八十路徒然なるままに

すざまじきものにして見る人もなき月の寒けく澄める、廿日のあまりの空こそ、心ぼそきものなれ。徒然草より

安産祈願

2017年11月27日 12時59分07秒 | Weblog

下記は、鴨志田義康著「いわきの伝説50選」より、抜粋しました。赤井の村里に、竜の化身の若者がいました。若者が近くの娘さんを嫁にしようと、願いましたが、竜の化身と知られ、許されませんでした。竜の化身の若者は、娘さんをさらって、竜宮へつれていき、乙姫様にしました。乙姫は、身ごもりました。が、ひどい難産で、何日も、もだえ苦しみました。海中の神々に、安産祈願をしましたが、ききめがありません。思い余って竜神が、赤井岳の薬師如来に、安産をお願したら、すぐさま苦痛は去り、乙姫は、無事、美しい子を生みました。安産に喜んだ竜神と乙姫は、薬師如来に、お灯明をあげました。このお灯明が、四倉の海に、数十の明かりとなって現れて、薬師堂に入るもので、竜灯と、名づけられました。「竜の火は 海路はるかにかよい来て 杉のこずえに 影はきえつつ」。「乙姫は 産のなやみに願かけて 幾世ささぐる 竜のともし火」。二首は、平藩の学者神林復所の詠歌。

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