◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「運転手の確保・労働時間超過」って?

2013-07-21 09:16:44 | 言葉についてあれこれ
                               交替で走るんだよ

 長距離バスの問題について話をしている場面で「適切な運転手の確保・労働時間超過といった、労働環境の低下が問題に」と書かれたフリップが出たのですが、こんな訳の分からないものを放送で出す?
 「・」は、「時間・空間」のように単語を並べるときに使います。「適切な運転手の確保」と「労働時間超過」を並べ、「といった」でこの二つをまとめて「、」で区切り、それらが「労働環境の低下」であるとし、それが問題になると言っているように見えます。でも、「労働時間超過」はいいとして、「適切な運転手の確保」はおかしいですね。
 運転手の確保が困難で人手が不足している、あるいは、コストの関係で運転手を増やせない、その結果、すでに就労している運転手の負担が重くなる、つまり、労働環境が低下する、こういうことでしょ、なのに「適切な運転手の確保」としか書いてありませんからね、それを「労働環境の低下」であるとするのは無理です。
 「適切な運転手の確保」自体が問題なのでしょう? 技量も資格も備えた運転手が必要なわけで、どんな人でもいいというわけではありません。また、コストも重要ですから余るほど雇えるわけではありません。そして、それをうまく解決できなければ「労働時間超過といった労働環境の低下」につながります。こう見てくると、「・」と「、」の使い方を間違えているということが分かりますね。そもそもこれを書いた人は何がいちばん問題なのか分かっているのやらいないのやら・・・。
 以上を踏まえ、では、どのように書くべきか。あまり深く考えなければ「適切な運転手の確保および労働時間超過といった労働環境の低下が問題に」とでも書きますが、運転手不足こそが問題であるなら「運転手の確保が難しく、労働時間超過といった労働環境の低下が問題に」でしょうか。
 あるいは、人材は、いるにはいるが、コストの問題が最も大きいということなら「適切な人員配置が困難で、労働時間超過といった労働環境の低下が問題に」でしょうか。人材は不足気味、コストも重要ということなら「適切な人員の確保が困難で、労働時間超過といった労働環境の低下が問題に」でしょうか。
 やはりコストが最重要なのかも。というのも、最初に「適切な運転手」って変だ、「優秀な運転手」とか「経験豊富な運転手」とか、ほかに言い方はないのかと思ったのですよ。必要最低限の人数で効率よく回すことが重要だ、だから「適切な」と書いた、「適切な○▽◇◎□」が問題だと言いたかったけれど、「○▽◇◎□」を的確に書ける力がなかったのかな~┐( ̄д ̄)г。
コメント
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