「日本の新進作家展vol.8 出発 - 6人のアーティストによる旅」 東京都写真美術館

東京都写真美術館目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
「日本の新進作家展vol.8 出発 - 6人のアーティストによる旅」
2009/12/19-2010/2/7



6名の作家が思い思いの表現で「旅」を提示します。東京都写真美術館で開催中の「日本の新進作家展vol.8 出発 - 6人のアーティストによる旅」へ行ってきました。

出展作家は以下の通りです。

石川直樹(1977~)/百々武/(1977~)/内藤さゆり(1978~)/尾仲浩二(1960~)/さわひらき(1977~)/百瀬俊哉(1968~)



先入観ながらもてっきり広義の「旅」(例えば作家自身の新しい表現の模索云々など。)がテーマとなっているかと思いきや、作家の多数が具体的なそれ、つまりは離島や山などへの旅を捉えた写真などの展示でした。その意味で象徴的なのはまさに旅する冒険家、石川直樹の富士を捉えた作品群です。荒々しい山肌の斜面、そして雲にぽっかりと浮かぶ山頂などが、お馴染みの隅々にまで行き渡るクリアな視点によって美しく捉えられています。写真を山型に並べた展示方法もまた印象的でした。



今回一番惹かれたのは、「素直に感動した目の前の景色を切り取って行く」(解説冊子より引用。一部改変。)という、内藤さゆりの風景写真です。ポルトガルのリスボンを歩き、何気ない街角や海、そして空を写した作品には、輝かしい光の恵みとそれに伴って表れた瑞々しい色の瞬きがダイレクトに示されています。太陽の温かみ、そして風の感触を写真から感じることが出来ました。

お目当てのさわひらきは飛行機の多数登場するメインの大作より、小箱を覗き込んで見る小品の方が魅力的でした。とは言え、最近ではオオタファインアーツでの素晴らしい個展の印象が強過ぎたせいか、今回は少し物足りなく感じたのも事実でした。

「4月25日橋/内藤さゆり/冬青社」

2月7日まで開催されています。

*出品作家の対談イベント・スケジュール
・百瀬俊哉×福島義雄(九州産業大学非常勤講師・編集者)/1月17日(日)14:00~16:00
・石川直樹×山崎ナオコーラ(作家×前田司郎(作家・劇作家)/1月30日(土)14:00~16:00
・内藤さゆり/未定(決定次第、美術館HPに告知予定)
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