かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

企業買収騒動再燃

2005-10-14 14:37:25 | 社会・経済
村上ファンドが阪神電鉄、楽天がTBSの筆頭株主になり、又もやメディアが騒いでいる。しかし先の衆院選のときと違って、深刻さが無く何やら高みの見物的な興味のもたれ方である。ホリエモンのニッポン放送買収のときの感情的な反応に比べクールな反応が対照的である。麻生総務大臣も昨年とは打って変わり、嫌なら株式を公開するなと非常に論理的なコメントをした。結構なことである。

しかし、私は村上氏のタイガース上場提案については異論がある。理由は簡単である。プロ野球チームの目標は優勝であり利潤の追求ではない。一方、市場の評価は将来利益がどれだけ得られるかで決まる。この基本的な価値観の違いは運よく一致する場合もあろうが必ずしも相関関係にあるとは思えない。楽天野球は1年目から黒字になったそうだが、プロとしてはあまりにも弱過ぎ、このままで引き続きファンの支持を得られるとは思えない。何時か経営が成り立たなくなって放り出し名前を変える事態が来ないとは言えない。

組織の責任者は目的を如何に果たしたかによって判断されるべきである。この基本的な価値観の違いを抱えたまま市場に出て行ってタイガースが資本の論理で評価されるようになると、何時かはチームは方好感を無くし魅力を失う可能性が高いと思う。そういう意味では日本のプロ野球が企業名になっていること自体が今回の問題を起こしたといえる。

世界のプロスポーツを見渡せば殆どのチーム名は地域の名前であり、明らかにその目的が利潤追求ではないことが明確になっている。日本でも既にJリーグは先行して地域の財産になっており目標は勝つことである。この機会に昨年盛り上がった熱気を思い出し、日本のプロ野球の根本的な問題に立ち戻り議論して欲しいものだ。■


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2005年を大胆に占う(3Q見直し)

2005-10-12 16:02:29 | 社会・経済
10月に入り私の大胆占いを改めて見直してみると、為替予測以外はかなり当たっている。当初専門家とはかなりずれていると思われた経済予測が、夏以降景気回復の気配が見えてくるにつれ現実的な数字になってきたのは幸運だったかもしれない。

1.イラク新体制定着せず、自衛隊駐留延長で大揺れ → ○予測通りに進捗  続発するテロで治安悪化、米兵の戦死者が増加、ブッシュ政権は撤退時期を示せず支持率を下げ苦境に陥っている。日本では郵政民営化後の政局になる可能性があると見たが、自民圧勝と民主の前原新体制でイラクが争点になる可能性が減った。

2.日本経済後半盛返すが、GDP成長率2%ならず → ◎景気上向き明確に
  IT関連の在庫調整が終わり国内消費と設備投資の回復傾向、米国経済は後半も力強さを失わず悲観的だったアナリストは予測を上方修正、私の予測通りになってきた。

3.日経平均は2006年を先取りし、15,000円を突破 → △可能性ゼロじゃない
  衆院選を境に景気回復基調が明確になり自民圧勝を受け非現実と思われた予測すら全く可能性が無いとも言えなくなった。突破できなくともどこまで迫るか期待。

4.ドル安Euro高が進行、円連れ高ドル90円割れを伺う → ▼依然ドル高進行!
  原油高でも底堅い米経済でFF金利上昇と人民元依然割安で日本経済回復基調が明確になってもドル高が続いている。投資方針は変更せざるを得ない状況。

5.米国経済ドル安の恩恵を受け順調、GDP3.5%成長 → ○予想を上回り堅調  原油価格高騰・ハリケーン災害でも個人消費は底堅く、依然3.5%の成長を上回る勢い。住宅バブルにやや陰りが見えてきたのが気になる。

6.中国国内市場伸び悩み、GDP成長8%に留まる → △軟着陸、9%成長を達成見込
  抑制効果がうまく機能して経済過熱から秩序ある高度成長に向かいつつある。それでも成長率は9%を上回る見込み。マクロ経済レベルの運営は賞賛に値する。

7.日本サッカー苦難の末、ドイツWカップ出場決定 → ◎出場決定、万歳!
  本大会の準備をしっかりやって欲しい。バックスの強化が最大の課題。

8.MLB松井大活躍、楽天善戦するも記録的低勝率に終わる → ○松井まずまず、楽天戦力通りの結果
  松井プレイオフの不調が残念。楽天はチーム構想に問題あり、プロは甘くない。■


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CIA漏洩事件の新たな展開を読む

2005-10-09 11:49:08 | 国際・政治
7月初め「タイムの裏切り」と題してCIA覆面調査官の名前をホワイトハウス高官が漏洩した事件について書いたが、ここに来て新たな動きが見えてきた。情報源にインタビューし大陪審員での証言を拒んで法廷侮辱罪で刑務所送りされたNYタイムスのミラー記者は、情報源(チェイニー副大統領補佐官)の許可を得たとして証言に応じた。これに続いて大統領側近中の側近カール・ローブ氏が4度目の召喚を受け証言することになった。今回は免責証言ではないという。

担当のフィッツジェラルド検察官の任期が今月28日に切れることもあって、近々何らかの判断が下されるというのが大方の見方である。私は当初、覆面調査官の名前の暴露記事を書いたノバク氏の罪は重いと思ったが免責証言し罪を逃れ、記事を書かなかったミラー記者が取材源秘匿の原則を守り刑務所に入った。この意味するところは、巨悪をしとめるためには多少の不公平はやむを得ないという検察官の姿勢を私は感じる。

フィッツジェラルド氏はこれまで証言内容が外に漏れないよう徹底し憶測が広まるのを防いできた。これは捜査の対象がブッシュ政権の高官であるので当然かもしれないが、私には検察官がこの機会を最大限利用して名前を歴史に残すためいかにも米国風の舞台造りをやっていると感じる。これは別に捻じ曲がった判断を下すということではない。寧ろ適切な判断を出すのは当然だが、出来るだけ劇的な形になるよう巧妙に演出しているように見える。

これを前提にして又もや独断と偏見の基づく予測をすると、政権におもねた判断は出てこないと私は思う。カール・ローブ氏は非常に危険な状態にあるという感じを受ける。粗末なハリケーン対応で低下した支持率の回復という大事な時期なのに、このところローブ氏のビジビリティが減ったという報道もある。何かを予感して政権との距離をとり始めたのだろうか。もしそういうことになるとブッシュ政権には痛烈な打撃となり、二期目政権のレーム・ダック化が進むのは避けられないだろう。

今まで私の直感はかなり当たったと思うがそれ程根拠があったわけではなくこれは占い程度の読み物と断っておきたい。ところで以前のタイトル「タイムの裏切り」はその後の進展を見ると本筋から外れていることが明確になったので今回変更した。初めは報道のニュース取材源秘匿への挑戦と位置付けたのだがブッシュ政権スキャンダルの要素が強くなった。■


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

総括:自民圧勝の民意

2005-10-02 11:31:09 | 国際・政治
今回総括として、数字の分析を超えて有権者が何を思って投票したかについて論じたい。解散後から選挙結果についてメディアがどう分析しているか見てきた。自民圧勝後のリスクや郵政民営化以降何が起こるかについての議論が多い。その議論も重要だが、私はもう一度民意がどうだったか掘り下げ理解する事を忘れてはならないと思う。今回の選挙は地元利益誘導型から政策に基づく政権選択に変化したからであり、この傾向は後戻りできない非可逆的なものであるからである。民意に反する政策を実行すれば次回選挙で手痛いしっぺ返しを受けるのは間違いない。

昨今のメディアの論評の典型として、立花隆氏は27日nikkei.bpで小泉圧勝の05体制を「危険な兆候」と論じている例を挙げる。これまで自民安定政権の下で作られた利権構造と、繰り返されてきた政治腐敗が簡単になくなるはずが無いという信念が感じられる。端的に言うと立花氏は、自民大勝の理由は政策ではなく小泉氏の大衆受けのいいアプローチであると主張している。権力は腐敗するものである、一般論として正しい。

彼がそういうのは理解できる。友人の元ゼニス社長のフランス人がワールドカップで母国が優勝したときの賭けを再度引用したい。彼はあまりにも長い間母国のチームに期待し裏切られ続けてきたのでフランス・チームの強さを信じることが出来なかった。結局ブラジルに賭け、私がドンペリをせしめた。あまりに単純化しているとの批判はあろうが、立花氏の小泉政権への疑いは彼の失望の歳月が彼の眼鏡を曇らせているのではないだろうか。

私はもっと素直に主張を聞きその主張があるべき姿かどうかを論じ、それが如何に実現されるか不足していれば何を付け加えればいいかという視点で見ていく事のほうが大事であると思う。結局のところ民主党の選挙戦略は対案を示せず敗れたと同じことを今多くのメディアがまだ続けている。勿論、今回の選挙結果の意義を真正面から指摘している論評も少数ながら見かけられる。

その中で小林慶一郎氏の囲み記事「ディベート経済」(朝日新聞05/09/26)は小泉路線が圧倒的に支持された3つの理由を明快に述べている。小林氏は財政規律の回復とその延長線上にある年金・増税・構造改革がどう受け止められたかというより、大元の原因を除く事の方に国民の意識があったと指摘した。その要点は私流に意訳すると以下のようになる。

1) 社民・共産の大きな政府の政策提案が財源について具体性を欠き国民に信頼されなかった。与党は増税には触れなかったが、歳出を減らして財政の持続可能性を回復するという方向性は明確な印象を与えた。
2) バブル崩壊後の不況の反省、すなわち政治が三流でも銀行や大企業が一流なら大丈夫という神話が崩れ、政治が公正な市場・ルールを整備しないと市場経済も腐敗し非効率化することを不良債権問題や経済の低迷を通じて強く印象付けられた。公正な市場競争の実現のため政治が大きな役割を果たし、経済を効率化にしなければ弱者の取り分も増やせない。
3) 弱者救済を訴える勢力が必ずしも真の弱者を代表していない。従来型政治の受益者は建設業者や労組の既得権益層(むしろ地域社会や雇用の場で強者)であり、生活に困窮した真の弱者とは言いがたかった。反小泉陣営は弱者救済のふりをした強者の既得権益保護と有権者は考えた。…「真の弱者」救済が否定されたわけではない。

私は小林氏の分析が最も的確に民意を説明していると実感している。自民党政権が高支持率を維持できるかどうかはこの民意に答えることが出来るかではないだろうか。今回の選挙で初めて自民党は世耕弘成氏をリーダに広報戦略チームを設け、リアルタイムで民意がどこにあるか調べそれに沿って言う事を毎日のように修正し成功したことが注目されている。選挙後もこの組織は維持され機能しているように見られる。

メディアは一時的な選挙対策として捉えているが、小泉政権の性格上から今後選挙の機会以外に民意を汲み取って政策に反映していく継続的なシステムになる可能性がある。メディア対策が決定的な役割を果たす新しい政策決定プロセスである。この組織がカール・ローブ氏のように米大統領の政策にまで影響を与えるようになる可能性は十分ある。■


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする