「ニコラ・ビュフ - タワワップ」 MEGUMI OGITA GALLERY

MEGUMI OGITA GALLERY中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1)
「ニコラ・ビュフ - タワワップ」
1/12-2/6



移転リニューアルオープンしたMEGUMI OGITA GALLERYの空間で「バビル2世」が暴れます。ニコラ・ビュフ(1978~)の新作個展を見てきました。

ニコラ・ビュフの経歴については作家HPをご参照下さい。

プロフィール@ニコラ・ビュフ

ルネサンス様式を意識したというニコラのモノクロのドローイングは、天井と床以外の全ての壁面にかけて、それこそ溢れる水の流れのように澱みなく展開しています。モチーフは横山光輝の「バビル2世」です。人の高さをゆうに超える大きなポセイドンは魔物を突き破り、またエッフェル塔をくわえたドラゴンは、まるで見る者を威嚇するかのように手を突き出しながら力強く描かれていました。それにしても迷いもなく、白チョークによって紡がれていく線の躍動感は並大抵ではありません。さながら飛び出す絵本の壁画バージョンでも見ているような気持ちにさせられました。

お馴染みmemeさんのブログに作品の写真が掲載されています。

Nicolas Buffe "La Tour" ニコラ・ビュフ 「タワワップ」 MEGUMI OGITA GALLERY@あるYoginiの日常

グロテスクさよりも、アール・ヌーヴォーをイメージさせる華々しい装飾的なモチーフが、ギャラリーのオープニングに相応しい祝典的な雰囲気を盛り上げていました。確かに「バビル2世」ではありますが、その様相は全くをもってオリジナルです。この空間において元ネタは凌駕されています。

ちなみに今更ではありますが、ニコラは旧フランス大使館での話題の展示、No Man’s Land展でのアーチを手がけていました。私はあの展覧会そのものにあまり良い印象がありませんが、確かに彼のゲートの『掴み』はとても魅力的でした。


(写真はfigaro.jpのコラムより。)

またニコラはMOTの「屋上庭園」(2008年)にも出品があったそうです。実は私はその展示を見逃していたので、今回こうした迫力ある作品を見られて満足出来ました。

美術館が庭を"造る"と…? 東京都現代美術館の"屋上庭園"でアート散策@マイコミジャーナル

それにしても一坪からいきなり大きくパワーアップしたメグミオギタの新スペースには驚かされました。アラタニウラノやTSCAも近い同界隈の新たな注目スポットとなること間違いありません。

2月6日まで開催されています。
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