◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「すべて計算づくしの匠」って?

2011-07-27 21:47:20 | 言葉についてあれこれ
                                    至福の時

 「大改造!!劇的ビフォー・アフター」のナレーションはものすごく変です。あまりの気持ち悪さに見るのをやめてしまったのですが、たまたま久しぶりに見て、ちょっとましになったような気がしたものですから、それに、もともとこの手の番組(建物探訪とかドリームハウスとか)が好きだということもあって、次の週も見ました。
 でも、「台所にあるべきはずの冷蔵庫が外に」というのを聞いて、まともな日本語を知らない人が原稿を書いていることに変わりはないというのを確認しました。もっとも、放送業界全体(特に東京を中心として)の質が下がり、今よりよくなることは期待できないという状況の中でナレーション全体の雰囲気が少しましになったのはいいことです。
 というわけで、また見る気になりましたもんねぇ、そして、これからまた新たにメモが増えていくでしょうから、前にメモしていた分を紹介します。「8年間の転勤を終え」「お客さんにも気づかずパター練習にこうじる」「すべて計算づくしの匠」「至福の喜び」「已むに已まれぬ方法」「物々しい重機を積んだトラック」・・・、どうですか? 「大改造!!劇的ビフォー・アフター」のナレーションの誤りはびみょ~~~ですから、この先を読む前に一つ一つよく考えてみてください。
 ところで、実をいうと、変な日本語よりもっと驚かされるのは、解体してみて分かる恐ろしい実態のほうなのです。特に、過去に増築や改築を行っていた場合、非常に危険なやっつけ工事が行われていたということがよくあるのです。そこにあるべき柱がない、柱が基礎に乗っていない、梁を支えるものが何もない、筋交いをぶった切ってある、コンクリートの擁壁が塀としか言いようのない程度のものだった・・・怖いじょ(゜_゜)。
 「8年間の転勤生活を終え」「お客さんにも気づかずパター練習に興じる(きょうじる)」「すべて計算ずくの匠」「至上の喜び」「やむをえない方法」「重々しい重機を積んだトラック」のつもりなのでしょうね、書いた人は。それがちょっとずれた、ということだと思うのですが、う~ん、まだちょっとずれていますね。
 本当の意味からいくと、「お客さんにも気づかずパター練習に興じる(きょうじる)」は、やっている本人は上手になりたくて真剣なのですから、「興じる」ではなく「熱中する」、「すべて計算ずくの匠」ではなく「すべて計算済みの匠」、「重々しい重機を積んだトラック」ではなく「仰々しい重機を積んだトラック」ですよ。聞いたことがある言葉をよく知らないまま確かめもせずに使っているわけで、なんだか軽~いですね、何も考えてない~~~( ̄д ̄)!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする