都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」 東京都写真美術館
東京都写真美術館(目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」
3/7-5/10
若い女性が思い描く50年後の姿を写真でイメージします。東京都写真美術館で開催中の「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」へ行ってきました。
仕掛けは極めて簡素です。やなぎみわが公募して集めたモデルへのインタビューからはじまり、対話を積み重ねて50年後の姿のイメージを共有した上で、モデル自身が特殊メイクにより『グランマ』となりきって写真へと収められます。その数は約25点。それぞれが思い描く50年後が、やなぎみわの耽美的な視座にも彩られて、まさに夢の物語のようにして次々と紡がれていました。
写真に添えられたテキストも作品の世界観を広げます。「次の私の肉体は必ず私の手で作る。そう決めていたけど。さていざ、なすべきかなさざるべきか。たった今この手を止めるべきか止めざるべきか。」と述べる「SHIZUKA」の視線の先には一体、何が見えているのでしょうか。彼女は創造主の如く『次』の身体を象り、そして物思いにふけっていました。
それにしても彼女らがまさに舞台の主役を演じるスターに見えたのは私だけでしょうか。老いを受け止めつつも、何かと付きまとうネガティブなイメージを払拭し、時間の流れを超えた新しい別次元の生の居所を見つけ出しています。その活躍する姿に、思わず憧憬の念すら感じてしまいました。
作り込まれた一枚の写真には短編映画一本分のドラマが蓄積されています。展示自体は写真とテキストが並ぶだけの素っ気ないものですが、各々にこめられた高いメッセージ性と研ぎすまされた美意識には終始感心されっぱなしでした。
少なくとも私が今年見たコンテンポラリー系の展示では三本の指に入ります。
「やなぎみわ―マイ・グランドマザーズ」
明後日までの開催です。
「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」
3/7-5/10
若い女性が思い描く50年後の姿を写真でイメージします。東京都写真美術館で開催中の「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」へ行ってきました。
仕掛けは極めて簡素です。やなぎみわが公募して集めたモデルへのインタビューからはじまり、対話を積み重ねて50年後の姿のイメージを共有した上で、モデル自身が特殊メイクにより『グランマ』となりきって写真へと収められます。その数は約25点。それぞれが思い描く50年後が、やなぎみわの耽美的な視座にも彩られて、まさに夢の物語のようにして次々と紡がれていました。
写真に添えられたテキストも作品の世界観を広げます。「次の私の肉体は必ず私の手で作る。そう決めていたけど。さていざ、なすべきかなさざるべきか。たった今この手を止めるべきか止めざるべきか。」と述べる「SHIZUKA」の視線の先には一体、何が見えているのでしょうか。彼女は創造主の如く『次』の身体を象り、そして物思いにふけっていました。
それにしても彼女らがまさに舞台の主役を演じるスターに見えたのは私だけでしょうか。老いを受け止めつつも、何かと付きまとうネガティブなイメージを払拭し、時間の流れを超えた新しい別次元の生の居所を見つけ出しています。その活躍する姿に、思わず憧憬の念すら感じてしまいました。
作り込まれた一枚の写真には短編映画一本分のドラマが蓄積されています。展示自体は写真とテキストが並ぶだけの素っ気ないものですが、各々にこめられた高いメッセージ性と研ぎすまされた美意識には終始感心されっぱなしでした。
少なくとも私が今年見たコンテンポラリー系の展示では三本の指に入ります。
「やなぎみわ―マイ・グランドマザーズ」
明後日までの開催です。
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