東京ではシチリア料理を紹介した先駆けであるという、青山学院大学前にあるイタリアンの名店「トラットリア・シチリアーナ・ドンチッチョ」。ちょうど訪れたこの日、開店10周年を迎えられたとのことでした。
ウッド調の落ち着いた内装ながら表通りに面したガラス戸を開け開放的な雰囲気のお店。到着したのは土曜日の18時過ぎでしたが、あっというまにお客さんで一杯となりました。
冒頭の写真はメインの「仔羊のロースト」ですが、以降は順を追ってこの日のメニューをご紹介していきたいと思います。まずはパンとフォカッチャから。
イタリア産生ハム。塩気が抑えられ、後で出てくるブラティーナとルコラのサラダと合わせても美味しい生ハムでした。
合わせたのは、シチリアの白ワイン、タスカ・ダルメリータ・レガレアリ・ビアンコ(Regaleali Bianco Sicilia)。タスカ・ダルメリータで作られた最初のワインだそうです。グレープフルーツのような香りの軽い辛口ワインで、魚介類や酸味のあるドレッシングをかけたサラダなどによく合いそうです。
パルミジャーナ・ディ・メランザーネ。初めユッケかと思いました、見た目も鮮やかなナスとトマトのパルミジャーノ焼き。
プーリア産ブラティーナとルコラ、ボモドリーニ(ミニトマト)のサラダ。ブラティーナというのは、モッツアレラの中に生クリームが入ったチーズです。
ふぐで挟んだモッツアレラ・イン・カロッツア。カロッツアというのは、パンにモッツアレラ・チーズを挟んで揚げたものを言いますが、これはフグのすり身をモッツアレラ・チーズをサクッと揚げてあります。見るからに美味しそうです。
本日の鮮魚のアクアパッツア。お魚の名前を聞くのを忘れてしまいましたが、エゾメバルっぽい?
カジキマグロの「パルレモ風」炭火焼き。パン粉をまぶしてグリルするのを「パルレモ風」というのだそうです。パルレモはシチリア島北西部の町です。
魚料理に合わせ、ヴァルチェラーザ・エトナ・ビアンコ2013年。エトナはシチリア島東部の火山。その火山性土壌で栽培された白ブドウ(カリカンテ)によるミネラル感豊富、そしてしっかりとした樽の熟成感を感じさせるワイン。
大山どり1/2ロースト「シチリア風」。大好物の鶏のロースト。丸々でも行けます!
冒頭の仔羊のローストとも合わせ、赤ワインに切り替え。ゴルギ・トンディ・ソランテ。こちらもシチリアのワイン、ブドウ品種はネロ・ダヴォラ。渋み、酸味が少なくプルーンのようなしっかりとした果実味があり、飲みやすいワインです。
食後もシチリアのデザート・ワイン。ベン・リエ パッシート・ディ・パンテレリア・2013年・ドンナフガータ。ドンナフガータとは「逃げた女」という意味だそうです。因みにベン・リエはアラビア語で「風の子」だそう。シチリア島と北アフリカ・チュニジアの間に浮かぶ小さな島、パンテレリア島で作られるワイン。歴史的にアラブ勢力の影響が強いところなのかもしれません。見た目にも宝石のようなワインです。
先ほどの写真でVサインをしていた向かいの人が頼んだものですが、アーモンドのセミフレッド。セミフレッドは半解凍のジェラートケーキのようなものです。
イタリアンながら今回はピザもパスタもありませんでしたが、味はもちろん見た目も楽しい料理の数々でした。
トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ
東京都渋谷区渋谷2丁目3−6
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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