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民主党代表選のネット民意考

2010-09-06 13:55:20 | ニュース

末に実施された新聞テレビ各社の民主党代表選に関する世論調査は、何れも菅氏への支持が小沢氏を圧倒的に上回ったと報じられている。民主党代表選が開始されて1週間、代表選出馬演説や討論会を見た。久しぶりに見る小沢氏の露出が急増し新鮮に感じた。彼の主張する内容には迫力があり引き付けられる国民が増えるかも知れないと私は思った。

しかしふたを開けると世論の支持は1週間前と同じく菅氏が小沢氏を大きく上回る結果となった。経済政策や普天間基地問題などの個別の政策を見ると、支持率にそれ程の大差はない。なのに首相としてどうかと聞かれれば、圧倒的に菅氏というのが国民の声であるといえよう。

言い換えれば、国民は政策や実行力では一定の評価を与えても小沢氏を信用していない、「政治と金」の疑いを誤魔化している人に首相になってもらいたくないという、小沢アレルギーの様な反発があると感じる。

‘政治用語’で言えばまさに「不徳の致すところ」と本人が言わないものだから、替わって国民に決め付けられたようなもんだ。日本だけでなく海外メディアの評判も概して悪い。極端に言うと小沢氏を当選させては我国の民度が疑われて恥かしいとさえ感じる。

や一方で、世論調査結果とは違う根強い小沢支持がある。大きく分けると三つの要素があると私は考える。一つは民主党内世論で依然小沢支持が上回っていると今朝も報じられた。だが菅氏が当初の予想より善戦しているらしい。二つ目は自治労や日教組及び民間労組の組織票だが、近年の選挙で徐々に組織力の低下が指摘されており今回どの程度統一した行動がとれるか不透明と見られているようだ。

三つ目が意外にもネット世界の世論である。今回一般の世論調査と逆転し小沢氏の支持が菅氏を圧していると報じられている。将来の世論形成に大きな影響力を持つ可能性があるとみて、この数年ネット世論の動向を見てきた。例えば米国では政治的な意思表示をする時選挙民は何を見て判断するか問われ、ネット情報がトップに来ると調査結果が示している。

しかし私の見る限り、日本のネット世界は依然少数派で概していうと非寛容で民族主義的な方向に向かい極端に流れる傾向が強いという印象がある。世論を導く先進的リーダーになるより、「はねあがり」者的振る舞いになりがちな感じを受ける。

先進国でも多様なネチズン動向があるが、日本の尖がったネット世論は違和感がある。携帯やパソコンなどこれだけIT機器が浸透し国民生活のメインストリームに入って来たのに、それを使った世論形成がこんなに極端なのは何故だろうか。何か日本特有の文化的背景があるのだろうか。

ット世論は新聞・テレビが乱数を発生させて不特定多数に意見を聞く調査方法とは異なる。明確な主張を持ったネチズンが、主体性を持って積極的に意思表示した結果である。菅氏に多いと言われる小沢氏よりはマシという消極的支持者は、そもそもネット世界でわざわざ意思表示しない。

数年前田中康夫氏の再選を阻んだ長野県知事選前、ネット世論は圧倒的に田中氏を支持した。選挙結果は従来メディアの世論調査通りになった。当時はパソコンを持たない老人層の票が決定的な影響を与えたと私は推測した。それから数年経ちIT機器は格段に普及したのだが、今回の従来世論とネット世論の乖離は寧ろ拡大したように感じるのは何故だろうか。私には謎だ。

断っておかなければならないのは、ここでネット世論といって引用したのは2チャンネルとLivedoorである。日経BPのような主要メディア傘下のWebマガジンが実施したネット調査は菅氏が優位と伝えられている。日本で世論形成に影響を与えるのは依然としてテレビ、それに次いで新聞であり、ネットは全体としてまだ信頼できる発信源になっていないというのが私の率直な印象だ。■

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