またいつものmass×mass関内フューチャーセンターに戻りました。引き続きお世話になります。
4月12日、第126回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。今回も残念ながら懇親会は中止です。
今回は久しぶりの「刑事塾」。第58回YMS「刑事塾:ビジネスで役立つウソや人間心理の見抜き方」、第94回YMS「元刑事が教えるウソ〔人間心理〕の見抜き方〜実践編 人狼ゲームで見抜く〜」は代表の森透匡さんにご登壇いただきましたが、今回は一般社団法人日本刑事技術協会理事、森雅人様より「サイバー犯罪担当元刑事が教える「SNS調査術」~ネット情報を駆使して人や会社の本質を見抜く」と題してお話しいただきました。
もちろん今回は、サイバー犯罪のような高度なテクニックを要する捜査の話ではなく、意外と捜査でも活用されているオープン・インテリジェンス(Osint)、つまりネット等で入手可能な公開情報を犯罪捜査の経験から個人や企業にどう活かせるかというお話しでした。
例えば、皆さんも普段から活用されていらっしゃると思いますが、SNSやGoogle map。一見何気ない情報でも、それらが蓄積されることと、視点を変えることによって、さまざまな行間情報が浮かび上がってきます。我々はそうして得られる情報をどのように生活に活かすことができるのか?逆に、その様な情報に溢れたネット時代を生きていく上で、どのようなリテラシーを身につける必要があるのか?そのようなことを実際に起こった犯罪事例を基に学びました。このように書くと、何やらネガティブなイメージが付きまといますが、単に情報から身を守ったり、二次的なリスクを未然に防いだりというばかりでなく、情報を建設的な方向に積極的に活用していくといった示唆も得られました。
このブログも開設して14年になりますが、トップページを見ただけでも様々な僕自身の人物像を発信していることが分かります。
・性別
・顔
・出生年(年齢)
・会社
・酒や食べ物の嗜好
・趣味
などなど。これらの情報は直接意図しているわけではありませんが、情報として積みあがることによって窪田恭史という人間の人物像を浮かび上がらせているわけです。実際、ネットを活用した「ネットの履歴書」人物調査サービスがあり、それによるとプロフィールの詐称など、調査情報の内のおよそ28%が何らかの問題ありと判定されたそうです。
断片的な情報の組み合わせから表に出ていない何らかの兆候を読み取るという意味では、このブログでご紹介している「表情分析」や「筆跡診断」にも通じるところがあります。「SNS投稿から見える心理」というのも勉強になりました。
さらに、日頃感じていたことではあるのですが、これだけ膨大な情報がほとんどコストをかけずに入手できる時代に生きているにもかかわらず、それに対する備えであったり、自分の好意がどのような影響を及ぼすのかの配慮であったりといった意識や教育が追いつていないように思います。森さんは、そうした教育の部分にこれまでの知見を活かしていきたいとおっしゃっていました。
なお、日本刑事技術協会には現在、警察組織で培われた様々なノウハウを民間に活かすことを目的として、9名の警察OB・OGがいらっしゃるそうです。いずれYMSでも「刑事塾シリーズ」を開催したいと思っております。
過去のセミナーレポートはこちら。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした