都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ルドゥーテ美花選展」 日比谷図書文化館
日比谷図書文化館
「マリー・アントワネット、ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家 ルドゥーテ美花選展」
4/18-6/19
日比谷図書文化館で開催中の「ルドゥーテ美花選展」を見てきました。
フランス革命の動乱期、「花のラファエロ」とも称された画家、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)。その集大成とも言える版画集、「美花選」を紹介する展覧会です。
会場内には、色も艶やか、瑞々しいまでの草花を描いた版画がずらり。その数90点です。ほかにも肉筆画2点や関連資料も出品されています。
ルドゥーテの美花選、描かれたのは画家晩年の1827~33年。出版は全36分冊です。合計144枚の植物画が収められています。
注目すべきは「スティップル法」と呼ばれる凸版の版画技法です。「輪郭線を彫らずに針で銅版に点刻、点の集散で図像を表現した」(解説冊子より)という技術。元々、ルドゥーテは輪郭線を用いる伝統的な技法を使っていたそうですが、イタリアの地でスティップルに出会い、取り入れるようになりました。
ルドゥーテ「美花選」チューリップ
ともかく細部の至る箇所まで緻密です。花弁の質感はもちろん、葉脈、茎の小さな棘までが表現されています。時には肉眼で確認するのも難しいほど。虫眼鏡で覗き込まないと分かりません。そして彩色の妙味です。手彩色を加えた美しさと言ったら比類がありません。
ルドゥーテ「美花選」アジサイ
花の表情も様々です。バラの豊潤さ、スミレの可憐さ、そしてスイセンの透明感。今の季節の花、アジサイにも目を引かれました。
肉筆は2点、うち一点はルドゥーテの出世作とされる「ユリ科植物図譜」でした。かつては原画をナポレオン皇妃であるジョセフィーヌが所有していたという一枚。素材は羊皮紙ことベラムです。乳白色を背景に色も鮮やかな花が浮き上がっています。
ほかにはルドゥーテの挿絵の初版本やルソーの植物学、また花のモチーフを描いた切手なども展示されていました。
チェンバロが一台置かれていました。装飾は美花選から取られた花のモチーフです。
このチェンバロを利用して毎週土・日にはミニコンサートも開催されているそうです。そちらにあわせて出かけても良さそうです。
[チェンバロミニコンサート]
日 時:毎週土曜・日曜および祝日13:00、15:00(各15分)
場 所:日比谷図書文化館 1階 特別展示室
参加費:無料(特別展の当日利用券を購入のこと)
申込み:不要
ところで日比谷図書文化館、都立日比谷図書館から千代田区へ移管され、2011年に全面リニューアルオープンしました。
常設展示室「千代田にみる都市の成立と展開」
館内は一新。もちろん核となるのは都立時代を引き継ぐ図書館ですが、千代田の歴史を紹介するミュージアムも併設。あわせてライブラリーショップ&カフェ日比谷も開設されています。私も利用しましたが、なかなか居心地の良いスペースでした。
ライブラリーショップ&カフェ日比谷
ルドゥーテといえば2011年に文化村でも展示がありました。さすがにスペースの違いもあり、スケールこそ及びませんが、90点の美花選を一揃えで見られる機会です。これで観覧料は300円。お得感のある展示と言えるのではないでしょうか。
「ルドゥーテ美花選展」入口
会期中の展示替えは既に終了しています。以降の入れ替えはありません。
日比谷図書文化館(外観)
6月19日まで開催されています。
「マリー・アントワネット、ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家 ルドゥーテ美花選展」 日比谷図書文化館
会期:4月18日(土)~6月19日(金) *5月18日(月)展示替え
休館:4月20日(月)、5月18日(月)、6月15日(月)。
時間:10:00~20:00(平日)、10:00~19:00(土曜)、10:00~17:00(日祝)。
料金:一般300円、大学・高校生200円、中学生以下無料。
住所:千代田区日比谷公園1-4
交通:東京メトロ丸の内線・日比谷線霞ヶ関駅B2出口より徒歩約3分。東京メトロ 千代田線霞ヶ関駅C4出口より徒歩約3分。都営三田線内幸町駅A7出口より徒歩約3分。
「マリー・アントワネット、ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家 ルドゥーテ美花選展」
4/18-6/19
日比谷図書文化館で開催中の「ルドゥーテ美花選展」を見てきました。
フランス革命の動乱期、「花のラファエロ」とも称された画家、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)。その集大成とも言える版画集、「美花選」を紹介する展覧会です。
会場内には、色も艶やか、瑞々しいまでの草花を描いた版画がずらり。その数90点です。ほかにも肉筆画2点や関連資料も出品されています。
ルドゥーテの美花選、描かれたのは画家晩年の1827~33年。出版は全36分冊です。合計144枚の植物画が収められています。
注目すべきは「スティップル法」と呼ばれる凸版の版画技法です。「輪郭線を彫らずに針で銅版に点刻、点の集散で図像を表現した」(解説冊子より)という技術。元々、ルドゥーテは輪郭線を用いる伝統的な技法を使っていたそうですが、イタリアの地でスティップルに出会い、取り入れるようになりました。
ルドゥーテ「美花選」チューリップ
ともかく細部の至る箇所まで緻密です。花弁の質感はもちろん、葉脈、茎の小さな棘までが表現されています。時には肉眼で確認するのも難しいほど。虫眼鏡で覗き込まないと分かりません。そして彩色の妙味です。手彩色を加えた美しさと言ったら比類がありません。
ルドゥーテ「美花選」アジサイ
花の表情も様々です。バラの豊潤さ、スミレの可憐さ、そしてスイセンの透明感。今の季節の花、アジサイにも目を引かれました。
肉筆は2点、うち一点はルドゥーテの出世作とされる「ユリ科植物図譜」でした。かつては原画をナポレオン皇妃であるジョセフィーヌが所有していたという一枚。素材は羊皮紙ことベラムです。乳白色を背景に色も鮮やかな花が浮き上がっています。
ほかにはルドゥーテの挿絵の初版本やルソーの植物学、また花のモチーフを描いた切手なども展示されていました。
チェンバロが一台置かれていました。装飾は美花選から取られた花のモチーフです。
このチェンバロを利用して毎週土・日にはミニコンサートも開催されているそうです。そちらにあわせて出かけても良さそうです。
[チェンバロミニコンサート]
日 時:毎週土曜・日曜および祝日13:00、15:00(各15分)
場 所:日比谷図書文化館 1階 特別展示室
参加費:無料(特別展の当日利用券を購入のこと)
申込み:不要
ところで日比谷図書文化館、都立日比谷図書館から千代田区へ移管され、2011年に全面リニューアルオープンしました。
常設展示室「千代田にみる都市の成立と展開」
館内は一新。もちろん核となるのは都立時代を引き継ぐ図書館ですが、千代田の歴史を紹介するミュージアムも併設。あわせてライブラリーショップ&カフェ日比谷も開設されています。私も利用しましたが、なかなか居心地の良いスペースでした。
ライブラリーショップ&カフェ日比谷
ルドゥーテといえば2011年に文化村でも展示がありました。さすがにスペースの違いもあり、スケールこそ及びませんが、90点の美花選を一揃えで見られる機会です。これで観覧料は300円。お得感のある展示と言えるのではないでしょうか。
「ルドゥーテ美花選展」入口
会期中の展示替えは既に終了しています。以降の入れ替えはありません。
日比谷図書文化館(外観)
6月19日まで開催されています。
「マリー・アントワネット、ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家 ルドゥーテ美花選展」 日比谷図書文化館
会期:4月18日(土)~6月19日(金) *5月18日(月)展示替え
休館:4月20日(月)、5月18日(月)、6月15日(月)。
時間:10:00~20:00(平日)、10:00~19:00(土曜)、10:00~17:00(日祝)。
料金:一般300円、大学・高校生200円、中学生以下無料。
住所:千代田区日比谷公園1-4
交通:東京メトロ丸の内線・日比谷線霞ヶ関駅B2出口より徒歩約3分。東京メトロ 千代田線霞ヶ関駅C4出口より徒歩約3分。都営三田線内幸町駅A7出口より徒歩約3分。
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