かぶれの世界(新)

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世界の警察官が戻って来る?

2014-08-29 18:10:42 | 国際・政治

 どうも風向きが変わった様に感じる。シリア政府軍が化学兵器を使った時、オバマ大統領は「一線を越えた」と言い軍事介入を示唆した。だが、国内の厭戦気分に押され腰砕けに終わった。その時、米国は「世界の警察官」の役割を放棄した。ところが警察官のいない世界は思ってもみない事態を招いた。米外交は迷走し、ならず者が跋扈する世界になった。

 ロシアがウクライナ・クリミア半島を自国に併合し、更にウクライナ東部紛争に軍事介入の動きを見せた。イスラム原理主義ISISがシリアとイラクにまたがるのイスラム国を宣言し、テロと恐怖政治を布いて少数民族を排除した。中国は待っていたように南シナ海の権益を確保しようと沿岸諸国を力でねじ伏せようとした。はばかることなく米国に口出しするな、二国間問題だと主張した。

 オバマ大統領はその都度強い言葉で警告を発したが、世界の警察官を止めたと思われた米国の警告は軽く見られたと思う。共和党強硬派はオバマ大統領の不介入主義を非難したが、戦争疲れした米世論は消極的支持をした。だがこの10日間で、米国を吹く風向きが微妙に変わったように私は感じる。

 19日にISISが米記者を斬首した映像がYouTubeに流された時から風向きが変わった。ショッキングな映像を見て一夜にして米国世論の気分を変えたと私は推測する。ベトナム戦争の悲惨な映像を見て反戦機運が高まったのを思い出した。世論は殺害されたジャーナリストの仇をとれというより、もっと広範に「アメリカがならず者をやっつけない限り他の誰がやる、ほっといたら世界は目茶目茶になる」という思いだ。

つまり、報道された記事や世論調査を見ると、米世論は再度「アメリカは世界の警察官になる」ことを望む(或いはやるっきゃない)と考えを変えたように感じる。YouTubeの映像はそのくらいインパクトがあったと感じる。数年後に振り返るとYouTubeが転換点になったと言われることになる、断定出来るほど確信がある訳ではないが、条件付きでそんな風に感じる。

その条件とは、米国の相対的影響力の低下は否めないが、警察官に戻るという米国の強い意思の表明が欧州を追随させる動機付けになるだろう。映画「ハイヌーン」みたいに米国単独で英雄的な警察官は努められない。世論が優柔不断なオバマを後押しするのが第2の条件だ。中間選挙の情勢判断が影響するだろう。全ては私の妄想だろうか。今後の展開を見守ろう。■

 

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