八十路徒然なるままに

冬枯れのれしきこそ、秋にはをさをさ劣るまじけれ。汀の草に紅葉の散りとどまりて霜いと白うおける朝ーー。徒然草より

薬より養生

2013年01月17日 19時35分44秒 | Weblog
在宅で介護をしているばあちゃんの、ある日のおかず。見た目も、味も、勿論美味しい。やわらかいので、スプ-ンで食べさせている。かれこれ、もう一年近くになる。飲み込む口の動作を、忘れてしまった時があった。口に入れても、舌で押し戻してしまう。この、舌で押し戻すことを忘れさせようと、小さいカップのアイスクリ-ムを、一時間かけて、飲み込ませた。ひと匙口に入れては、のどぼとけをさすったり、飲み込めるように、下あごを指で押したり、両耳の上のこめかみのところを、タイミングをあわせて、ぐりぐりと押したりしたものだった。こんなことが、二週間も続き、食べ物を口に入れると、舌で押し出してしまった時は、無理に食べさせないようにしていた。ダメかなぁと、あきらめたこともあつた。その間に、通院をして、点滴はしていた。今でも、週に二回、在宅で点滴をしている。食べることが楽しみになったのは、自分でフォ-クに刺して食べるまんじゅう、ようかん、自分の指でつまんで食べる赤ちゃん用の柔らかいお菓子を、食べさせてからだ。生きていく基本は、食べることなんだなぁと。たまあぁに話し相手をしていると、「おれ、死んじゃうのかなぁ」って。「大丈夫だよぉ。まんじゅうを食べて、おしっこが出て、うんちも出っから、大丈夫だよぉ」って、言い聞かす。おちょぼ口をあけ、目を細めて、笑ってる。
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