家には夢をもって活動することを教えられ(とくに五日市の自由民権家の活動が、私をいなかに帰らせる決定打となった)、田中正造には、あるべき究極の生き方と問題に向き合うときどういう姿勢をとるかを教えられ、幸徳秋水には大逆事件と関わって権力の悪(権力犯罪を国家権力は無慈悲に強行する)を知らされ、堺利彦からは人間としての温かさを実感した。
日本近代には、主流の思想とはならなかったが、国家権力に弾圧されながらも抵抗し、未来に生きる思想を生み出した思想家がたくさんいる。それらの思想は、決して過去のことではなく、たとえば田中正造は、昨年3・11の福島原発の事故に関わって大いに注目されてきている。
今の若者は、これらの思想家(思想家というだけではなく、行動の人であった。行動の中から自らの思想を形成してきた)の残した財産を受け継ごうとしていないようだ。
しかし、「浜名史学」関係の諸君は、これらの思想家ののこした文献に是非アタックしてほしい。その中には、未発の可能性がいっぱい眠っている。
残念ながら、現代の社会はフリードマンなどの新自由主義という悪魔の思想が席巻し、おのれの自己利益を最大限に追求することを正しいことだとする風潮がある。
だが、日本近代には、「世のため、人のため」に生きた人々がたくさんいる。そういう人々の思想を復権させ、それを受け継ぐ中で、新自由主義に抗する21世紀の思想をつくりださなければならない。そうでなければ、この地球の環境は破壊され、人権は侵され、中山間地から人々が追い出され、低賃金の中、時間と金に追いまくられながら生きるという社会が続くことになる。
私も、おそらく諸君も、そういう社会は望まないだろう。
日本の近代思想の豊かな泉から、人間の思想をくみだそう。
私は、中江兆民の「論外交」、『三粋人経綸問答』、『一年有半』などを読んで社会認識の方法や視点の置き方を学び、植木枝盛の「東洋大日本国国憲按」に感動し(家永三郎『革命思想の先駆者』岩波新書を高校時代に読んで)、また様々な自由民権家には夢をもって活動することを教えられ(とくに五日市の自由民権家の活動が、私をいなかに帰らせる決定打となった)、田中正造には、あるべき究極の生き方と問題に向き合うときどういう姿勢をとるかを教えられ、幸徳秋水には大逆事件と関わって権力の悪(権力犯罪を国家権力は無慈悲に強行する)を知らされ、堺利彦からは人間としての温かさを実感した。
日本近代には、主流の思想とはならなかったが、国家権力に弾圧されながらも抵抗し、未来に生きる思想を生み出した思想家がたくさんいる。それらの思想は、決して過去のことではなく、たとえば田中正造は、昨年3・11の福島原発の事故に関わって大いに注目されてきている。
今の若者は、これらの思想家(思想家というだけではなく、行動の人であった。行動の中から自らの思想を形成してきた)の残した財産を受け継ごうとしていないようだ。
しかし、「浜名史学」関係の諸君は、これらの思想家ののこした文献に是非アタックしてほしい。その中には、未発の可能性がいっぱい眠っている。
残念ながら、現代の社会はフリードマンなどの新自由主義という悪魔の思想が席巻し、おのれの自己利益を最大限に追求することを正しいことだとする風潮がある。
だが、日本近代には、「世のため、人のため」に生きた人々がたくさんいる。そういう人々の思想を復権させ、それを受け継ぐ中で、新自由主義に抗する21世紀の思想をつくりださなければならない。そうでなければ、この地球の環境は破壊され、人権は侵され、中山間地から人々が追い出され、低賃金の中、時間と金に追いまくられながら生きるという社会が続くことになる。
私も、おそらく諸君も、そういう社会は望まないだろう。
日本の近代思想の豊かな泉から、人間の思想をくみだそう。