◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

The Last Resort 7:25

2009-02-08 09:25:09 | 言葉についてあれこれ
                       stairway to heaven
 今日のタイトル、The Last Resort 7:25、これだけでじぃ~んと来るかた、もしかしたら、いらっしゃるでしょうか。「The Last Resort(ザ・ラスト・リゾート)」、The Eagles(イーグルス)の名曲、7分25秒。日本で爆発的にヒットしたのは「Hotel California」ですが、私はそれと同じぐらい、いや、だいぶこっちのほうが上かな、大好きなのですよ。
 高校生のときでしたねぇ、「リゾート」というと世間一般で意味するところのリゾートしか知らなかったのですが、この「The Last Resort」は「最後の砦」とか「最後の楽園」とか、「resort」は「リゾート」ではなく「頼みの綱」という意味で、そのことを知ってから「Hotel California」そっちのけで何度聴いたことか。当時はLPですよ、LP!
 久しぶりにCDで聴いてしみじみ~~~というか、悲しいというか、脳の活動が止まるっちゅうねん、とても複雑な気分になりました。ん? CDにはB面がないのね、あ、違うか、A面がないのか、ん~~~、だからCDなのね、なんちゃって(^ー^)。あ~~~手が止まってしまう~~~( ̄・ ̄)~~~いっそのこと歌詞カードを見て歌おうと思ったら、ない、ない、あ~~~直輸入盤だったぁ~~~。
 あ、そうだ、ほかにもこういう例があるのを思い出しました。「こういう」というのは、「resort」にはいろいろな意味があるけれど、「リゾート」は一つのイメージ、避暑地とか、温泉地とか、ぐっと意味が狭まるということです。
 皆さんは、「パッション」というと何をイメージしますか? パッションフルーツ、見ぃ~つめてパッション♪、恋心、情熱・・・でしょうか。「passion」は、熱情、怒り、熱中、熱望、苦痛、受難、特に「the Passion」で、キリストの受難、十字架上の苦しみ、または最後の晩餐から十字架上の死に至るまで、という意味になります。面白いですねぇ、熱情、怒りと来て受難ですよ、実に興味深い!
 リゾート、パッション、同じ言葉を聞いても、「resort」「passion」を知っている人は受け取り方が違ってきますね。もちろん、単語そのものより、文脈、背景などから意味を理解していれば大きな誤解は生じないでしょうけれど、こんな例もあるのですよ、タックスヘブン、聞いたことあるでしょう? タックス(tax)は税金、ヘブン(heaven)は天国ですね。
 「あ~、あるある、タックスヘブンね」と思ったかたは要注意! 正しくは「タックスヘイブン」、ヘイブン(haven)は港や避難所のことで、タックスヘイブンは租税回避地という意味です。それに、日本人はとにかく「天国」が好きですが、安楽や最高の幸福といった意味ならパラダイス、「楽園」ですよ。
 しかも、新約聖書のルカによる福音書、第18章25節、「富んでいる者が神の国に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうがもっとやさしい」とイエス・キリストも言っているように、節税を必死で考えなければならないほどお金に縁のある人はそう簡単には天国へは行けないのですから、それなりに覚悟してください。
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