理研の笹井副センター長が自殺したとみられるニュースが流れた。日本を代表する頭脳の一人が失われた。「やっぱり来たか」というのが私の印象だ。STAP細胞論文の研究不正事件について集中豪雨的報道があった時、報じられた内容を見て「これは犠牲者が出るな、出るとしたら小保方博士と笹井博士だろう」と思った。
その頃はNHKと全民放が連日芸能人のスキャンダル的扱いで報道を続けていた。この世界の事情を知っている専門家が梯子してテレビ出演し解説をする。それに素人が推測を披露する。同じパターンの報道をするテレビ局がこんなに必要かと思ったものだ。もう止めろと。
もっと酷いのは週刊誌だった。新聞に出た広告の目次を見ただけでプライベートに土足で踏み込み、酷いこと(中傷かどうかは分からない)を平気で報じているのを見て気持ちが悪くなった。関係者はそうされても仕方ない罪を起こしたのだろうか。正直よく分からない。第三者の外部調査が厳しい処置を求めて追い詰められたのかもしれない。
笹井氏は自殺かも知れないが、マスコミに殺されたと私は感じる。彼等は持ちつ持たれつのテレビに出て来る評論家や芸人等の「各種」タレントとは違う。このニュースが出始めた頃から、彼等は見るからに打たれ弱そうで、マスコミの餌食になりそうな気がした。間違いを犯した人を寄ってたかってリンチにかける一昔前のやり方をマスコミだけが許されているのが現実世界だ。
この件で多分マスコミは反省しないだろうなと私は思う。彼らは他人には反省は求めるが、自らは反省しない人種だ。今は女子高生殺人事件に忙しい、何故殺人を止められなかったが焦点のようだ。両親や公的機関が妥当な対応をしたのか疑問に持つのは当然でも、再び予想された悲劇を生まない様に心してやって欲しい。殺人を調べるからと言って人を殺していい訳がない。■