アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒュ.ーマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(8月4日)は、西荻窪のスタジオで某業界向けの動画撮影のお手伝いに出向いていました。

喫茶店を舞台に物語が展開します。

左から NULL株式会社の 吉川飛空さん
この動画の制作会社の若き代表です。

山浦英璃さん、この喫茶店にやってくるお客様役です。

長谷静香さん、この喫茶店のマスター役です。
わざわざ衣装も準備されたようです。

長江智彦さん、この喫茶店を利用する美容師役です。
ヒューマン・ギルドでアドラー心理学やカウンセリングを学ぶ、元声優です。

9:00に集合し、それぞれの自己紹介、吉川さんからの説明後、俳優たち3人は自主的にセリフ合わせ。
初めて会った人たちだとは思えないほどでした。

昼食、休憩時間を惜しんで取り組んだためか予定の17:00より1時間早い16:00に撮影のすべてを終えることができました。

お世話役として参加した私は、セリフのない客の役、照明係、カンペ係を担当していました。

それにしても、暑い中での撮影、とても楽しかったです。


19:00~20:30はヒューマン・ギルド ×  株式会社 人援隊  (代表取締役 山本秀幸さん、講師 藤島遼太さん 共催の「オンラインセミナー アドバンスコース」の2日目に参加、「オンラインセミナーの作り方講座」を学びました。

研修でのオンラインセミナーの作り方だけでなく、オンラインと普通の集合型との違い、セミナー構成のポイントなど、痒いところに手が届くようなご指導を受けました。

私自身、無手勝流でやってきていますが、それなりに理に適っていたことや今後の工夫の必要性を感じました。

「オンラインセミナー アドバンスコース」は、まだ次のとおり受講可能です(同じ内容を平日の夜と土曜日に午前中に開催)。

■オンラインセミナーの作り方講座

 2)8月28日(土)10:00~11:30

 https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/901

 受講料:5,500円(税込)

■SMILEやELMなどの講座をオンライン開催するためのスキルを身に付けるための講座

 1)9月2日(木)19:00~20:30

 2)9月25日(土)10:00~11:30

 https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/902

 受講料:5,500円(税込)

いよいよシリーズの残り2回になりました。

それなりにZoomをこなしている人にもとても有益な講座です。

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

研修のために金沢に来ています。

テレビ朝日で「相棒」の終わりの場面を観ていたら9月14日に自ら命を絶った芦名星さんが出演していて、番組の最後には追悼コメントが流れていました。

その前の21:00からのNHKニュースを観ているときには「産後うつ」の問題が特集されていました。

ご関心のある方は、ほぼ同じ内容を次の記事でご覧になれますので、ご参照ください。

母親の「産後うつ」 コロナ影響で倍増のおそれ 研究者調査 2020年10月14日 16時08分

出産後の母親の「産後うつ」が新型コロナウイルスの影響で以前の2倍以上に増えているおそれがあることが研究者の調査で分かりました。「産後うつ」の可能性があるとされた母親のうち半数以上は自身が危険な状態にあることを認識できていないということで、積極的な支援の必要性が指摘されています。

そう言えば、今年1月、次男を出産後、8カ月で自ら命を絶った竹内結子さんにも「産後うつ」を思わせる傾向があったことをが『LEE』10月号のインタビューで書かれていたそうです。
竹内結子さんは、赤ちゃんとの久々の生活をこう語っていたことが伝えられています。

《わかっていたつもりでしたが、眠れないし、もらった風邪はなおらないし……。赤ちゃんのお世話は本当に大変ですね。育児の常識も長男のときとは変わっていることが多くて、育児雑誌で離乳食について調べたりしています》


このところ女優だけでなく女性全般の自殺者増は、統計でも明らかです。

このことは、9月26日(月)配信の ヒューマン・ギルド アドラー心理学専門チャンネル で緊急提言をすることになっていますが、重要なポイントだけをお伝えします。

今年の女性の自殺者数は1-6月で2,555人、1か月平均で470名でした。
ところが、7月から急増し、7月 645人、8月 650人、9月 639人と1-6月比37%アップしています。

赤ちゃんだけでなく子どもと関わるストレスはこのコロナ禍の中で精神的・社会的に平常時とは比較にならないほど強いと思われます。

公園に出かけておしゃべりもできない。
友人と会うのもままならない。

6月まではぎりぎり耐えていたけれど「もう限界」という方も多いのではないでしょうか?

私は、この分野の専門家ではなりませんので、問題提起だけにに留めて、SMILEリーダーやELM勇気づけトレーナー/リーダーの方は、受講生の方々とこの題材でお話しをしてみることをお勧めします。

そんなおしゃべりの機会 ー オンラインでも — が女性たちの精神的・社会的な健康に貢献し、自殺防止に役立つのではないでしょうか?

 


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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(10月13日)は、18日(日)の行う300人規模の講演の資料作りをしてからその企業を 目次 心さん と一緒に訪問して、ご挨拶と共に先方のニーズを徹底的に収集しました。

このやり方は「カウンセリング・セールス」です。


さて、昨日の讀賣新聞にこんな記事が出ていました。

讀賣新聞オンライン 2020/10/12 によれば、次のとおりです。

9月の自殺、昨年比8%増…女性は28%増

9月の全国の自殺者は速報値で1805人に上り、昨年の同じ月と比べて8・6%(143人)増えたことが、12日、厚生労働省と警察庁の集計で分かった。
女性は27・5%増えており、さらに8月をみると、20歳未満の女性(40人)が前年同月(11人)と比べて4倍近くに増えていることも判明した。

自殺者の総数は近年、減少傾向だったが、今年7月は対前年比で増加に転じた。
女性は7~9月の3か月連続で600人を超え、7月は15・6%増、8月も40・3%増となっている。

竹内結子さんもこの9月の数字に含まれます。

私は、自殺を「勇気欠乏症」の1つとして何としても食い止めなければならないという思いを持っています。

そのために10月26日(月)21:00から配信の ヒューマン・ギルド アドラー心理学専門チャンネル では、特に女性の自殺増の問題について緊急提言をすることにしました。

この中では、アドラーの息子のカート・アドラーの、自殺を願う人への対処法の4つのポイントをお伝えしています。

夕方に金沢に向けて新幹線内で読む本として『文藝春秋』(11月号)を買って、斎藤環先生の語った「芸能人『自殺連鎖』の病理」を読みました。

「メディアの外にいる人々も、死の単純な『物語化』を避けることを、真剣に考えるべきでしょう」というメッセージなど、ものすごく説得がありました。
自殺防止の関心のある方は、このためだけでも『文藝春秋』(11月号)のこの記事を読むことをお勧めします。


私は、自殺がとても愚かで、そんな行為が行われないようになるために「Well-being」の考え方を広めたいと思っています。

そのことについては、10月19日(月)の ヒューマン・ギルド アドラー心理学専門チャンネル でお伝えします。

ところで「Well-being」とは「身体的」「精神的」「社会的」に良好な状態にあることをいう言葉ですが、孤独(孤立)な状態にある人に共同体の中でしっかりとした仲間意識を持ってもらえるためにも必要な考えです。

そんな「Well-being」についてかんき出版の「ノート」からこんな記事が発信されました。

「Well-being」を知っていますか?自分らしく生き、そして働くために、心と体の免疫力アップのセミナーを開催します。

https://note.com/kankipublishing/n/na3571415dcfd

それに呼応して 今井一彰先生 から「今回のヨミドクターに、舌圧のグラフ(ベロトレから)を載せています」とご連絡が入りました。

讀賣新聞オンライン 2020年10月12日医療・健康・介護のコラム
今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

舌の筋肉を鍛えたらアトピー、うつが改善 毎日のあいうべ体操で

私たちは、自殺なんて考えられない社会を作りたいのです。

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

このところテレワークでSMILEの改訂作業に集中しています。

このプログラムを自分の手で、時代に合ったものとして再構築を図りたい、そんな想いで取り組んでいます。

昨晩もテキスト部分の最終段階に入り、夕食後パソコンに向かっていましたが、保存する段階になって同じファイルが2つ出て1つを選んで保存したら、夜の作業がみんな消え去ってしまいました。

今日、もう一度取り組みます。

選び方一つでこんなこともあるのですが、自分で選んだことなので後戻りしながらもやり直さなければなりません。


ところで、今日はこの「選び方」をテーマにします。


9月6日に アドラー心理学ベーシック・コース を担当していたときに、受講者に「よりによって他の道もあったのに、どうして今の職業を選んだのですか?」とお尋ねしました。

その際、「よりによって」は漢字混じりでは「選りに選って」と書き、それを『広辞苑』で引くと、「ほかにもっと適当なものがあると思われるのに、わざわざそれを選ぶ」と出てることを伝えました。

伝えながらふと、「私は35歳でサラリーマンを辞めて、その時点では13社からオファーもあったのに、どうして同じサラリーマンの道を選ばず、半年間無給、1年半月収20万円(ボーナスなし)」の不登校、非行、家庭内暴力の子どもとその家族の支援を道を選び、その後もヒューマン・ギルドなんか創らないで、どこかに就職する道もあったのに、どうしてここまで来たんだろう?」と、自分自身に問いかけました。

不登校、非行、家庭内暴力の子どもとその家族の支援の仕事に従事していたとき、家には岩手県から逃げるようにして私と同居することになったC君がいました。

職場に行くと、いじめられて不登校になった子や、母親と口論の挙句、親のあばら骨を折った子、暴走族上がりの子など、まるで問題児博物館のようで、背後には困り果てた家族がいました。

私はきっと当時、企業をどうするよりも家族を何とかしたかったのでしょう。

だから、そんな強い自覚もなく他の道を選ぶことなく現在に至っているのが明らかになりました。

そんな想いを噛みしめつつ、今日も明日も地道な作業に取り組もうと自分を奮い立たせます。

最後に質問。

あなたの「よりによっての道はなんですか? その道は、あなたにとってどんな意味があるのですか?」

◆「よりによって」については、過去に2回このブログで書いています。

2017年11月29日付けブログ よりによっての幸福論:武者小路実篤の言葉を添えて

2017年11月30日付けブログ 続・よりによっての幸福論:クランボルツのプランド・ハプンスタンス理論

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

14回目との間にかなり間が空きましたが、「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの15回目です。

以前に私は、シリーズの中でこんなことを書いていました。

ヒューマン・ギルドは、アドラー心理学を中核に据えながら、個人の心理的な面の幸福をもたらす勇気づけのお手伝いもしていますが、今後は、そのことに加え、組織の活気を回復するために、イノベーションを仕掛け、研修などの機会を通じて大いに貢献できると確信できるようになりました。

そのような貢献をすることによって、もう一度日本に元気を取り戻すのです。

「個人に勇気を! 組織に活気を! そして、日本を元気に!」

私は、研修講師、カウンセラー、コンサルタントとして「個人の勇気」だけでなく「組織の活気」にも大きな関心を抱いていました。

そんな最中、組織を活性化するのにうってつけの本を読んだのです。

『ワーク・エンゲイジメント』(島津明人、労働調査会、1,500円+税)

ワーク・エンゲイジメント
ポジティブメンタルヘルスで活力ある毎日を
島津 明人
労働調査会

きっかけは、3月17日に早稲田大学小野記念講堂で13:00~17:00に 公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター  主催で行われた「ストレス科学シンポジウム『うつにならない第9弾』」 でした。

その中の講演2:「健康でいきいきと働くために」でこの本の著者の島津明人先生(北里大学一般教育部人間科学教育センター教授)の講演をお聴きしたのです。

◆翌日の3月18日付けのブログでは うつにならない シンポジウムと義兄の古稀の宴 として一部こんなことを書いています。

島津明人先生の「健康でいきいきと働くために」は、「ワーク・エンゲイジメント」が中心で、組織の活性化に関心のある私には、得ることがたくさんありました。

ちなみに、働く人のこころの健康につながる新しい考え方の「ワーク・エンゲイジメント」には、次の3つが基本にあるようです。

(1)仕事に誇り(やりがい)を感じ
(2)熱心に取り組み
(3)仕事から活力を得て活き活きしている状態

私にとっては、メンタルヘルスの対応でなく予防について個人のみならず組織でどう取り組んだらいいかの視点が得られ、アドラー心理学をもとにする新たな展開として活かせそうでした。

「ワーク・エンゲイジメント」は、「バーンアウト」( 燃え尽き症候群)の研究と実践に長年携わってきたユトレヒト大学(オランダ)のシャウフェリ教授が注目し、研究するようになった概念です。

日本では、シャウフェリに師事した島津先生が第一人者です。

『ワーク・エンゲイジメント』の詳しい内容は次回に書きますが、私の組織と個人のあり方の一端を知るためには、株式会社スプリングフィールド の定期刊行物の「ありがとう!TVガイド」の巻頭を飾る記事として私が15分の取材を受けた動画が参考になるはずです。
たった15分です。
お時間を割いてくださいね。

「ありがとう!TVガイド」巻頭特集インタビュー ~有限会社ヒューマン・ギルド 代表取締役 岩井俊憲先生~

◆「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの今までの14回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3 月26日付けブログ  日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト
4月12日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(9):野球指導におけるリスペクトとトラスト
4月16日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(10 ):「承認欲求の呪縛」で強まる不幸感
4月20日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(11):不幸を招く人と組織
5月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(12):競争優位のビジネスマン的な生き方
5月9日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(13):幸福を科学した本の幸福論
5月10日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(14):続・幸福を科学した本の幸福論

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(5月9日)の午前中は、カウンセリングをしながら、ついうるっとしてしまうことがありました。

その人は、子ども時代に父親から虐待を受けていた54歳の方でした。

そんな過去がありながらも今後は、他者のために生きようと決心しています。

カウンセリングの余韻が残っている夕方に映画「あまのがわ」の監督の 古新 舜 (Shun Coney) さん(コスモボックス株式会社 代表取締役)が やぶうちゆうさん代表作『ウチとオカン』その他『貧困女子物語』新聞連載、フィリピン留学体験漫画『ウチと初海外』など描くエッセイ漫画家)と一緒にヒューマン・ギルドにお越しになりました。

自らも父と母から虐待を受け、高校生の時、父の虐待に教員が気づき、児童相談所に一時保護された経験をお持ちであることがインタビューされた新聞に載っていました。

現在は、エッセイ漫画家として活躍しながら「大人の未来(全国虐待被害当事者の会)」(ホームページフェイスブック)のメンバーとして活躍されています。

「親のための免許」が必要だともおっしゃるゆうさん、ヒューマン・ギルドの「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」に参加をご検討のようです。

会ったばかりの私は、ゆうさんのポジティブ転換力、行動力に驚嘆しました。


さて、昨日に続いて幸福を科学した本の幸福論についてです。

昨日の内容は、『幸せのメカニズム ― 実践・幸福学入門』(前野隆司著、講談社現代新書、800円+税)の核心部分です。

第2章の「幸せの4つの因子」の一部にすぎません。

幸せのメカニズム 実践・幸福学入門 (講談社現代新書)
前野 隆司
講談社

ちなみに、この本の構成は、次のようになっています。

序章  役に立つ幸福学とは
第1章 幸せ研究の基礎を知る
第2章 幸せの4つの因子
第3章 幸せな人と社会の創り方

著者は、第3章の「幸せな人と社会の創り方」でぶっちゃけトーク満載になります。

「あとがき」の最後を次の言葉で結んでいることが著者のホンネ中のホンネのようです。

「多様な幸せの輪を、いろいろな方法で、いっしょに広げていきましょう。ゆっくりと。着実に。楽観的に。自分のペースで。みんなで助け合いながら。未来は明るい。まぶしくて、涙が出てきます。未来は、楽しみと幸せに満ちています。世界中の人々が幸せに暮らす平和な世界を、ともに、目指しましょう」

私の本心は、私の文章や昨日紹介のインターネットの著者インタビューを読んでわかったつもりになるのでなく、この本をしっかりと読みこなしてほしいことです。

この本の付録の「幸福に影響する要因の48項目」だけでもすごい内容です。

その他にも「地位財と非地位財」「公私混合の勧め」「協創=協力+創造」など、私はうなづくことばかりでした。

◆「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの今までの13回は、次のとおりです。
3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3 月26日付けブログ  日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト
4月12日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(9):野球指導におけるリスペクトとトラスト
4月16日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(10 ):「承認欲求の呪縛」で強まる不幸感
4月20日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(11):不幸を招く人と組織
5月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(12):競争優位のビジネスマン的な生き方
5月9日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(13):幸福を科学した本の幸福論

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨日(5月8日)の午後は、ある流通業の管理者190名を対象にした講演を行ってきました。

私の前のイベントが遅れに遅れ、私の出番が1時間ほど後ろ倒しになり、講演時間も2時間のはずが1時間40分ほどになってしまいましたが、何とか対応しました。


4月16日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(10 ):「承認欲求の呪縛」で強まる不幸感  で書いた『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書、、780円+税)の著者の太田 肇氏(同志社大学政策学部教授、経済学博士)のインタビュー記事がBUSINESS INSIDER JAPAN 2019/05/08 17:00 に なぜ日本人は承認欲求という“病”にかかりやすいのか。『承認欲求の呪縛』著者インタビュー  として載っていましたので、紹介しておきます。

本を読むことをお勧めしますが、このインタビューは、「承認欲求の呪縛は日本の風土病」と言い切る話は、とてもわかりやすいです。

「承認欲求」の呪縛 (新潮新書)
太田 肇
新潮社


さて、幸福を科学した本の紹介です。

『幸せのメカニズム ― 実践・幸福学入門』(前野隆司著、講談社現代新書、800円+税)

幸せのメカニズム
実践・幸福学入門
(講談社現代新書)
前野 隆司
講談社

脳・ロボット学者でもあり、慶応義塾大学で「幸福学」を研究する前野隆司教授が書いた、いわゆる「幸福の科学」(宗教法人のそれではありません)です。

結論部分だけ書いておきます。

この本によると、1500人の日本人に対する調査により、人間の幸福を決める因子が大きく4つの要素に分けられることが分かったのだそうです。

(1)第一因子:「やってみよう」因子(自己実現と成長の因子)
・コンピテンス(私は有能である)
・社会の要請(私は社会の要請に応えている)
・個人的成長(私のこれまでの人生は、変化、学習、成長に満ちていた)
・自己実現(今の自分は、「本当になりたかった自分」である)

〇自分に向かう幸せ

(2)第ニ因子:「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
・人を喜ばせる(人の喜ぶ顔が見たい)
・愛情(私を大切に思ってくれる人たちがいる)
・感謝(私は、人生において感謝することがたくさんある)
・親切(私は日々の生活において、他者に親切にし、手助けしたいと思っている)

〇他者に向かう幸せ

(3)第三因子:「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
・楽観性(ものごとが思い通りにいくと思う)
・気持ちの切り替え(私は学校や仕事での失敗や不安をあまり引きずらない)
・積極的な他者関係(私は他者との近しい関係を維持することができる)
・自己受容(自分は人生で多くのことを達成してきた)

〇楽観性があれば、他の要因が吹き飛んでしまうくらい重要

(4)第四因子:「あなたらしく!」因子(独立とマイペースの因子)
・社会的比較志向のなさ(私は自分のすることと他人がすることをあまりを比較しない)
・制約の知覚のなさ(私に何ができて何ができないかは外部の制約のせいではない)
・自己概念の明確傾向(自分自身についての信念はあまり変化しない)
・最大効果の追及(テレビを見るときはあまり頻繁にチャンネルを切り替えない)

〇あなたらしく人目を気にせず物事を楽しめる幸せ

本を読むことをお勧めしますが、手っ取り早く著者の考えを知りたい人は、日本最大のHRネットワーク『日本の人事部』キーパーソンが語る“人と組織”の次の記事が参考になります。

“幸福学”を知れば誰でも幸せになれる! 従業員が幸せになれば会社が伸びる!  人・組織・経営を変える“幸せの四つの因子”(前編)  

“幸福学”を知れば誰でも幸せになれる! 従業員が幸せになれば会社が伸びる!  人・組織・経営を変える“幸せの四つの因子”(後編)  

◆「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの今までの12回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3 月26日付けブログ  日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト
4月12日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(9):野球指導におけるリスペクトとトラスト
4月16日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(10 ):「承認欲求の呪縛」で強まる不幸感
4月20日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(11):不幸を招く人と組織
5月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(12):競争優位のビジネスマン的な生き方

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。 

昨日(5月2日)も完全オフの日で、朝のうちに整体に行って体のメンテをしてもらいました。
前日、腰痛気味でしたが、もう大丈夫です。

昨日は、あるビジネス月刊誌のインタビューを受けるにあたってしっかりと情報の収集・整理ができました。

私は、こういう案件が入ると、かなり燃えるタイプです。

と同時に「ほどほどにしないと」という、自分に染みついていて克服しなければならない性癖があることにも気づいています。

それは、競争優位のライフスタイルです。

団塊の世代特有と言って済まされませんし、経営者でもある宿命なのか、どうしても物事をビジネス的に「比較と差」をもとにした発想から脱皮できないのです。

この「日本人としてあなたは幸福ですか?」のシリーズも2019/3/22付日本経済新聞 朝刊に載っていた  日本の幸福度 58位に低下 国連19年版報告書、北欧諸国が上位独占 のランキングがきっかけでした。

このような反省の気持ちを招いたのは、私が25年ほど前に監訳した、アドラーの通訳・翻訳者を務めた精神科医のW.B.ウルフ著の『どうすれば幸福になれるか 上』(一光社、1,500円+税、絶版)の第1章、「人は人生に対する基本的態度として3つの選択肢を持っている」の冒頭の次の3つの区分が頭にあるからです。

どうすれば幸福になれるか(上)
(Adlerian Books)
岩井俊憲監訳 W.Beran Wolfe著,
前田 啓子訳
一光社

1.植物のカブの哲学で生きる方法
(注:日本語でなじみやすいのは、「根無し草の哲学で生きる方法」と捉えるといいでしょう)

2.人生を1つのビジネスと考えて生きる方法

3.芸術家のアプローチ方法


ちなみに、「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの今までの11回は、次のとおりで、そのうちの数回には、どうしても「比較と差」の発想がにじみ出ています。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3 月26日付けブログ  日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト
4月12日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(9):野球指導におけるリスペクトとトラスト
4月16日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(10 ):「承認欲求の呪縛」で強まる不幸感
4月20日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(11):不幸を招く人と組織


W.B.ウルフ著の『どうすれば幸福になれるか 上』に戻ると、2.の「人生をビジネスとして生きる方法」は、「競争重視の生き方」です。

「競争重視の生き方」のベースにあるものは、「比較と差」を重んじる生き方で、自分と誰かを比較して、自分が優位のポジションに立つと優越感、劣位のポジションに立つと劣等感を抱きがちです。

3.の「芸術家のアプローチ方法」は、「そこに何を表現できるか?」がこの生き方の基本となる哲学で、次の3つを特徴とします。

(1)協調性と良識(コモンセンス)を持った個人の、その仲間に対する基本的関係を大切にする

(2)同胞の福利のためにその非凡な才能を発揮し、社会に貢献する

(3)人間の幸福と矛盾しない唯一の生き方である

この生き方を選び取るためには、 「比較と差」を重んじる「競争重視の生き方」を特徴とする「人生をビジネスとして生きる方法」を卒業しなければなりません。

こういうことが理解できていながら、3.に行けずに2.5程度に甘んじているもどかしさを抱えて生きる日々です。

追記:本来は「令和のはじめに克服すべき課題(2)= 競争優位のビジネスマン的な生き方」として書くつもりでいたのですが、「幸福論」との関連が強いので、「日本人としてあなたは幸福ですか?」のシリーズとしました。

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。 

「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの11回目です。

以前に私は、シリーズの中でこんなことを書いていました。

ヒューマン・ギルドは、アドラー心理学を中核に据えながら、個人の心理的な面の幸福をもたらす勇気づけのお手伝いもしていますが、今後は、そのことに加え、組織の活気を回復するために、イノベーションを仕掛け、研修などの機会を通じて大いに貢献できると確信できるようになりました。

そのような貢献をすることによって、もう一度日本に元気を取り戻すのです。

「個人に勇気を! 組織に活気を! そして、日本を元気に!」


今回は、組織変革と自己変革の関連について「自律型組織」を構成する「自律型人材」について考え、後半にある本にヒントを得たリーダーのライフスタイルと組織風土の関連のさわりの部分を書いておきます。

4月17日に行った磐田市役所の研修に関連して 磐田市人材育成基本方針 の「目指すべき職員像=『自ら学び考え行動する自律型職員』」が刺激になって、日頃から考えている「自律型組織」を構成する「自律型人材」についてこんなふうに7つの条件にまとめていました。

「自律型人材」の条件

(1)セルフコントロールが身についている人
(2)「Plan(計画)― Do(実施)― Check(チェック)― Action(是正措置)」のサイクルを自ら回す人
(3)承認欲求を求めない人
(4)内発的動機づけの人
(5)自己変革にチャレンジしている人
(6)自分のミッションをしっかりと備えている人
(7)世間や他者に惑わされずに幸福に達することができる人


私は日頃「自己変革なくして組織変革なし」と、しょっちゅう研修で言っていますが、この信念はますます強まるばかりです。

ところで、「自己変革なくして組織変革なし」を理論的に裏付ける本を紹介します。

『なぜ人と組織は変われないのか』(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー著、池村千秋訳、英治出版、2,500円+税)

なぜ人と組織は変われないのか ―
ハーバード流 自己変革の理論と実践
ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー著
池村千秋訳
英治出版

2人ともハーバード大学教育学大学院教授で、ロバート・キーガンは成人学習・職業発達論専攻、リサ・ラスコウ・レイヒーは発達心理学が専門で、経営学の先生ではありません。

430ページにも及ぶケースの豊富な大著なので、私は、内容については、前半部分のことだけを書いておくことにします。

最初からこんなことが書かれていてびっくりします。

「最近の研究によると、食生活を改めたり、もっと運動をしたり、喫煙をやめたりしなければ心臓病で死にますよと専門医から警告されたとき、実際にそのように自分を変えることができる人は、7人に一人にすぎないという。たった7人に一人だ!」

著者は、自分を変えられない人が7人に一人 ― 約85%に相当― もいることを訴えます。

この本は、何が変革を阻み、何が変革を可能にするかについて、リーダーと組織のメンバーが変革を成し遂げることを妨げている要因として、自分が本心からやりたいと望んでいることと実際に実行できることの間にある大きな溝に注目して、それを「変革を阻む免疫機能」と名付けます。

さらに、「変革を阻む免疫機能」の3つの側面として次のことが強調されています。

(1)変革を阻止するシステム(手ごわい課題に挑もうという意欲を萎えさせる)
(2)感覚のシステム(不安に対処する)
(3)認識のシステム(ものごとを理解する)

いかにも心理学者らしいです。

アドラー心理学の言葉を使うと「ライフスタイル」が変革を阻み、何が変革を可能にすると言ってもいいかもしれません。

これは、私なりにこの本をヒントにした私のひらめきです。

組織の雰囲気には、リーダーのライフスタイルが反映します。

そのライフスタイルに肉薄することによって組織の雰囲気に変化がもたらされるのです。

ごくごく簡単に言ってしまえば、「わかっちゃいるけどやめられません」「必要を感じているけど取り組めません」を自ら克服できるリーダーこそが自己変革のみならず組織変革を可能にし、自分自身だけでなく組織のメンバーを幸福にするのです。

そんなことに気づかせてくれたのがこの本であり、やがてこのことについてまとめてお伝えできる日が来るかもしれません。

◆「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの今までの10回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3 月26日付けブログ  日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト
4月12日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(9):野球指導におけるリスペクトとトラスト
4月16日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(10 ):「承認欲求の呪縛」で強まる不幸感

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。 
昨日(4月15日)は、22:25~22:50にNHK Eテレで「100分de名著』の「マルクス・アウレリウス 自省録」の3回目を見ました。
岸見一郎さんが解説者なので、アドラー心理学とつながるだけでなく仏教ともその境地に共通点があるような印象を受けました。
テレビではかなり抑えられていますが、テキストを読むと、アドラー心理学の理解がより深まります。
ご関心のある方は是非、テキストをお買い求めになるといいです。

マルクス・アウレリウス
『自省録』 2019年4月 (100分 de 名著)
岸見 一郎
NHK出版

また、3回目が17日(水)の5:30~5:55、12:00~12:25に再放送されますので、録画してご覧になることをお勧めします。
 
 
さて、「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの10回目です。

最近『「承認欲求」の呪縛』(大田 肇著、新潮新書、780円+税)という本を読んでいます。

「承認欲求」の呪縛 (新潮新書)
太田 肇
新潮社

著者は、長らく経営学者として承認欲求の「光」の部分に注目していました。

ところが、承認欲求には濃い「影」の部分が存在することにも気づき始めました。

私たちが連想できる成人式での乱行や、SNSへの変態動画投稿などのみならず、もっと深刻なのは、 普通の人が無意識のうちに承認欲求にとらわれていく「承認欲求の呪縛」です。

著者が調べているうちに、子どもから大人まで、実に多くの人がこの呪縛に陥っていることが判明しました。

認められたことがきっかけでウツや不登校になったり、欠勤・退職に追い込まれたりする例も少なくなく、そのことによって、個人の問題にとどまらず、組織や社会もが蝕まれます。
 
昨今大きな社会問題になっている職場やスポーツ界のパワハラ、過労死・過労自殺、役所や大企業の組織不祥事などが いずれも「承認欲求の呪縛」と深く関わっているとわかり、この問題に強い危機感を抱き、世の中に警鐘を鳴らそうと思ったようです。

「承認欲求の呪縛」にかかると、不幸な状況を招きやすくなり、そのことが個人の問題にとどまらず、組織や社会をも蝕むことを強く警告するのがこの本です。

私は「承認欲求」の抱える問題をひと言で片づけます。

それは「内発的動機づけ」の核となる「自律」とは程遠い、他者からの統制の中に身をゆだねてしまう「外発的動機づけ」に他ならないからです。

自分の価値が他者の承認によって成り立つような、勇気づけとは遠い存在になってしまいます。

◆「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの今までの9回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3 月26日付けブログ  日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト
4月12日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(9):野球指導におけるリスペクトとトラスト

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの9回目です。

今までの8回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に 3
月26日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト

「個人に勇気を! 組織に活気を! そして、日本を元気に!」のスローガンをもとに組織と個人の関係を取り上げていて、今回はスポーツを代表して野球の指導に関わるトラストとリスペクトのことを話題にします。


昨年の4月にパリーグのプロ野球某球団の育成選手とコーチに対して 感情のコントロール法 の研修を行ったことがあります。

講座が終わってから、現役時代に読売巨人軍に在籍していたことがあるコーチが私のところにやって来てこう言いました。

「『嫌われる勇気』を読んで、選手の指導にも生かそうとしているのですが、《課題の分離》のことでどうしても選手に対して遠慮してしまうことがあるのですが、いかがでしょうか? 練習するのは選手の課題、と捉えてしまうと、コーチとして何もできなくなります」

私は、板書しながら次のように答えました。

「《課題の分離》は、アドラーの起源ではなく、もともとヒューマン・ギルドで開発・普及している「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」がオリジナルです。協力に至る《共同の課題》に進むためのワン・ステップで、野球の指導にあたっては、相互尊敬・相互信頼の関係がコーチと選手の間にあるならば、選手のニーズに沿って可能です」

ここでのポイントは「相互尊敬・相互信頼」の関係です。

まさにリスペクトとトラストですね。

◆「感情のコントロール法」セミナー は、次のとおり開催されます。

日 時:6月30日(日)9:30~17: 30  受講料:会員 19,440円 (税込)、一般 22,680円(税込) 会 場:ヒューマン・ギルド研修室


このリスペクトとトラストについて、それらの言葉こそ出ていませんが、この2つがベースになっているアスリートに対する指導法を吉井理人ロッテ投手コーチが語っている記事を読みました。

主要部分は、次のとおりで、勇気くじきに代わる勇気づけの指導法そのものです。

特に私がアンダーラインを施した部分にご注目ください。

 学生スポーツの指導 アスリート第一徹底を  辛言直言 吉井理人ロッテ投手コーチ
2019/4/10 2:00日本経済新聞 電子版

――選手の自主性を高めるために指導者は何をすべきでしょうか。

「選手とのコミュニケーションが大切です。ほったらかしではだめです。選手が自分のことを自分の言葉で話せるように指導します。プレーを振り返り自分できちんと評価させます。内省させ、問題意識を持たせます。そうすれば責任を持って練習をします」

試合後、監督やコーチが選手の前で『ここはダメだった』『こうしろ、ああしろ』と一方的に話すことがあります。その間、選手は頭を使いません。良かった点、悪かった点、次に向けてどうしたいかを選手に聞いて話させるのがよい指導法だと考えます。間違った答えだと思っても一度やらせてみる。社会人になると失敗が許されなくなってきますが、学生時分に部活で間違いを犯しても十分取り返せますよ」

――技術向上、体力向上について根性論も根強く残っています。

「トレーニングには負荷を高めて、根性を出して乗り越えなければ、強くなれないオーバーロード(過負荷)の法則があります。夏の暑い日に屋外でやみくもに走らせるような練習は論外ですが、練習内容を選手に理解させた上での根性論は必要だと思います。練習には強度と量のバランスが大事なのです」

「全力で投げ込んでばかりいれば肩を故障しますし、反復練習が不十分で基本動作を身につけないまま試合に出てケガをすることもあります。反復練習は50%の力でも効果があるので、指導者が選手それぞれの状況を見極めることが重要です」

――高校野球では連投で肩を壊すような選手が後を絶ちません。

「(甲子園出場を)人生の最大の目標にして頑張っている高校生もいます。トーナメント方式の高校野球は日本の野球文化でもあり、簡単には変えられないと思います。ただ、球数制限や大会時期をずらすこと、リーグ戦導入など仕組みを見直す意見が出ていることはいい傾向だと思います」

――指導者の適性にも問題がありませんか。

「特に少年野球や中学校で、コーチングの知識を持った人が指導するシステムをつくった方がいいと思います。少年野球では野球好きのいわゆるお父さんコーチも多く、専門知識がなく、技術も我流です。サッカーなどには指導者資格がありますが、日本では特に幼少期のコーチングに改善の余地があると感じます」

「若年世代への指導では『勝利優先主義』か、礼儀を含めた『人間教育』のどちらかに偏り過ぎず、人間として最も重要な自分で判断できる能力を高めるよう目指す必要があります

私がよく言っているオーバー・コーチング、オーバー・ティーチングに対する批判とも読み取れますが、いかがですか?

◆上司・部下、コーチ・選手の間の「相互尊敬・相互信頼」の関係についての必読書は、何と言ってもこの本です。

「勇気づけ」でやる気を引き出す!
アドラー流リーダーの伝え方
岩井 俊憲
秀和システム

 

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

昨日(4月10日)のヒューマン・ギルドの設立34周年につきましては、多くの方々からフェイスブック、メールなどでお祝いの言葉をいただき、勇気づけられました。
今後もどうぞよろしくお願いします。

「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの8回目です。

今までの7回は、次のとおりです。
3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3月26日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 
日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件

「個人に勇気を! 組織に活気を! そして、日本を元気に!」のスローガンをもとに今回から組織と個人の関係を取り上げます。

一昨日(4月9日)に日産自動車の前会長のカルロス・ゴーン氏の動画が日本外国人特派員協会で流され、その中でさかんに「陰謀」「謀略」の言葉が連発されていましたが、白々しく受け止めた人が多いのではないでしょうか?

ゴーン氏もゴーン氏ならば、あのワンマンぶりを止められなかった首脳陣にも批判されるべき余地があると思います。

そのゴーン氏のリーダーシップに関して2019年4月9日の日本経済新聞のDeep Insight に同社コメンテーターの中山淳史が

「トラスト」欠いたゴーン元会長 結合なき経営の限界  

として次のようなことを書いていました。

「信頼」としてアドラー心理学で大切にされているマインドの「トラスト」をビジネス向けに「国籍や性別、年齢に関係なく、励まし合いつつ、ものごとを成就する」「日本人、フランス人という単一的な集団ではなく、多様な層の間で信頼のネットワークを築く」状態として、より広義に解釈して伝えています。

米人事コンサルティング会社のコーン・フェリーが最近、世界の経営者や管理職など約15万人を分析して選んだ「これからのグローバル経営者に求められる5つのキーワード(原題はセルフディスラプティブ・リーダー)」と照合してみると、ゴーン氏の5つの言葉(注:「ダイバーシティー(多様性)」「レジリエンス(回復力)」「コミットメント(結果、奉仕)」「モチベーション(動機づけ)」「エンパシー(共感)」)はかなりの部分でそれらと符合する。

分析されたキーワードとは、「アンティシペート(変化に俊敏に対応する)」「ドライブ(他者に活力を与えてものごとを進める)」「アクセラレート(アイデアを素早く実行する)」「パートナー(他者と協力し、アイデアを交換する)」「トラスト(多様な力を結合する)」だ。

(一部略)

ゴーン氏はなぜ、経営者としての倫理や、報酬・背任を巡る罪に問われ、失脚しなくてはならなかったのか。

筆者は、結合を意味するトラストの部分にこそ、その真因は隠されていると考える。

トラストというと一般的には「信用」「信頼」などの意味を思い浮かべがちだ。
だが、欧米企業では最近、「多様性を認める」「人と人を結合する」などと発展的に解釈するようになっているという。
より具体的に言い換えるなら、「国籍や性別、年齢に関係なく、励まし合いつつ、ものごとを成就する」「日本人、フランス人という単一的な集団ではなく、多様な層の間で信頼のネットワークを築く」状態だ。

(一部略)

トラストは経営者や企業そのものの勢いを大きく左右する要素だ。
米国の例で言えば、やはりカリスマ経営者として知られたテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)やウーバーテクノロジーズのトラビス・カラニック元CEOが振る舞い、暴言、セクハラ問題の放置などで非難をあびたが、原因はいずれも自身のトラストの欠如、喪失にあった。
会社は結果的に株価や社会的評価を下げ、打撃を被っている。

(一部略)

年間2千人近い経営者と会うという米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の創業者、ヘンリー・クラビス氏は「格差が広がり、破壊的技術が産業や社会を大きく変える時代だからこそ、あらゆる層の人々を結合する力がリーダーには求められる」と話す。

同氏にとって特に難しいと感じるのはミレニアル世代など若い層だそうだ。
「人生の目的」「社会正義」「環境や社会にいいこと」など行動や消費、就職に際して確たる信念を持って動く一方で、IT(情報技術)リテラシーや家族との時間、生活の質へのこだわりが他の世代より強く、ライフスタイルがまるで異なる。そこに世代の断絶を感じるという。

だからトラストなのだろう。
新結合とも訳されるイノベーションの現場を例に引けば、それが起きなくなった組織には「とてつもないことを考える人材がいなくなった」のではない。
組織をもり立て、様々な層の人材を結合できるリーダーが不足しているのだ。
経営者に求められるのは必ずしも一人で引っ張るカリスマ性ではないだろう。
むしろ、人にささげることに徹する「サーバントシップ(同伴者精神)」こそ、これから求められる経営者像ではないか。


トラストと同様に「リスペクト」もまた、組織におけるパワハラなどの抑止力となる大事なマインドです。

1か月前の2019/3/9付日本経済新聞にこんな記事が掲載されていました。

パワハラ防止、企業に迫る 法案を閣議決定 人材流出・生産性低下が深刻に 窓口や処分を義務化 

職場で強い立場にある人が嫌がらせをするパワーハラスメント(パワハラ)への対応を企業が迫られている。
政府は3月8日、パワハラを防ぐ措置を企業に義務づける法案を閣議決定した。
今の通常国会で成立すれば、来年春には相談窓口などを設ける必要がある。
パワハラは社員の人材流出や仕事への意欲低下につながるため、企業は対応を急いでいる。

政府はパワハラの防止措置を労働施策総合推進法などの改正案に盛り込んだ。
パワハラは上司などの優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えた言動で働く環境を害することと明記した。
企業には相談窓口やパワハラをした社員の処分内容を就業規則に設けるよう義務づける。
相談者のプライバシーの保護なども必要になる見込みだ。

人材サービスのエン・ジャパンが2月にまとめた調査によると、35歳以上のミドル層で8割以上がパワハラを受け、このうち35%が結果的に「退職した」と回答した。
転職サイトの利用者に対する調査のため離職傾向が高いとみられるが、パワハラが社員の人材流出の要因になっていることが浮かび上がった。

企業は対策に動いている。
厚生労働省によると相談窓口を設置している企業は7割を超える。
幹部社員への研修も多くの企業が取り入れるが、従来にない新たな取り組みも出てきた。

(一部略)

パワハラは従業員のやる気も阻害する。厚労省が16年に実施した実態調査では、パワハラが職場に与える影響を複数回答で聞いたところ「従業員が十分に能力を発揮できなくなる」が81%、「職場の生産性が低下する」も68%に上った。

職場の異変を察知する動きも広がる。
社員の自発的な貢献意欲「エンゲージメント」の指数を測って、組織の状態を「見える化」するサービスが好調だ。
組織・人事コンサルティングのリンクアンドモチベーションが提供する組織改善クラウドサービス「モチベーションクラウド」は19年12月期に前期比53%増の1100件の導入を見込む。
「業界を問わず組織づくりへの関心が高まっている」(同社)という。

社員のパフォーマンスを阻害し、人材流出の要因となるパワハラは経営にとっても大きなリスクだ。
法案提出を機に社内で定義を共有して問題を洗い出し、働きやすい職場づくりに向けて社員一人ひとりに意識付けることが求められている。

「35歳以上のミドル層で8割以上がパワハラを受け」ているというのは、組織として異常な姿です。

日本企業の体質そのものが「パワハラ体質」だと言ってよく、「セクハラ」「モラハラ」と同じ根源の「リスペクト」の欠如が見て取れます。

私は、「トラスト」と「リスペクト」の欠如したかなりの組織は病んでいて、個人の幸福を引き下げる要因となっていると思います。

リーダーシップに「トラスト」を、組織風土に「リスペクト」を強く求め、そのためにこの2つをさらに全面に押し出したい最近の私です。

◆ヒューマン・ギルドでは「働き方改革」のために「リスペクト(尊敬)」「トラスト(信頼)」などをベースとした研修を展開しています。
ご関心のある方は こちら をご覧ください。

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

2019/3/22付日本経済新聞朝刊 に載っていた  日本の幸福度 58位に低下 国連19年版報告書、北欧諸国が上位独占 をもとにした「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」の7回目です。

今までの6回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3月26日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代

 
3月26日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活  で私はこんなことを書いていました。

ヒューマン・ギルドは、アドラー心理学を中核に据えながら、個人の心理的な面の幸福をもたらす勇気づけのお手伝いもしていますが、今後は、そのことに加え、組織の活気を回復するために、イノベーションを仕掛け、研修などの機会を通じて大いに貢献できると確信できるようになりました。
そのような貢献をすることによって、もう一度日本に元気を取り戻すのです。

「個人に勇気を! 組織に活気を! そして、日本を元気に!」

 
今回は、「個人に勇気を!」と幸福を関連付けて書いておきます。

アドラー心理学と名乗って幸福や共同体感覚の条件として(1)自己受容、(2)信頼感、(3)貢献感の3つを挙げている本を読むことがありますが、日本での初出がヒューマン・ギルドで開発・普及している、1987年2月25日第1版第1刷発行の「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」であることは、あまり知られていません。

「SMILE 講座」の画像検索結果
長谷静香さん のブログから許可を得て借用)

その第7章 ハンドアウト 7-6に「幸福の3つの条件」として次のように書いてあります。

1)自分が好きであること
自分のことを嫌いな人間は、決して幸福にはなれません。あなたは、自分のことが好きですか? また、あなたの子どもが自分のことが好きになれるように勇気づけしていますか? 批判や罰や攻撃や復讐は、子どもの自尊心を傷つけ、自己嫌悪に陥らせます。それらの行動は、「自分のことを嫌いになりなさい」と伝えているのと同じことなのです。

2)他の人たちを信頼できること
いくら自分のことが好きでも、「周囲の人たちは、みんな敵ばかり」と思っていたのでは、幸福にはなれません。あなたは、配偶者や子どもを心から信頼することができますか? あなたの子どもは、あなたを心から信頼してくれていますか? あなたは信頼に値するようなふるまいをしていますか? 〈命令口調〉や〈事実ことば〉ばかり使って、自分の価値を子どもに押しつけ、子どもを支配し、子どもに勝とうとしている親は、「私を信頼してはいけない。なぜなら、私はあなたの敵なのだから」と子どもに伝えているようなものです。子どもと〈よこの関係〉をもつこと、それが「親は信頼してもいい人物だ」と、感じられるように子どもを勇気づける唯一の道なのです。

3)自分は役に立つ人間だと感じること
「私は何の役にも立たない人間だ」と信じている限り、人は幸福にはなれません。あなたは、家族のために役に立っている実感を持っていますか? 心のどこかで「ひょっとして、私さえいなければ家族はうまくまとまるかもしれない」と感じてはいませんか? また、あなたの子どもがあなたや家族のためにいつも役に立ってくれていると感じていますか? あなたがそのように感じて初めて、子どもは、「私は、家族のために役に立っている」と感じられるようになるのです。 子どもが具体的には何一つお手伝いをしてくれなくても、ただ一緒に生きてくれるだけで嬉しいことだと思いませんか? 存在しているだけで、彼(彼女)は、あなたの役に立ってくれているのです。

1)は自己受容、2)は信頼感、3)は貢献感としてまとめられます。

全8章の「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」を学んできて、第7章の最後のこのハンドアウトを朗読したとき、ハラハラと涙を流す人たちがかなりいらっしゃいます

あなたも3回読んでみていただけますか?

1回目は、静かに黙読。

2回目は、声に出して。

そして3回目は、あなたの周囲の人たちを思い浮かべながら。

あなたは、そのままのあなたとして幸福を感じられるはずです。

「SMILE 講座」の画像検索結果
長谷静香さん のブログから許可を得て借用)

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(3月29日)は、オフィスの 永藤かおるさん (写真も)のところに PHP研究所研究所から通信教育のテキスト『アドラー心理学に学ぶ「対人関係力」の高め方』(岩井俊憲監修、永藤かおる著)が届きました。
4月からの開講です。

ヒューマン・ギルドのスタッフ著の通信教育テキストとしては、次のラインアップに続く4つめです。

『リーダーのための心理学入門コース』(岩井俊憲編著、宮本秀明・永藤かおる共著)
『アドラー心理学に学ぶ「やる気」の高め方』(岩井俊憲監修、永藤かおる・宮本秀明共著)
『アドラー心理学に学ぶ「やり抜く力」の高め方』(岩井俊憲監修、永藤かおる著)

 ビジネスの現場にアドラー心理学がどしどし届いています。

さて、昨晩の新聞の夕刊に

中高年ひきこもり61万人

のヘッドラインの記事が躍っていました。

日本経済新聞 夕刊(2019/3/29) 中高年ひきこもり61万人 内閣府が初調査 では、次のとおりです(下線岩井)。

・内閣府は29日、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表した。
7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めた
15~39歳の推計54万1千人を上回りひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になった。
中高年層を対象にしたひきこもりの調査は初めて。

ひきこもりになった年齢は60~64歳が17%で最も多かったが、20~24歳も13%と大きな偏りはみられない。きっかけは「退職」が最多で「人間関係」「病気」が続いた。

・ひきこもり期間は「3~5年」が21%で最多。7年以上となる人が合計で約5割を占め、「30年以上」も6%いた。

・内閣府では15~39歳も合わせた引きこもりの総数は100万人を超えるとみている

・内閣府の担当者は「40歳以上のひきこもりの人もいると国が公認することで、支援が必要なのは若者だけでないという認識を広げたい」と説明。
「若者とは違った支援策が必要だ」と話している。


昨日の読売新聞の夕刊の社会面には、こんなことが書いてありました。

ひきこもっている本人が高齢化し、親も高齢になって、家族が社会から孤立するケースが問題化している。
80代の親とひきこもる50代を意味する「8050問題」と称されるが、地域社会などの多様なサポートが求められる。


今回の内閣府の調査の特徴は、40~64歳代の「ひきこもり」を対象にしたものですが、15~39歳も合わせたひきこもりの総数が100万人を超えるとみなされることは、家族の幸福感に明らかに影響を与えます。

かつて講座に参加していたある女性がこんなことを言っていたことが思い出されます。

「うちの夫は、50年代後半に早期退職して、『俺はもういいや。お前が働け』と言って、ずっと家にいるんです。家事を手伝えばいいんですが、家事すらやらずにテレビやパソコンを相手にして、もう1年以上そのままなんです」

ただ、このように会話ができればまだましかもしれませんが、会話が成立しなかったり配偶者がいない(ただし、親はいる)と、家庭内の雰囲気は荒んできます。


ところで、ひきこもりの多さがマスコミをにぎわしたのは、2010年の、同じく内閣府が発表した調査です。

9年前の朝日新聞(2010年7月24日)に

ひきこもり、全国で70万人 内閣府調査

の記事が載っていたことが記録に残っていました。

こちらは、15歳以上39歳以下の5千人を対象に同年2月に調査したものです。

この数字は、「ひきこもり70万人」として人々にひきこもりを強く印象づけました。

この記事の概要は、次のとおりでした。

・半年以上家にとどまる「ひきこもり」の若者は、全国に推計で69万6千人いると内閣府が公表した。
「閉じこもって外に出ない人の気持ちがわかる」などとする人も155万人に上った。
いずれも対人関係への苦手意識が強く、家族とのきずなも弱い傾向が浮かび上がった。

・ひきこもりは男性が66%に上り、始まった時期は10代が3割強だったが、30代も2割以上を占めた。
きっかけを複数回答で尋ねると、「職場になじめなかった」と「就職活動がうまくいかなかった」が合わせて44%に上り、仕事が原因のケースが多い実態が明らかになった。  

・どちらも「家族に相談しても役に立たなかった」などの項目が目立ち、家族への信頼感が薄く、初対面での会話に自信が持てない傾向が表れた。


最後に、もう一度100万人にこだわります。

「ひきこもりの総数が100万人を超える」と言いますが、100万人というのは、山梨県全体の人口81万5千人(2017年データ)を20万人近く上回る数です。

人数だけで言えば、就労可能なこの100万人の1/3でも仕事に従事すれば、この日本は外国人労働者に多く頼らなくとも賄えることになるのです。

ひきこもり100万人時代は、個人・家族だけでなくより広い社会的・国家的立場から見ても大きなダメージであり、「勇気欠乏症」の由々しき事態のように思われるのですが、あなたのご見解はいかがですか?

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(3月28日)の通勤途上の落合(新宿区)の桜は、次のとおりで満開まではまだでした。

夜の新宿西口の桜は、ライトアップされてこんなにアピールしていました。


昨日オフィスに行くと三笠書房編集本部の番園さんから『アドラー流 人をHappyにする話し方』(三笠書房王様文庫、590円+税)の台湾版が2冊届いていました。

お陰様で私の本は、10冊ほど台湾で出版されています。

来週末に台湾に旅行するので、書店で確認してみたいところです。

 
さて、「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」の5回目です。

今までの4回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3月26日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者


1人当たりの国内総生産(GDP)や社会支援、健康寿命、寛容さなどを基準に16~18年の「幸福度」では、日本は156カ国・地域中58位。
昨年の54位から順位を下げて58位になっていることからこのシリーズを着想しています。

昨日は、日本人の自殺者数が3万2千人を超えた03年をピークに減少し、17年は2万465人になっているにも関わらず、10代だけは2003年から500人前後で横ばい状態のままで、2017年は560人と減らないことに目を付け、家庭や学校のみならず社会で10代から20代の若者に対する勇気くじきが蔓延する社会構造が蔓延していることを意味づけました。

その後、いろいろ考えてみたところ、学校法人 ホンダ学園 ホンダテクニカルカレッジ関東 で先生にお話ししたある内容 ― 憧れからの進路選択に結びつく話 ― が一つのヒントになることに思い至りました。

それは、自動車整備の専門学校に入学した18歳の若者の話です。

彼は、生まれつき肝臓に障害がありました。

小さいころに生死の境をさまよい、ヘリコプターで遠隔地の大学病院に運ばれ、父親から肝臓移植を受けたことがありました。

体育の時間はほとんど見学、食事もかなり制限されていました。

医療現場をさんざん見てきた彼は、将来医師になることに憧れました。

しかし、それだけの学力が伴わず、自動車好きの父親の影響も受けて、自動車整備の専門学校に入学したのです。

一般の理工系の大学でもよかったのですが、志望動機を聞いてみると、体の治療を施す医師になれなかった代わりに、自動車のメンテナンスに役立つ整備の仕事に夢を託したのです。

彼の少年の頃からの一貫した流れは、体から自動車に代わったとはいえ、メンテナンスを施すことにおいては、一貫して変わることがなかったのです。

このブログを読んでいるあなたも、子どもの頃に憧れた人や職業が、かたちが変わったとしても一貫した流れに影響を与えていたことを発見する機会があるはずです。

憧れる力は、私たちに将来につながる力、人を愛する力、自分を支える力と共に自分自身を成長させる力を与えてくれていることを私たちは知っています。

10代の若者たちが勇気をくじかれ、死因の第一番が自殺となっている現状は、家庭や学校の要因もあるでしょうが、私は、憧れる人が存在しない現実、憧れる職業を見出す機会に恵まれていない現状があるように思えてなりません。

◆一貫した流れの中からミッションを探すワークを次のとおり開催します。

第11期 人おこし・組織おこしリーダー養成講座

日時:5月5日(日)10:00~17:00
受講料:32,400円(税込み) 場所:ヒューマン・ギルド 研修室

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