八十路徒然なるままに

早稲田かりほすなど、とりあつめたる事は、秋のみぞ多かる。また、野分の朝こそをかしけれ。徒然草より

親と子を結ぶ10円。

2011年12月10日 16時20分33秒 | Weblog
在宅で介護をしている義母が、使うリフト。ポータブルトイレ、車椅子に移乗する時に、ヘルパーさんも使っている。いつも、上品なばあちゃんで、「いただぁきますぅ」、「ごっつおさまでした」と、礼を言う。ある時は「この世からあの世へいくんだからいらねぇよぉ」っと、いう時もある。「饅頭食べっけぇ」って、声をかけると、「ほおぉあんのげぇ」って、目を細めて食べる。買い物に行ってくると、声をかけると、「甘ぅくて、うめえぇもの、いっぱい買ってこおよぉ」って。食べるのがなによりの楽しみのようだ。そんな、ばあちゃんも、月に一度か二度、頭の中のスイッチが、悪いほうに入ってしまうと、声を荒げたり、オムツ替えの、わが子をこぶしで叩く。娘だとわかっているのだが、認知症なので、わきまえがなくなる。元気の証拠だ。年があけて夏になると、98歳になる。ある牧師さんの講演のなかにあった話し。知的障害のこどもが、施設から、社会復帰の訓練のなかで、お金の価値を、500円、100円、10円で、一番大切なのはと、聞くと、いつも10円という。やはり知的障害なのかと思っていたそうだ。しかし、よく聞いてみると、その10円は、大好きな父親と、娘の帰りを待ちこがれている母親の声を聞く、電話機に入れる、10円だと、言ったそうだ。「かあぁちゃん、とおぉちゃあん」っていたのかなあ。いろいろのな家族があるのだなぁと、いつも思っている。
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