浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「無罪証明」

2020-01-09 19:37:39 | 政治
 Ghosnの記者会見の後、法務大臣の森雅子がGhosnに対して「潔白というのならば、司法の場で正々堂々と無罪を証明すべき」と発言。これがネットで次々と伝播している。

 Ghosnが言うように、日本では推定無罪がないことを法務大臣が言明してしまった。実際、森大臣が言うように、警察や検察官に疑惑を持たれた者は必ず(99%以上の確率で)犯罪者にされてしまうから、無罪であることを被疑者みずからが証明しなければならないのである。本来は、「刑事裁判では、被告人が有罪であることを検察官が証明しなければならず、被告人やその弁護人が無実であることを証明する責任はない。」のであるが、裁判官は検察官の主張を採用することが圧倒的である。

 森法務大臣「無罪証明すべき」発言がトレンド入り 「ありえない」と波紋

 日本の刑事事件の歪みが、一挙に露呈してしまった。Ghosnの主張が裏打ちされたのである。

 なお、森大臣は弁護士でもある。
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郵政民営化がもたらしたこと

2020-01-09 15:57:26 | 政治
 今から15年ほど前、JR西日本による福知山線脱線転覆事故があった。その事故が起きたとき、私はもし分割民営化されていなかったらこうした事故は起きなかっただろうと思った。

 分割民営化されサービスが良くなったと聞くが、私はそんなことはまったくないと思う。人減らしによる安全軽視は一貫しているし、小さい駅のホームにはJR関係者はいないし、窓口はいつもあいているわけではなく、また夜遅くなれば駅に人はいなくなる。

 民営化がよいことだという考えは、大企業や資産家がいい目を見る社会をつくりだす新自由主義そのものだ。国鉄の分割民営化を進めたのは中曽根康弘、郵政民営化をすすめたのは小泉純一郎、いずれも対米盲従の政治家であった。

 郵政の民営化により、郵便局を信じていた人々をかんぽ生命がだますという事件が頻発し、その補償をいまもってきちんとやっていない。民間から来た経営者が、どんなことをしても契約を取れと命令を出したのだろう、でないと全国的にこういうことが起きることはないだろう。

「孫死亡」の保険金、受取人は高齢客 かんぽで不自然な契約相次ぐ

 西日本新聞の記事だが、読んでいてすごく腹が立った。許せない!!
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トランプ政権に相手にされない日本

2020-01-09 15:50:03 | 政治
 アベ政権は、ひたすら頭を下げて、トランプの言うことをハイハイと素直にというか、何も考えずに従ってきた。どんなことでも支持してくれるから、日本は相手にされないのだ。

 米国・イラン激突危機…こんな時に自衛隊を「中東派遣」して大丈夫か

 この半田さんの文に、「ソレイマニ司令官の暗殺をめぐり、ドイツやフランスにはあった米政府からの電話連絡は日本政府へはなく、中国が出した中東情勢を懸念するメッセージも日本政府は出していない。」とある。

 憐れな国日本、そこに住む憐れな日本人である私たち。

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Ghosnの会見

2020-01-09 10:47:57 | 社会
 昨夜10時からのGhosnの記者会見をネットで見た。最初TBSでみたが、同時通訳がダメ、NHKに切り換えたらそちらのほうがずっとマシだった。どうしてそうした差がでるのかと思った。

 さてGhosnが話した内容だが、期待外れであった。

 私はGhosnのような経営トップが考えられないような高額の報酬をもらって平然としていることに違和感を持っていた。もしGhosnが社会的発言をしたなら、Ghosnは違うなあという感想を持っただろうが、残念ながらきわめて利己的な発言に終始していた。

 日産がルノーに合併されるかも知れないという危機感を持った経産省と日産とが、Ghosnを追放するために仕組んだものだという予測を私は持っているが、その点をきちんと話すことが重要であったはずであるし、その場合日本政府の意図をも白日の下にさらすことが必要であった。また日本の司法制度の問題点も、きちんと話すべきであった。これについては自身の体験を語っていたが、おのれの体験を客観的にみなおして語ればもっとインパクトがあったのだろう。

 しかし、あまりに自分自身の潔白を早口でまくしたてたために、問題にすべき点がクローズアップされなかった。身に降りかかった災難に対して激しい怒りを持っていただろうとは思うが、そこは優秀な経営者であるなら、もっと冷静に順序立ててじっくりと説明すべきであった。

 日本メディアは、Ghosnがいうように、捜査当局の言うことをそのまま報じることに長けているから、日本メディアへの不信感も当然あるだろう。今もって検察のリークをひたすら流し続けるメディアもあるから、日本メディアを毛嫌いすることもわかる。

 しかしもし有能な経営者であったなら、もう日本の司法権力の魔の手から逃れることができたのだから、みずからの正当性を日本メディアの前で語るべきであったろう。

 今回の会見は、Ghosnにとってはプラスに働かなかったと思う。

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