かぶれの世界(新)

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コンサルタントの値打ち

2004-11-08 11:40:34 | 資格・転職・就職
今年の春首都圏にある中小企業の経営コンサルタントを初めて行った。以前勤めた会社では世界トップのコンサルタント会社から日本の中規模なソフトウェア会社まで多くのコンサルテーションを受けた。コンサルタント会社にはそれぞれ得意領域があり、その成果が期待通りの時もあればお金をどぶに捨てたような結果になったこともある。仕事柄コンサルタントの良し悪しについて何度も同僚と議論、評価した。実際やってみると口で言うほど易しくないと言う当たり前の体験をした。コンサルタント会社経営の友人の話を聞き、書物を紐解いて両方の立場から改めてコンサルタントの価値を考えてみた。

コンサルタントとは顧客に提案し、合意に基づき調査・分析し、その結果を整理して最終報告として経営改善の提案書を出すまでの作業である。最初に調査を提案する時は適切なテーマを提示する業界知識が必要で、顧客にアピールする個人的魅力が望まれる。この段階でコンサルタントはその企業が抱える課題・機会に対しある仮説を持っておく事が非常に重要で、調査・分析をこの仮説に当てはめ見直し整理し、顧客のフィードバックを得て最終的な経営改善の提案をする。この最終提案書の提出でコンサルテーションが終了すると言うのが私の理解であった。

大手のコンサルタント会社は継続して提案を実行に移す仕事を請負い、かつこの領域で殆どの収益をあげている。従って、最終提案書の提出自体はコンサルタントの値打ちの1割しかないと主張している。4割は顧客の会社の能力と不足分のアウトソースを総合して細部にわたって実行可能な計画を作る所にあり、更に残りの5割が顧客の会社全体が経営改善実行に燃える環境作りをすることにあると説明している。経営改善を成功させる為には当然のことで、経営改善プロジェクト実行を請け負うコンサルタント会社の考え方は顧客のニーズと一致している。私にとり提案書提出は終りだが、彼らにとっては始まりで、後がなければ失敗なのである。

10年前米国で使っていた世界最大手のコンサルタント費用が月3万ドルと聞いて驚いたが、この定義通りであれば異存はない(定義通りとはとても言えなかったが)。今考えると私の初体験は、次ステップのプロジェクト実行を必ず受注するという迫力に欠けていたかも知れない。現在この会社は経営改善プロジェクトの一環として専門家の助けを得てIT導入を開始している。時々社長に様子を聞いているが、私の提案がどう貢献しているか未だ評価できる段階にはない。残りの9割の価値がゼロであったと言われるのはつらいが、皮肉にも収入はその近辺だった。


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大統領選後知恵: 出口調査の誤差

2004-11-08 09:45:44 | 国際・政治
東部諸州の投票が開始されて間もなくTV及びインターネットは出口調査(exit pollと言う)ではケリー優勢と全世界に報じた。民主党は沸き立ち受諾演説準備を開始し、共和党は重苦しい雰囲気に包まれた。しかし開票が進むに連れ少しずつブッシュ優勢に傾き、フロリダ州でブッシュ当確となった時点でブッシュ勝利の可能性が大きくなり共和党に活気が戻った。ブレア首相はがっかりして床についたが翌朝情勢変化に驚いたと報じられた。初期の出口調査が実態とは異なる(skewと呼んでいる)事が明確になった。NYタイムス、Wポスト等の新聞各社は選挙結果の解釈と併せて出口調査が外れたことを報道側の重要な問題として調査報告している。
出口調査は主要報道機関が個別に実施するのではなくEdison/Mitofsky社が実施した出口調査データを受け、それに報道各社が持つノウハウと独自ソースの情報を反映してコンピュータ処理し当落予測をする。今回投票が終了する前に、と言うより投票が始まると時間をおかず出口調査の生データが漏れた。その情報が民主党に偏っていた事がミスリードを招いた。出口調査会社は初期の誤差は大きいが時間の経過に連れ精度が上がる、今回もその通りになったと釈明した。しかし、そういうことなら問題は何故早期に出口調査データが漏れたかだが、それに対しては誰も答えていない。
NYタイムスは誤差の原因について法的制限があって出口調査が投票場に十分近いところで実施できなかった、全体的に民主党支持者、女性が出口調査に対して積極的に対応する傾向が反映された事をあげている。私はこれを聞いて、初期のケリー優勢のニュースを知ったブッシュ支持者が危機感を持ち投票率を高めたと言う所謂「アナウンス効果」があったと思ったがそういう報道は見当たらない。日本的な反応なのか米国の友人に聞いてみたいと思っている。
出口調査の誤差がこれだけ大きかったのは1988年以来と言うが、その後も起こっている。96年の予備選ではP. Buchanan支援が燃え上がり出口調査で31%と出たが、実際には27%の投票しかなかった。日本では投票が終わる前に出口調査状況が判るような例は聞いた事がない。2000年の混乱を反省してABCを除き報道各社は非常に用心して当確を打たなかったが、出口調査も誤差は付物であり慎重な扱いをせよと言うのが教訓であろう。


コメント (7)
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