ヒロッタ君

我が家に新しい家族が加わった。２日前に近くの生花店の前で見つけたと言って家内がカブトムシを持ち帰った。旧甲州街道沿いの店の前にひっくり返って足をバタバタさせていたという。花を仕入れた時についてきたと思ったが、彼女は花屋の向かいのお寺の栗林から飛んできたのではという。

取り敢えず空き缶に入れたと聞いて、私は太陽熱で焼け死ぬかも知れないから段ボール箱に入れるべきと勧め、彼女は直ぐに手頃な箱に移した。ネットで調べてバナナやモモ、トマトなどの餌をやった。暫くして箱を覗くとモモやバナナを食べ大きめのウンチとオシッコの跡があった。

一気に食べたのは余程お腹が空いていたのだろう。その後は追加したバナナやトマトにはあまり口を付けてない。名前を付けようということで家内と話し合い幾つか案が出たが、花屋の前で拾ったのだから安直だが「ヒロッタ」にしようということになった。

ヒロッタ君はそのうち元気になったのか、ガサガサ音を立てて箱から出ようとしてる様子。このままではまずい、ちょうど外出中だった息子に虫かごを買ってきてくれと頼んだ。夕方、プラスティック製の昔懐かしい虫かごを息子が持ち帰った。直ぐに家内は新聞紙を敷いてカゴに移した。

ヒロッタ君はその後も殆ど餌に手を付けておらず、かごの中で静かにしてる。今日は戸越銀座で家族揃って孫の誕生パーティをやる予定だ。家内はヒロッタ君を孫のプレゼントする予定なので、残念ながら突然増えた家族も今日でお別れだ。■