差別的なテレビ

　日本人は、危機感を抱いているのだろう。中国は日本より遙かに経済が発展している。経済力だけでなく、政治力、軍事力など、日本を追い抜いている。

　こうした事態を理解したくない者が、テレビ番組をつくる。

　人類の歴史を振り返ると、中国は一時期近代化に遅れたが、一貫して世界の大国として君臨してきた。そうした歴史を知っておこう。台湾・台北の故宮博物館の展示物をみればよい、あれが、中国という国の力である。

　また兵馬俑を思い出そう。その頃日本はどのような生活をしていたか。

　みずからの国を相対化してみることが必要だ。

玉川徹が『モーニングショー』で中国人のマナーの悪さをあげつらう自番組を批判！「中国は下と安心したいだけ」

卑劣な山口県人？

　女性が発言すると、こうした嫌がらせが行われる。こういう輩、どんな奴だろう。これをおこなった人間を突き止めよう！

発言したら嫌がらせに下着が届く　女性７人「屈しない」

不当な差別に司法の断罪を！

　在日コリアンなどに対する不当な差別、ヘイトスピーチなどが公然化している。「在特会」などのネトウヨが信じられないことばで、在日コリアンなどを罵倒し、誹謗し、中傷する。

　そういう行為はしてはならないことだと、きちんとすべきである。これはもう表現の自由ではない。犯罪である。沖縄ではそれが犯罪であると斬罪された。当然のことだ。

　在日韓国人男性にヘイト投稿、名誉棄損で罰金10万円　沖縄で全国初の命令

読書

　電車に乗っても、本を読んでいる人を見ることがなくなった。しかし活字は読んでいる。スマホなどでニュースなどはチェックしているようだ。しかし、スマホなどでは、その文は短いものが多い。Twitterは、短文しか書けない。そして多くの人に読んでもらうためには、突拍子もないこと、人々の耳目を驚かすように書くしかない。そういう文が、本にも進出している。

　栗原康の本は、Twitter的なものにより構成されている。事実はどうでもよく、人物評価は主観的、それも人々が好むようなことば（たとえばセックス）を多用する。「伊藤野枝伝」を称する、岩波書店から発売された『村に火をつけ　白痴になれ』は、Twitter的書物の典型である。

　日本の社会全体がノーテンキの様相を呈している。一つの要因として、民放地方局が夕方放送している番組が、日本人をダメにしているのではないかと思っている。番組内容すべてがノーテンキで、そこに出ている人々もノーテンキなことしか言わない。テレビ局の知り合いにそういうことを話したら、「あなたが見るような番組ではない」といわれた。

　今、統計の不正問題、首相の「森羅万象をつかさどる」発言など、政治のレベルでは、日本国の存立を疑わせるようなことがたくさん起きている。ノーテンキのテレビ局は、そんなことは視野にも入らない。

　今月号の『図書』（岩波書店）の「こぼればなし」。ドイツの出版事情の紹介であるが、ドイツでもこの10年間で６００万人の読者が減ったと記されている。「読書ではなく、ほかのメディアに費やされるようになってしまったから」だという。

　そしてこう記す。

　フェイク・ニュースに惑わされることなく、物事の本質を見極める知性を磨くには読書が不可欠であることを多くの人は理解しているはずです。問題は、読書のための時間をいかに確保してもらうか。

　ノーテンキの番組、バカ番組がずらりと並ぶテレビ、政権のフェイクニュースを流す国営放送を見るのはやめて、読書をしよう。

　知性を磨かない限り、政権にいる人たちのようになってしまう、それは恐ろしいことだ。「森羅万象をつかさどる」というような、ショッキングなことばを吐くような輩にはならないようにしたい。