こんにちは、ごみ行政の適切かつ安定的な運営は、市政の根幹を支える重要な課題であると考えている多摩川衛生組合議会議員の石井伸之です。
本日は、多摩川衛生組合議会として杉並清掃工場を視察しました。
午前8時20分に多摩川クリーンセンター集合して、バスで杉並清掃工場に向かいます。
杉並清掃工場は東京ごみ戦争の中で、住民側も行政側の大変な苦労を重ねる中で建設されました。
美濃部都政時代に、23区のごみを一手に引き受けていた江東区の最終処分場は溢れかえるゴミに辟易していました。
そこで東京都は23区の各地域にごみの焼却工場建設に動きます。
杉並区ホームページによると、はじまりは昭和41年(1966年)11月14日、新聞へ折り込まれたチラシでした。「貴区から排出するごみを衛生的に処理するため、杉並清掃工場を下記により建設することになりました」と記載があり、高井戸の住民は、このとき初めて都の決定を知ることになったのです。
東京ごみ戦争年表年月日内容(杉並区ホームページより)
昭和41年11月14日 | 都が高井戸に杉並清掃工場建設を発表 |
11月19日 | 建設反対期成同盟が発足 |
昭和43年10月5~9日 | 都の測量隊立入阻止 |
昭和46年9月28日 | 美濃部東京都知事が東京ごみ戦争を宣言 |
昭和47年2月26日 | 都との覚書交換(強制収容はしない旨の内容) |
12月22日 | 杉並区のごみ搬入を江東区が阻止(第1回) |
昭和48年5月22日 | 杉並区のごみ搬入を江東区が阻止(第2回) |
5月23日 | 都が建設予定地を高井戸に再決定 |
昭和49年11月25日 | 杉並清掃工場建設に関する和解成立 |
昭和54年 | 杉並清掃工場本体工事着工 |
昭和55年11月1日 | 財団法人杉並正用記念財団設立 |
昭和58年1月1日 | 杉並清掃工場本格操業開始 |
4月1日 | 高井戸市民センター開設 |
周辺住民による反対運動や江東区による杉並区のごみ受け入れ拒否がありましたが、足掛け17年の時を経て、ようやく杉並清掃工場が稼働しました。
初代の清掃工場も老朽化したことから、平成24年9月に新たな清掃工場建設が着工し、平成29年9月に完成しました。
新たな杉並清掃工場の基本的な性能は以下の通りです。
〇敷地面積:約36,000平方メートル
〇建設費:283億5千5百万円
〇炉型式:日立造船デ・ロール式全連続燃焼式火格子焼却炉
〇設計最高発熱量:14,300KJ/kg
〇規模:600トン/日(300トン×2)
〇焼却能力:600トン/日
〇発電出力:24,200kW
施設内を見学すると、他の清掃工場では見ることの出来ないアングルで見ることが出来るよう配慮されています。
特に燃焼している炉の中を見ることが出来る事には、大変驚きました。
見学の中で何といってもリチウム電池の自然発火には神経を尖らせているそうです。
様々なバッテリーとして利用されているリチウム電池は、可燃ごみに混在させず、地域のルールに沿った形でごみに出していただきますようお願い申し上げます。