「金沢の町家ー活きている家作職人の技展」 LIXILギャラリー

LIXILギャラリー
「金沢の町家ー活きている家作職人の技展」 
6/4-8/22



リクシルギャラリーで開催中の「金沢の町家ー活きている家作職人の技展」を見てきました。

日本の伝統的な木造の家屋。古き城下町の金沢は戦災や震災の被害をあまり受けませんでした。それゆえでしょうか。市内各地には今も多くの町家が残っています。

金沢における町家の家作、すなわち家造りや修復に関する伝統技術を紹介する展覧会です。出展は実際に使われた道具や材料、さらに工程サンプルなど170点ほど。特に技術を継承する職人の仕事にスポットを当てています。



まずは「畳」です。代々、金沢の地にて畳屋を営む立野氏は何と現在で8代目。当主は兼六園内の楼閣の畳の表替えなども手がけています。



畳みに関する道具とともに、畳床の見本も出ていました。これが棕櫚製というから驚きです。通気性の良い同素材、今でこそ殆ど使われていないそうですが、旧家から稀に引き取ることもあるとか。使い古しならではの味わいが感じられます。



石工はどうでしょうか。石を叩き、また割り、彫る道具もずらり。ツルにサシバヅルに鑿など。普通のトンカチのようにも見えますが、よくよく見ると独特の形をしています。



鏝(コテ)の種類がたくさんあるのには驚きました。左官です。大小様々なコテの数々。素材、もしくは扱う面積に応じて使い分けるのでしょうか。道具の選択の一つをとっても職人のセンスが問われるのかもしれません。



道具そのものが一つの芸術品のようにも見えます。表具です。打ち刷毛は掛軸の裏打ちのために用いられるもの。桶は糊を薄める時に使うそうです。



さらに掛軸に使う美栖紙と呼ばれるサンプルも並んでいました。奈良の吉野で漉かれた紙だそうです。



ほかには瓦や建具、さらに大工といった技も紹介。修復の現場を伝えるレポートや映像なども展示されています。



大工の継手の仕組みを体験出来るコーナーもありました。こちらの模型は実際に触ることが可能。見本の写真を元に組み合わせることが出来ます。



新幹線も開業し、何かと話題の金沢ですが、町家の伝統を支えるのは、一人一人の技術をもった職人たちの地道な手仕事です。それを丹念に追いかける企画。いつもながらの小さなスペースですが、思いの外に見入るものがありました。

「金沢の町屋 活きている家作職人の技/LIXIL出版」

8月22日まで開催されています。

「金沢の町家ー活きている家作職人の技展」 LIXILギャラリー
会期:6月4日(木)~8月22日(土)
休廊:水曜日。
時間:10:00~18:00
住所:中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA2階
交通:東京メトロ銀座線京橋駅より徒歩1分、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅7番出口より徒歩3分、都営浅草線宝町駅より徒歩3分、JR線有楽町駅より徒歩7分
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