かぶれの世界(新)

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お前に言われたくないよ!

2011-09-05 23:54:58 | 国際・政治

海外メディアの野田新首相評は、例によってGooニュースの加藤祐子さんの記事(8/30)で時間を節約させてもらった。日本のマスコミに比べ英語圏報道全体の論調が良く纏められているように感じた。海外の一般的な反応は「又、首相が変わった、今度はどの位持つのか」というものだ。

もう少し日本を知る人達の具体的反応は、彼らが期待していた国民的人気の前原氏が敗れた失望感と代表選の不合理さを説き、野田氏が指導力より党内の内輪もめで選ばれたナショナリストかつ財政タカ派であり、首相にい続けるのに精一杯で日本の政治膠着が続くと見ている。

海外メディアの見方は総合すると「野田代表誕生の意味」で私が予測した悲観的な見通しに近い論調のようだ。割りと好意的な日本のマスコミや世論調査と温度差がある。政策的にはまだ何もやってないのに支持率が跳ね上がった。菅首相は反小沢で支持率を高め、野田首相は党内融和で支持された。全く不思議な現象だが、それが私の悲観的な見通しの理由でもある。

昨日付けのニューヨークタイムズ電子版の社説は、野田首相には日本に必要な強くて創造的なリーダーシップが無いと酷評している。彼の低姿勢スタイルでは国民に不人気な普天間基地移転の支持を得ることは困難だろう。ワシントンはコロコロ替る日本首相にウンザリしている。オバマ大統領と野田首相は対中関係、北朝鮮核、経済二番底回避等を真摯に話し合えと結んでいる。

概ねその通りだろうが、外国かぶれを自称する私でも素直に聞きたくない気持ちがある。日本の政治膠着はもう何年も続いているのは事実だが、失業率が9%もあって来年も改善する見通しが無く、国債が焦付き寸前まで行き世界経済を震撼させたのは米国だ。日本じゃない。

欧州は欧州で、いつまでたってもギリシャを始め南欧諸国の信用不安を根本解決せず、世界の金融システムを脅かしている。EUトータルとして政治の意思決定システムが機能してないのに、国内の反発を恐れ問題先送りを続けているではないか。これが政治の膠着でなくて何だろう。

確かに日本の財政赤字は酷いが信用不安は起してないし、世界経済に深刻な影響を与えてもいない。「お前等に日本の政治膠着などと言われたくないよ」と英語圏マスコミの上から目線の記事を読んで感情的な気分になった。

百歩譲って、欧米の政治が立派に機能する一方日本の政治が膠着状態だとしよう。それじゃ、日本並みに金融を安定させ世界に信用不安をばら撒かず、日本並みの失業率や犯罪率を実現できるか、自国の政治をしっかり分析してみろといいたい。ここまで言って、日本の政治に対するFTの提言を加藤さんの上記記事から孫引きして紹介したい。

「国民にも一定の責任はある。首相が新しくなるたびに、・・・出だしの人気はとても高いのだが、数カ月もたつと国民は飽きてしまい、党は、・・・リーダーをお払い箱にしなくてはと考える。もっとしっかりした政治指導者を求めるなら、国民の側ももっと我慢強くならなくてはならない。政党の側はあいまいな世論調査結果など無視するべき(日本ではその調査手法からして疑わしい)、・・・」

コメント
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