都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「片山正通的百科全書」 東京オペラシティアートギャラリー
東京オペラシティアートギャラリー
「片山正通的百科全書 Life is hard... Let’s go shopping.」
4/8〜6/25
東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「片山正通的百科全書 Life is hard... Let’s go shopping.」を見てきました。
インテリアデザイナー、片山正通のコレクションが、展示室を埋めに埋め尽くしています。
冒頭から思いがけない展開が待ち構えていました。突如、出現するのは本棚です。壁の両側にぎっしりです。殆どが洋書でした。いわゆるカタログというべき重厚な本ばかりが納められています。もちろん全てが片山のコレクションです。彼は洋書に憧れては収集。中身だけでなく、デザインに惹かれながら、「嗜好品として」(解説より)も購入しました。確かに表紙を見たくなるものばかりです。思わず手にとりたくなるほどでした。
次いではCDです。これまた棚にびっしり。隙間はありません。ジャンルも様々です。洋楽や邦楽を問いません。片山はタワーレコードに住みたいと思ったことさえあるそうです。私もかつてクラシックのCDを集めていたことがありましたが、収集し始めると止まりません。音楽に対する貪欲な姿勢が感じられました。
さらに続くのは多肉植物でした。しかも大きい。なるほど、確かに「百科全書」です。誕的な現代美術のコレクション展ではありませんでした。
植物を過ぎると美術が現れました。片山自身が作品の分類と編集を行っています。つまり独自のカテゴライズです。細かな部屋に区切り、「白と黒」、「ランドスケープ」などとテーマを設けて展示しています。
政田武史「もくゆら」 2009年
まずは「人と動物」です。アンディ・ウォーホルをはじめ、政田武史のペインティングなどが並んでいます。さらに大竹伸朗やエリック・パーカーもありました。片山は展覧会のアドバイザーにリストを見せた際、人や動物に因んだ作品が多いという指摘を受けたそうです。それゆえの設定なのかもしれません。
五木田智央「雑多な情動」 2008年
五木田智央の「雑多な情動」にも目が留まりました。2年前にはDIC川村記念美術館でも個展を開催。何やら顔面が解体されています。大作の絵画です。迫力がありました。
「ランドスケープ」のセクションが面白いのではないでしょうか。メインは写真でした。松江泰治が俯瞰した構図で都市を空撮しています。そこへホンマタカシや川元陽子の油彩画が介在します。色やモチーフが一つの空間の中で互いに影響を及ぼしているように見えました。
リカルダ・ロッガン「RESET 4」 2011年
ドイツの写真家、リカルダ・ロッガンの大作も控えています。色彩の切り口が雑妙です。私としては好きなロッガンを見られたこと自体も収穫でした。
さて以降は全て現代美術かと思いきや、またテイストが変化します。何と剥製に骨董です。まさしく片山版「脅威の部屋」が現出していました。
村上隆「Cherry」 2005年
さり気なく現代美術を交えているのもポイントです。例えば村上隆です。お馴染みのヴィトンのモノグラムをモチーフとした作品が展示されています。
ビンテージ家具も同様でした。ここでも写真作品や多肉植物をディスプレイしています。「わくわくする場」の創造が一つの目標でもあるそうです。それは果たして成功していたでしょうか。色々と目移りしたのは事実でした。
何名かの作家をピックアップして取り上げています。例えば大竹利絵子です。少女の木彫像でした。プリミティブな雰囲気も感じさせます。
イギリスのライアン・カンダーも充実していました。ちなみにカンダーこそ片山が「アートにハマる」(解説より)切っ掛けとなった作家だそうです。
河原温やサイモン・フジワラなどのコンセプチュアルアートが多いのも特徴です。解説に「思考の迷宮」という言葉がありました。確かに入り組んだ小部屋から片山の嗜好、ないし関心の在り方が伺えるかもしれません。
行けども行けどもコレクションが続きます。全部で何点のコレクションがあるのでしょうか。一点一点、じっくり追っていくのはもはや困難です。コレクションは今後、さらに増殖するのでしょうか。ともすると手狭な初台のスペースですが、今回ほど「密」に感じられたのも久しぶりでした。
会場内、1点を除き、作品の撮影が可能です。ただしその1点は、写真はおろか、感想もSNSでのシェアが禁止されています。
その1点ですが、1人ずつしか鑑賞出来ません。よって列が出来ている場合があります。実際、私も少し並びました。ある程度、時間に余裕を持って出かけるのが良いかもしれません。
6月25日まで開催されています。
「片山正通的百科全書 Life is hard... Let’s go shopping.」 東京オペラシティアートギャラリー
会期:4月8日(土)〜6月25日(日)
休館:月曜日。但し5月2日(月)は開館。
時間:11:00~19:00 *金・土は20時まで開館。入場は閉館30分前まで。
料金:一般1200(1000)円、大・高生800(600)円、中学生以下無料。
*( )内は15名以上の団体料金。
住所:新宿区西新宿3-20-2
交通:京王新線初台駅東口直結徒歩5分。
「片山正通的百科全書 Life is hard... Let’s go shopping.」
4/8〜6/25
東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「片山正通的百科全書 Life is hard... Let’s go shopping.」を見てきました。
インテリアデザイナー、片山正通のコレクションが、展示室を埋めに埋め尽くしています。
冒頭から思いがけない展開が待ち構えていました。突如、出現するのは本棚です。壁の両側にぎっしりです。殆どが洋書でした。いわゆるカタログというべき重厚な本ばかりが納められています。もちろん全てが片山のコレクションです。彼は洋書に憧れては収集。中身だけでなく、デザインに惹かれながら、「嗜好品として」(解説より)も購入しました。確かに表紙を見たくなるものばかりです。思わず手にとりたくなるほどでした。
次いではCDです。これまた棚にびっしり。隙間はありません。ジャンルも様々です。洋楽や邦楽を問いません。片山はタワーレコードに住みたいと思ったことさえあるそうです。私もかつてクラシックのCDを集めていたことがありましたが、収集し始めると止まりません。音楽に対する貪欲な姿勢が感じられました。
さらに続くのは多肉植物でした。しかも大きい。なるほど、確かに「百科全書」です。誕的な現代美術のコレクション展ではありませんでした。
植物を過ぎると美術が現れました。片山自身が作品の分類と編集を行っています。つまり独自のカテゴライズです。細かな部屋に区切り、「白と黒」、「ランドスケープ」などとテーマを設けて展示しています。
政田武史「もくゆら」 2009年
まずは「人と動物」です。アンディ・ウォーホルをはじめ、政田武史のペインティングなどが並んでいます。さらに大竹伸朗やエリック・パーカーもありました。片山は展覧会のアドバイザーにリストを見せた際、人や動物に因んだ作品が多いという指摘を受けたそうです。それゆえの設定なのかもしれません。
五木田智央「雑多な情動」 2008年
五木田智央の「雑多な情動」にも目が留まりました。2年前にはDIC川村記念美術館でも個展を開催。何やら顔面が解体されています。大作の絵画です。迫力がありました。
「ランドスケープ」のセクションが面白いのではないでしょうか。メインは写真でした。松江泰治が俯瞰した構図で都市を空撮しています。そこへホンマタカシや川元陽子の油彩画が介在します。色やモチーフが一つの空間の中で互いに影響を及ぼしているように見えました。
リカルダ・ロッガン「RESET 4」 2011年
ドイツの写真家、リカルダ・ロッガンの大作も控えています。色彩の切り口が雑妙です。私としては好きなロッガンを見られたこと自体も収穫でした。
さて以降は全て現代美術かと思いきや、またテイストが変化します。何と剥製に骨董です。まさしく片山版「脅威の部屋」が現出していました。
村上隆「Cherry」 2005年
さり気なく現代美術を交えているのもポイントです。例えば村上隆です。お馴染みのヴィトンのモノグラムをモチーフとした作品が展示されています。
ビンテージ家具も同様でした。ここでも写真作品や多肉植物をディスプレイしています。「わくわくする場」の創造が一つの目標でもあるそうです。それは果たして成功していたでしょうか。色々と目移りしたのは事実でした。
何名かの作家をピックアップして取り上げています。例えば大竹利絵子です。少女の木彫像でした。プリミティブな雰囲気も感じさせます。
イギリスのライアン・カンダーも充実していました。ちなみにカンダーこそ片山が「アートにハマる」(解説より)切っ掛けとなった作家だそうです。
河原温やサイモン・フジワラなどのコンセプチュアルアートが多いのも特徴です。解説に「思考の迷宮」という言葉がありました。確かに入り組んだ小部屋から片山の嗜好、ないし関心の在り方が伺えるかもしれません。
行けども行けどもコレクションが続きます。全部で何点のコレクションがあるのでしょうか。一点一点、じっくり追っていくのはもはや困難です。コレクションは今後、さらに増殖するのでしょうか。ともすると手狭な初台のスペースですが、今回ほど「密」に感じられたのも久しぶりでした。
会場内、1点を除き、作品の撮影が可能です。ただしその1点は、写真はおろか、感想もSNSでのシェアが禁止されています。
その1点ですが、1人ずつしか鑑賞出来ません。よって列が出来ている場合があります。実際、私も少し並びました。ある程度、時間に余裕を持って出かけるのが良いかもしれません。
片山正通がナビゲート。究極の買い物マニアによるプライベートコレクション展。https://t.co/zpLHCHbTiv pic.twitter.com/s92zA9hltJ
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2017年4月17日
6月25日まで開催されています。
「片山正通的百科全書 Life is hard... Let’s go shopping.」 東京オペラシティアートギャラリー
会期:4月8日(土)〜6月25日(日)
休館:月曜日。但し5月2日(月)は開館。
時間:11:00~19:00 *金・土は20時まで開館。入場は閉館30分前まで。
料金:一般1200(1000)円、大・高生800(600)円、中学生以下無料。
*( )内は15名以上の団体料金。
住所:新宿区西新宿3-20-2
交通:京王新線初台駅東口直結徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )