◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「全部身の周りやってくれるんで」って?

2017-10-22 09:49:15 | 言葉についてあれこれ
                                  全部やってあげてる

 「みのまわりで起きていること」と言った人の話を聞いていたら、「身の回り」と「周り」がごっちゃになっている、「周りで起きていること」と言えばいいのに「みのまわりで」なんて言うからややこしくなるのだと思いました。「スッキリ!!」で「全部身の周りやってくれるんで」というテロップを見たことがあるのですが、「身の周り」はたまに見掛けますから、「身の回り」を理解していない人が多いということですね。
 「身の回り」は、毎日の生活に必要な物、それらを扱うこと、ふだんの行動やつきあい関係。ですから、それより広い範囲のことは「周り」と書けばいいわけで、「周り」と書くのなら「身の」なんて書かなければいいのです。「全部身の周りやってくれるんで」は誤りで、「身の回りのことは全部やってくれるので」と書くのが正しいのです。「身の回り」か「周り」か、どちらかなのですよ。
 「夥しい量の別荘」(7/19 12:30配信 WIRED.jp)は「おびただしい数の別荘」と書くのが正解。「夥しい」は常用漢字ではないのでほとんど見掛けませんよね、読める人はあまりいないのではないでしょうか。おまけに、「別荘」ですからね、「量」ではなく「数(かず)」です。ついでに言えば、最近は「件」しか見なくなりつつありますが、家屋が1軒、2軒、店舗が1軒、2軒、「軒」ですから。
 「消灯時間すぎて真っ暗の会社の廊下歩いてたら」は一般の人が書いたものです。だいぶ前から「~すぎる」という言い方がはやり、うんざりするほど見たり聞いたりしますから、一瞬、変な「~すぎる」かと思ってしまいました。「消灯時間をすぎて」なら「過ぎて」だと即座に分かりますが、「を」がありませんから。他人が読むことを前提に書いている文章なら「消灯時間を過ぎて」と書いてくださいよ┐( ̄д ̄)г。
 ついでに言えば、「真っ暗の会社の廊下」ではなく「真っ暗な会社の廊下」ですし、「廊下歩いてたら」ではなく「廊下を歩いていたら」です。気楽にささっと書いている文章だから書き方なんて自由だと思っているのでしょうけれど、いつもこうだと、こういう文章しか書けなくならない? 話し言葉っぽく書く場合でも「消灯時間過ぎて真っ暗な会社の廊下歩いてたら」でしょ、「過ぎて」と「真っ暗な」は譲れません。
 「彼女の想いにより添えない時点で」も一般人の文章から。「想い(おもい)」は常用漢字表外の音訓ですが、けっこう見掛けます。この人は、ほかにも「目を瞑って」といった表記をしているのですが、「寄り添えない」と書かなければいけない大事なところで「より添えない」になってしまっていることには気づいていませんから、“変換頼りの中途半端”ですね( ̄д ̄)!
 ところで、6月25日に投稿した記事の写真に「探検、楽しめた?」と書き添えたのですが、後日、たまたま「たんけん」が「探検」になっていることに気づきました。私の「たんけん」のイメージは「探険」だったのですが、変換候補を見ると「探険⇒探検」で、それって、今の標準は「探検」ということなのでしょうか。
 私が使っている辞書には「探検 探険 1.実地に探り調べること 2.危険を冒して調べること」とあり、どちらでもいいような・・・、あるいは、「探検」が1で、「探険」が2のような・・・、どうですか? ちなみに、ハムやんの散歩に危険はありませんから「探検」でもいいのかな (^^ゞ。

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