先に指摘したように、5ページの「平安時代の720年」という大間違いの記述を除き、なかなかよい本であった。私が以前某所で「近代日本における国学」というテーマで話した内容と重なる。しかしそれはもう5年ほど前、その後にもいろいろな研究書が出されていることを、本書の注記から知ることができた。このテーマはその後追っていないが、追う価値がある。
というのも、最近の教育の軍国主義化のなかで、教科書に神話が登場するようになり、戦前と同じように「史実と虚偽」が再び問題となってきているからだ。
今、政府自民党は、古代神話を、戦前の教育勅語体制下と同様に「史実」として子どもたちに教えたがっている。私たちは、戦前と同様に、意識的に史実と虚偽をきちんと指摘していかなければならない時代へと入っていることを知らなければならない。
本書は、そのための入門書的な役割を果たすことができるはずだ。
この著者が書いた本を私は読んだことはなかったが、本書は学者としての良心と学問的な手続きをきちんと踏まえた記述であって、この問題を深めるために、大いに役立つはずだ。
私にとっては、プロローグと第一講が役に立った。記紀に始まる建国神話については、支配層から何度も虚偽を真実として教えたいという動きが出てくるからこそ、その虚偽性をきちんと認識しておくべきだろう。記紀→本居宣長→後期水戸学派→尊攘運動→大日本帝国憲法→教育勅語→・・・・・・という流れを知っておかなければならない。その流れがわかりやすく書かれている。
買ってよかったと思う。
というのも、最近の教育の軍国主義化のなかで、教科書に神話が登場するようになり、戦前と同じように「史実と虚偽」が再び問題となってきているからだ。
今、政府自民党は、古代神話を、戦前の教育勅語体制下と同様に「史実」として子どもたちに教えたがっている。私たちは、戦前と同様に、意識的に史実と虚偽をきちんと指摘していかなければならない時代へと入っていることを知らなければならない。
本書は、そのための入門書的な役割を果たすことができるはずだ。
この著者が書いた本を私は読んだことはなかったが、本書は学者としての良心と学問的な手続きをきちんと踏まえた記述であって、この問題を深めるために、大いに役立つはずだ。
私にとっては、プロローグと第一講が役に立った。記紀に始まる建国神話については、支配層から何度も虚偽を真実として教えたいという動きが出てくるからこそ、その虚偽性をきちんと認識しておくべきだろう。記紀→本居宣長→後期水戸学派→尊攘運動→大日本帝国憲法→教育勅語→・・・・・・という流れを知っておかなければならない。その流れがわかりやすく書かれている。
買ってよかったと思う。