朝、書庫に岩波新書の『韓国からの通信』をとりにいった。1974年に刊行されている。著者の池明観氏が亡くなられたので、もう一度読み直そうと思う。とはいっても、韓国の独裁体制は長期間続いていたので、T・K生の通信はこの一冊だけではない。
読みはじめてこういう文があった。
韓国人は伝統的に二つの態度をもっている。 一方では力の前では退き、風の向きにつれて折れ、嵐が過ぎるまでかくれている。そうかと思うとまた一方では、限界点に到達すると爆発して激しい行動になる。この二つの態度の間においてどのような均衡を保つことが可能であるか知らない。(3)
いったい日本人はどうなのだろうか。現在の日本人は、嵐が吹き荒れても我慢して生き、風が吹いてくるとその風の方向に率先して行き、どんなことがあっても静かにしている。もちろん少数の人は、嵐の中でも行動し、ひるむことがない。しかし少数なのだ。
韓国のロウソクデモをみて、私は、多数が集まって抵抗の意思を表す韓国人に心から共感し、またうらやましくも思った。
韓国の人びとからは学ぶことが多い。