9月12日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第99回YMSを開催しました。
講師はYMS最多登壇、通算6回目となるゾロ目先生こと野原秀樹先生です。
第33回:ドラマチック・コミュニケーション~今、求められるコミュニケーションスキルとは?~
第44回:「ドラマチック・コミュニケーション」で非言語スキルアップ!!
第55回:コミュニケーションを楽しもう!!エンジョイカード「ワイワイ」で話し上手・聞き上手
第66回:インプロ(即興)で会話力を磨け!! 体感「ドラマチック・コミュニケーション」
第77回:「インプロ」で楽しい時間を過ごしませんか?感度を磨いて創造しましょう!
これまで体を動かして表現する体験型セミナーが多かった野原先生ですが、今回のテーマは「成果を創造するファシリテーションスキル」。これまでとは少し違った内容に、どのようなセミナーになるのだろうかという期待もありました。
ところが、いざ始まってみるとそこは野原先生。いきなり体験ワークから始まりました。各チームで進行役、タイムキーパー、書記、盛り上げ役と役割を決め、「ファシリテーションとは何か?」について考え、チームとしての結論をまとめるという課題が与えられました。
次第に分かってきたことですが、今回のセミナーの進行そのものにファシリテーターとして必要なスキルのエッセンスが詰まっていました。チーム内だけではなく、セミナーの場として、どのようにすれば活発に意見が交わされるようになり、どのようにすれば納得考えられるのか、またそのような雰囲気はいかにして生み出されたのか?そうしたことが肌で感じられるようになる、この点がやはり野原先生のセミナーだと思います。
ファシリテーションとは、簡単に言えば「人の集まる場において、メンバーの意見を引き出し、場を盛り上げ、成果に向けてその場が効率よくスムースに進行するよう支援すること」であり、ファシリテーターとはそのために中立的な立場で、メンバーを導いていく人のことを言います。
ファシリテーションを行うために求められるスキルの例としては、
1.コミュニケーションスキル:傾聴力・質問力・論理力・非言語など
2.プロセス設計スキル:場を作り上げていく力
3.可視化、言語化、構造化スキル:わかりやすく簡潔に可視化・言語化・構造化する力
4.合意形成スキル:合意に向けてまとめ上げていく力
などが挙げられますが、全員が納得感のある成果物を生み出すために、メンバーに平等の機会を与え、場と時間をコントロールしていくことなのではないかと思いました。コントロールというと、何か操作的なニュアンスが強くなってしまいますが、そうではなく対話を通じてメンバーに思考を促し、いかにして無形の意見や概念を言語化してもらうか、そしてそれを承認できるかということなのではないかと思います。
言うは易し行うは難しで、日々の仕事の中でもこれらは反省の多い点です。とりわけ、例えば会議のような場において、発言のない人などが疎外されないような雰囲気と効率的な運営のバランスをどうとるかについては、先生から腑に落ちるアドバイスがいただけました。
二番目と三番目のワークは、「いかに合意形成するか」と「いかに見えないものを見える化するか」について、同じく役割を決めながら考えるというもの。これらもテクニックとしては、これまでもYMSで行われてきたコミュニケーション系のセミナーと共通するのですが、体験してみることによる変化が感じられる、このことが大事なのではないかと思います(そのためか、野原先生のセミナーではいつも体温が上がります)。参加者の方の感想にあったことですが、「電子会議では、どうしても意見同士のかぶせ合いになってしまう。対面で話し合うことの大切さを改めて『感じた』」。その通り、感じることが重要なのだと思いました。
過去のセミナーレポートはこちら。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした