「現代絵画の展望 - 12人の地平線 - 」 鉄道歴史展示室

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室港区東新橋1-5-3
「現代絵画の展望 - 12人の地平線 - 」(前期)
2009/12/8~2010/3/22(前期12/8~2/7、後期2/9~3/22)



旧新橋停車場鉄道歴史展示室で開催中の「現代絵画の展望 - 12人の地平線 - 」へ行ってきました。

本展の概要を公式HPより引用します。

時代に衝撃を与えた歴史的なアーティストや中堅アーティストの、日本のみならず、海外へも作品が発信された12名の作品を紹介します。 今回は、アーティストたちの〔あの頃〕の過去の作品を前期、〔この頃〕の近作を後期、2期に分けて1点ずつ展示します。(一部引用)

また出品作家は以下の通りでした。

宮崎進/堂本尚郎/中村宏/郭徳俊/吉村芳生/イケムラレイコ/中村一美/小林正人/藤浪理恵子/夏目麻麦/元田久治/山田純嗣

絵画という共通の括りこそあるものの、世代もまちまちな12名の画家のグループ展ではありますが、少なくとも感覚的に受け止める限り、全体としてあまり違和感なく作品を楽しむことが出来ました。以下、早速、印象深かった作品をいくつか挙げてみます。

夏目麻麦「bitter-honey」(2003)
折重なる色彩の澱みの中へ沈み込むかのような女性像。形を象るはずの線は消え、面も揺らいで一種の影絵となったかのようなその儚い存在感が何とも愛おしい。

イケムラレイコ「ヤヌス」(1980)
キャプションがなければイケムラレイコの作品だとはまず分からない。青いストロークが走る力強い抽象世界には少々面食らった。

山田純嗣「on the table#201」(2005)
4枚のパネルに都会の高層ビル群が、お馴染みの独自技法「インタリオ・オン・フォト」によって描かれている。白く、また銀色を帯びて並ぶビルの光景は、まるで雪の降りしきるマンハッタンのようだ。

中村宏「車窓編 TYPE11」(1974)
汽車の中から見た景色が横長キャンバスに連なっていく。流れるゆく赤い車窓からは、仄かに道や橋などの具体的な事物が浮かび上がっていた。作品から伝わる疾走感が魅力的。

なお本展の会期は途中に一度、展示替えを挟む二期制です。現会期の前期は作家の過去作を、また2/9からの後期では近作を紹介します。(作家の入れ替えはありません。)上記の通り作家世代が異なるために各々の時代性を汲み取るのは困難ですが、個々の作家の変化に注視してみるのも面白いのではないでしょうか。もちろん後期も足を運ぶつもりです。

「あの頃」(前期・過去作)~2/7 / 「この頃」(後期・近作)2/9~3/22

前期展示は2月7日まで開催されています。入場は無料でした。
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