八十路徒然なるままに

冬枯れのれしきこそ、秋にはをさをさ劣るまじけれ。汀の草に紅葉の散りとどまりて霜いと白うおける朝ーー。徒然草より

一足早く

2020年12月26日 19時46分12秒 | Weblog

年賀はがきを、ポストに投函をした。素材集の花鳥画から、すずめの図柄にした。画は、すずめだろうと、思う。落語に、「抜けすずめ」と、いうのがある。むかぁし昔、みすぼらしい姿で、村外れの旅籠に、客引きされて宿泊をして、朝晩、酒をたらふく呑み、無銭飲食をして、ついたてに、五羽のすずめを書いて、一羽一両だから、五両だぁと、後々戻るから、それまで預けておくと云って、立ち去った。宿では、夫婦喧嘩で、大騒ぎ。翌朝、宿の主人は、二階の部屋の雨戸を開けると、朝日が差し込み、ついたてに書かれていたスズメが、ちゅっちゅつちゅっと飛び出し、餌をついばんで、ついたてに戻ったという。この話しが広まり、押すな押すなの泊り客で、大賑わい。これを聞いた殿さまがきて、飛び立つ様子をみて、一羽千両、五千両で、買い上げると言ったが、預かり物だと、断った。ある日、老人が訪ねて来て、ついたてをみて、スズメは死ぬぞと言い、止まり木と、籠を書いて立ち去った。そのあとになつて、スズメを書いた本人が戻り、五千両の値が付いたのかぁと。止まり木と籠を書いたのは、父親で、「親を、とうとう、駕籠かきにした」というのが、落語のおち。スズメが、五千両という、景気のいい話し。でも、画像の年賀はがきを受け取った人は、たぶん、「あいつ、なに書いてんだぁ」と、思うのだろう。これを見ながら、怪訝な表情をしているのを、見たいものだぁ、です。

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