安倍首相の突然の辞任は全く予想できなかった。次の衆院選は彼の下で行われ、憲法改正に代表される右寄りの政策が国民の審判を受けるものと思っていた。それはそれで大変興味のある選挙になるだろうと期待していたのだが。
昨年から続いている米国のサブプライム問題が、7月末形を変えて欧州の信用不安を引き起こし、たちまち世界中に信用不安の連鎖が起こった。米連銀および欧州中央銀行の金利政策及び資金注入後市場は落ち着きを取り戻した。信用不安を伝播させる仕組みこそが問題のはずだが、まだどういう見直しがされるか見えてこない。
特筆すべきは中国と途上国が好調で、世界経済を牽引し緩衝材となって日米も恩恵を受けるというかつて無い構図が生じていることだ。この状況は新しい時代の幕開けの予兆のようなものを感じる。5-10年の間にパラダイムシフトが起こるのではないだろうか。
と言う訳で政治経済ともに私の予測は外れ、スポーツネタだけ何とか予想の範囲内に収まっているという悲惨な事態になった。もう止めたというわけにはいかないし、何が起こるかわからないのでレビューを続けるが、次回から予想項目の見直しをしようと思う。
1. 改革相次ぐ妥協で支持率低下、参院選前に安倍首相開き直る → X 前回見直しで、年金問題で躓き政治と金の問題で国民の信を失い参院選で大敗までは予想した。しかし続投を決めた直後に退陣、福田政権になり政策も政策決定プロセスも振り子が戻って改革が停滞する見込み。
2. 消費伸び悩みで日本経済低成長、GDP成長率1.8% → ○ 2.0% 世界連鎖信用不安後も途上国や欧州など世界経済は何とか踏みとどまり輸出・設備投資が堅調、消費も落ち込むまでには至っていない。米国経済の先行きは依然不透明だが成長率は何とか2%台をキープすると予想する。
3. 米国経済軟着陸、GDP成長率2.8%に留まる → ▲ 2.0% 2Q見直し時と変わらず。原油高に加えサブプライムローン問題が金融不安に波及し消費に影響が出始めた。しかし日本と同じく輸出が好調で雇用が増えダウ平均が史上最高値を記録した。依然先行きは不透明だが意外と粘っている。
4. 中国経済過熱抑制策が始めて機能し成長率10%を切る → X 11.5% 景気抑制の金融政策や環境政策も焼け石に水、経済成長率は予測を大きく上回る11%台半ばに達する見込み。2010年にはGDPの日中逆転も起こりうる勢い。株価はロケット上昇、いまや軟着陸という言葉さえ聴かなくなった。が、バブル崩壊はいつか必ず起こる。
5. 欧州、BRICs経済の好調続くが年後半頭打ち感出る → ▲ 世界連鎖信用不安で最も影響を受けたのは欧州だが、何とか乗り切りそうな状況だ。インドなどアジア地区経済も再び堅調な成長を見せ、欧米の金利低下は世界経済成長維持を期待させ資源価格が上昇し、資源国経済も好調を続けている。
6. 日経平均18,000円突破、為替ユーロ>円>ドル安 → ▲ 世界連鎖信用不安で最も影響を受けたのは日本株式市場だったが、やっと17000円台を回復した。ドル安が続き基軸通貨としての役割に変化が起こると事態は流動的になる。
7. サッカー:アジアカップ連覇ならず、オシム成果が出始める → ◎ やはりアジアカップは連覇できなかったが、その後のオーストリアの大会でスイスに勝ちオシム成果を見せた。
8. 日本人MLB活躍続く、松坂一発病に悩むも活躍、日本プロ野球低迷 → ◎ 松坂は制球難から一発病に悩むもチームの優勝に貢献した。イチロー他日本人選手も活躍した。日本プロ野球は熱戦が続いているが、改革は遅々として進まずテレビ視聴率の低下が止まらなかった。■