英国が中国主導のアジアインフラ投資銀行に参加表明した時、突然の決定に驚いたが同時に世界はいざという時建前を忘れ「国益」という本音で動く、その意味では驚くべきことではないと「二枚舌の世界」(3/15)投稿した。私はその後の各国の意思決定が世界的にどう評価されるか注目したが、殆どの欧米メディアは米国の意思決定のミスと背景に米国の衰退・孤立を指摘した。日本メディアもバスの乗り遅れ論が断然優勢という印象だ。
私はこのようなメディア自身が「二枚舌の世界」に同調する状況に違和感があった。たまに不参加を支持する意見が散見されたが、私が読んだ範囲ではAIIBの格付けやノウハウ不足等の問題を考えると、慌てて参加判断するより良いというような、賛成論と同じロジックの延長線上での意見が多かったと思う。おやまあ、建前を論じるメディアはないのか、普段の国内報道の姿勢を見慣れた私には信じられない気持ちだった。
だが、今日の日本経済新聞のコラム「風見鶏」でついにAIIB参加に関連して建前を論じる記者( 特別編集委員伊奈久喜)を見つけた。国境なき記者団の2015年「報道の自由度」ランキングで、ロシア152位、シンガポール153位、中国は下から5番目の176位だと紹介した後、その中国主導のAIIB参加の意味が何を意味するか問題提起した。下記にその部分をそのまま引用する。
自由でない中国が主導するインフラ投資は、民主化抑圧政権の肩入れにつながる。民主化が平和をつくるとするリベラルな安全保障理論が正しければ、それは地域の不安定要因になる。富を得た抑圧政権は対外拡張に走りやすいからだ。
誘拐犯のテロリストと交渉しない理由として、人質解放の為に身代金を払うとその金が、テロリストを勧誘し武器を買う資金として使われる。これと同じロジックだ。国内では報道の自由を声高に叫ぶ朝日・毎日に代表されるメディアがどう評価しているか知らないが、イデオロギー色が薄い日経でさえこのような論評を記事にしたのはやっと2か月後のことだった。それでも、私はよく書いてくれた、同じ思いをしている人もいるんだと思った。
実は、日本のメディアの反応は予想通りだったが、上記記事によるとニューヨークタイムズ(NYT)やワシントンポスト(WP)も中国の政治経済力の前に米国のミスと決めつけたという。おや、まあー。伊奈氏自身、現実はNYTやWPのいう通りで、報道の自由は改善することもなくアジアはシンガポール型国家化(国家経済主義)し、世界は中華圏化すると諦めの言葉で締めている。そんなことでいいのかなー。■
私はこのようなメディア自身が「二枚舌の世界」に同調する状況に違和感があった。たまに不参加を支持する意見が散見されたが、私が読んだ範囲ではAIIBの格付けやノウハウ不足等の問題を考えると、慌てて参加判断するより良いというような、賛成論と同じロジックの延長線上での意見が多かったと思う。おやまあ、建前を論じるメディアはないのか、普段の国内報道の姿勢を見慣れた私には信じられない気持ちだった。
だが、今日の日本経済新聞のコラム「風見鶏」でついにAIIB参加に関連して建前を論じる記者( 特別編集委員伊奈久喜)を見つけた。国境なき記者団の2015年「報道の自由度」ランキングで、ロシア152位、シンガポール153位、中国は下から5番目の176位だと紹介した後、その中国主導のAIIB参加の意味が何を意味するか問題提起した。下記にその部分をそのまま引用する。
自由でない中国が主導するインフラ投資は、民主化抑圧政権の肩入れにつながる。民主化が平和をつくるとするリベラルな安全保障理論が正しければ、それは地域の不安定要因になる。富を得た抑圧政権は対外拡張に走りやすいからだ。
誘拐犯のテロリストと交渉しない理由として、人質解放の為に身代金を払うとその金が、テロリストを勧誘し武器を買う資金として使われる。これと同じロジックだ。国内では報道の自由を声高に叫ぶ朝日・毎日に代表されるメディアがどう評価しているか知らないが、イデオロギー色が薄い日経でさえこのような論評を記事にしたのはやっと2か月後のことだった。それでも、私はよく書いてくれた、同じ思いをしている人もいるんだと思った。
実は、日本のメディアの反応は予想通りだったが、上記記事によるとニューヨークタイムズ(NYT)やワシントンポスト(WP)も中国の政治経済力の前に米国のミスと決めつけたという。おや、まあー。伊奈氏自身、現実はNYTやWPのいう通りで、報道の自由は改善することもなくアジアはシンガポール型国家化(国家経済主義)し、世界は中華圏化すると諦めの言葉で締めている。そんなことでいいのかなー。■
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