都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ダン・フレイヴィン展」 エスパス ルイ・ヴィトン東京
エスパス ルイ・ヴィトン東京
「ダン・フレイヴィン展」
2/1~9/3

エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の「ダン・フレイヴィン展」を見てきました。
アメリカの現代美術家、ダン・フレイヴィンは、1960年頃から「光」を使用した作品を制作しています。
そのスタイルは実に簡潔です。言ってしまえば蛍光管しかありません。

「無題「(アレックスとニッキーへ)」 1987年
「無題(アレックスとニッキーへ)」はどうでしょうか。8本の直管の蛍光灯を壁に設置。隙間なくくっ付いています。色は青、緑、黄、赤の4色です。何ら点滅を繰り返すわけでもなく、ただひたすらに色、つまりは光を放ち続けます。まさしくミニマル。一切の装飾もありません。
とはいえ、しばらく眺めていると、色同士が混じり合い、微妙に変化しているようにも感じられます。さらに光は空間だけでなく、壁へも侵食。さも絵具が滲み出すように広がっていました。

「無題」 1963年
よりシンプルなのが「無題」です。キャリア初期の1963年の作品。緑の蛍光管1本のみです。縦にズバッと空間を割くように直立しています。フレイヴィンは緑に「他とは異なる驚くべき強さがある。」(解説より)と主張しているそうです。森などの自然の色でもある緑。ともすれば安定や調和などを表しますが、西洋の一部では毒、ないし悪魔を示す色と考えられることもあります。如何なる意味を持ちえているのでしょうか。
最も大規模なのが「V・タトリンのためのモミュメント」の連作でした。全部で4点。今度は白色の蛍光管です。1作品当たり7本、ないしは8本ほど繋げています。高さは一定です。244センチでした。

「V・タトリンのためのモミュメント」 1964〜1965年
V・タトリンはロシアの構成主義の芸術家です。技師や建築家としても活動。ロシア革命を祝した記念塔を設計をレーニンに依頼されました。実際には建設されませんでしたが、かのエッフェルに匹敵するほど巨大な螺旋型の鉄塔を構想していたそうです。

「V・タトリンのためのモミュメント」 1964〜1965年
その記念塔のためのオマージュです。確かに建築物的な展開も見て取れなくはありません。
蛍光管は外国の既製品のようです。寿命を終えればいつしか消えてしまいます。空間は光に満ちていましたが、どことない儚さを感じたのも事実でした。
エスパスはガラス張りのスペースです。照度は外の光量と連動します。今回は日没後に観覧しましたが、昼間や夕方など、時間によって変化する表情を追うのも良いかもしれません。
入場は無料です。9月3日まで開催されています。
「ダン・フレイヴィン展」 エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2月1日(土)~9月3日(日)
休廊:不定休
時間:12:00~20:00
料金:無料
住所:渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A1出口より徒歩約3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩約10分。
「ダン・フレイヴィン展」
2/1~9/3

エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の「ダン・フレイヴィン展」を見てきました。
アメリカの現代美術家、ダン・フレイヴィンは、1960年頃から「光」を使用した作品を制作しています。
そのスタイルは実に簡潔です。言ってしまえば蛍光管しかありません。

「無題「(アレックスとニッキーへ)」 1987年
「無題(アレックスとニッキーへ)」はどうでしょうか。8本の直管の蛍光灯を壁に設置。隙間なくくっ付いています。色は青、緑、黄、赤の4色です。何ら点滅を繰り返すわけでもなく、ただひたすらに色、つまりは光を放ち続けます。まさしくミニマル。一切の装飾もありません。
とはいえ、しばらく眺めていると、色同士が混じり合い、微妙に変化しているようにも感じられます。さらに光は空間だけでなく、壁へも侵食。さも絵具が滲み出すように広がっていました。

「無題」 1963年
よりシンプルなのが「無題」です。キャリア初期の1963年の作品。緑の蛍光管1本のみです。縦にズバッと空間を割くように直立しています。フレイヴィンは緑に「他とは異なる驚くべき強さがある。」(解説より)と主張しているそうです。森などの自然の色でもある緑。ともすれば安定や調和などを表しますが、西洋の一部では毒、ないし悪魔を示す色と考えられることもあります。如何なる意味を持ちえているのでしょうか。
最も大規模なのが「V・タトリンのためのモミュメント」の連作でした。全部で4点。今度は白色の蛍光管です。1作品当たり7本、ないしは8本ほど繋げています。高さは一定です。244センチでした。

「V・タトリンのためのモミュメント」 1964〜1965年
V・タトリンはロシアの構成主義の芸術家です。技師や建築家としても活動。ロシア革命を祝した記念塔を設計をレーニンに依頼されました。実際には建設されませんでしたが、かのエッフェルに匹敵するほど巨大な螺旋型の鉄塔を構想していたそうです。

「V・タトリンのためのモミュメント」 1964〜1965年
その記念塔のためのオマージュです。確かに建築物的な展開も見て取れなくはありません。
蛍光管は外国の既製品のようです。寿命を終えればいつしか消えてしまいます。空間は光に満ちていましたが、どことない儚さを感じたのも事実でした。
エスパスはガラス張りのスペースです。照度は外の光量と連動します。今回は日没後に観覧しましたが、昼間や夕方など、時間によって変化する表情を追うのも良いかもしれません。
エスパス ルイ・ヴィトン東京で、蛍光管を扱った巨匠ダン・フレイヴィン展がスタート! 外光が射し込む昼と、東京の借景を望む夜とでまったく雰囲気の異なる静謐な空間。タトリンやジャッドへのオマージュも。入場無料、9/3まで https://t.co/2pJO089Hib #TABapp pic.twitter.com/uehy60ivLf
— Tokyo Art Beat ☘ (@TokyoArtBeat_JP) 2017年2月2日
入場は無料です。9月3日まで開催されています。
「ダン・フレイヴィン展」 エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2月1日(土)~9月3日(日)
休廊:不定休
時間:12:00~20:00
料金:無料
住所:渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A1出口より徒歩約3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩約10分。
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