都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2009年4月の記録
私的スケジュール帳「予定と振り返り」です。まずは先月に見た展示の記録を整理してみました。
展覧会
◎「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」 東京都写真美術館
◯「水墨画の輝き」 出光美術館
◯「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」 国立新美術館
◯「浮世絵 - ベルギーロイヤルコレクション展」 日本橋高島屋
◯「特集陳列 平成21年新指定国宝・重要文化財」(平常展) 東京国立博物館
◎「日本の美術館名品展」(レクチャー・全体の印象) 東京都美術館
・「ShinPA!! - 東京藝術大学デザイン科描画系作品展 - 」 佐藤美術館
◎「国宝 阿修羅展」 東京国立博物館
◯「幻惑の板橋・近世編」 板橋区立美術館
・「平泉 - みちのくの浄土 - 」 世田谷美術館
・「101TOKYO Contemporary Art Fair」 アキバ・スクエア
・「Young Artists Japan 2009」 デジタルハリウッド大学
・「アートフェア東京2009」 東京国際フォーラム/東京ビルTOKIA
ギャラリー
・「伊藤存 - 四月パカ - 」 タカイシイギャラリー
・「田口和奈 - そのものがそれそのものとして」 シュウゴアーツ
・「宮永愛子 - はるかの眠る舟 - 」 ミヅマアートギャラリー
◯「草間彌生 展」 高橋コレクション日比谷
・「オープニング・ビューイング」 ロンドンギャラリー(白金)
・「三嶋章義 - FAMILY」 NANZUKA UNDERGROUND
◯「小谷元彦 - SP4」 山本現代
・「長塚秀人 - 純粋風景 - 」 ラディウム
・「深海武範 - みるみるあげてみる」 GALLERY MoMo Ryogoku
・「椿会展 2009」 資生堂ギャラリー
・「東京芸大 SPRING BOARD 2009」 上野駅Breakステーションギャラリー
◎「樫木知子 展」 オオタファインアーツ
◯「青山悟 展」 ミヅマアートギャラリー
◯「小西真奈 - Portraits」 ARATANIURANO
毎度の如く感想が追いついていません。近日中に別途記事にするつもりです。
さてここで、いつもの書き逃した展示のまとめの代わりに、最近出た中公の二冊の新書を手短かにご紹介します。
「日本の仏像―飛鳥・白鳳・天平の祈りと美/長岡龍作」
副題に「飛鳥・白鳳・天平の祈りと美」とあるように、本書のターゲットは、日本の仏像史の起源にあたる、6世紀から8世紀の奈良です。仏像を仏の仮象として捉え、信仰の対象として崇められていた意味を、仏像の形態はおろか、背景にある経典にまであたって丹念に読み解いています。玉虫厨子の側面や薬師寺釈迦如来像の台座の模様、また一方での仏の身体の特徴である三十二相の解説など、議論はかなりマニアックですが、鑑賞のレベルを超えた仏像の神秘に近づくような内容で楽しめました。ただし聖武天皇の関東行幸の肯定的な評価や、飛鳥寺の位置を須弥山との関係で見る箇所などは色々と議論も分かれるのかもしれません。
「早世の天才画家―日本近代洋画の十二人/酒井忠康」
現在開催中の「日本の美術館名品展」を主催する美連協の理事長、酒井忠康氏による作家論二十四編が収録されています。近代日本の洋画史に業績を残しながら、奇しくも早生した岸田劉生、関根正二、佐伯祐三、松本竣介らの主に生き様を、絵画を引用しながらエッセイ風に論じていました。全てはかつて雑誌などに一度発表された文章とのことで、初出の書き下ろしはありませんが、意図的なのか収録の作家は全て上記の名品展にも登場しています。展覧会の理解を深めるにも役立つ一冊となりそうです。
今月の予定編へと続きます。
展覧会
◎「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」 東京都写真美術館
◯「水墨画の輝き」 出光美術館
◯「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」 国立新美術館
◯「浮世絵 - ベルギーロイヤルコレクション展」 日本橋高島屋
◯「特集陳列 平成21年新指定国宝・重要文化財」(平常展) 東京国立博物館
◎「日本の美術館名品展」(レクチャー・全体の印象) 東京都美術館
・「ShinPA!! - 東京藝術大学デザイン科描画系作品展 - 」 佐藤美術館
◎「国宝 阿修羅展」 東京国立博物館
◯「幻惑の板橋・近世編」 板橋区立美術館
・「平泉 - みちのくの浄土 - 」 世田谷美術館
・「101TOKYO Contemporary Art Fair」 アキバ・スクエア
・「Young Artists Japan 2009」 デジタルハリウッド大学
・「アートフェア東京2009」 東京国際フォーラム/東京ビルTOKIA
ギャラリー
・「伊藤存 - 四月パカ - 」 タカイシイギャラリー
・「田口和奈 - そのものがそれそのものとして」 シュウゴアーツ
・「宮永愛子 - はるかの眠る舟 - 」 ミヅマアートギャラリー
◯「草間彌生 展」 高橋コレクション日比谷
・「オープニング・ビューイング」 ロンドンギャラリー(白金)
・「三嶋章義 - FAMILY」 NANZUKA UNDERGROUND
◯「小谷元彦 - SP4」 山本現代
・「長塚秀人 - 純粋風景 - 」 ラディウム
・「深海武範 - みるみるあげてみる」 GALLERY MoMo Ryogoku
・「椿会展 2009」 資生堂ギャラリー
・「東京芸大 SPRING BOARD 2009」 上野駅Breakステーションギャラリー
◎「樫木知子 展」 オオタファインアーツ
◯「青山悟 展」 ミヅマアートギャラリー
◯「小西真奈 - Portraits」 ARATANIURANO
毎度の如く感想が追いついていません。近日中に別途記事にするつもりです。
さてここで、いつもの書き逃した展示のまとめの代わりに、最近出た中公の二冊の新書を手短かにご紹介します。

副題に「飛鳥・白鳳・天平の祈りと美」とあるように、本書のターゲットは、日本の仏像史の起源にあたる、6世紀から8世紀の奈良です。仏像を仏の仮象として捉え、信仰の対象として崇められていた意味を、仏像の形態はおろか、背景にある経典にまであたって丹念に読み解いています。玉虫厨子の側面や薬師寺釈迦如来像の台座の模様、また一方での仏の身体の特徴である三十二相の解説など、議論はかなりマニアックですが、鑑賞のレベルを超えた仏像の神秘に近づくような内容で楽しめました。ただし聖武天皇の関東行幸の肯定的な評価や、飛鳥寺の位置を須弥山との関係で見る箇所などは色々と議論も分かれるのかもしれません。

現在開催中の「日本の美術館名品展」を主催する美連協の理事長、酒井忠康氏による作家論二十四編が収録されています。近代日本の洋画史に業績を残しながら、奇しくも早生した岸田劉生、関根正二、佐伯祐三、松本竣介らの主に生き様を、絵画を引用しながらエッセイ風に論じていました。全てはかつて雑誌などに一度発表された文章とのことで、初出の書き下ろしはありませんが、意図的なのか収録の作家は全て上記の名品展にも登場しています。展覧会の理解を深めるにも役立つ一冊となりそうです。
今月の予定編へと続きます。
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