おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(7月10日)15:30東京発の新幹線に乗って大阪に来ています。
今日から2日間、大阪で某メーカーの新任管理職の研修を担当します。
私は、10年近くこの会社の研修をこの時期にお手伝いしております。
さて、河合隼雄先生の軽妙な子育て論の紹介です。
『Q&A こころの子育て』(河合隼雄、朝日文庫、500+税)
河合先生の子育て観から書きます。
「子育てほどおもしろい『自己実現』はない」という立場で、「おわりに」に子育てには思いもよらなかったことや、嫌なこと、わけのわからないことが入ってくるし、自己実現と共に犠牲がつきものであることを説きながらも、そこには「深い喜び」や「楽しさ」をもたらすことを書いています。
個々の内容に触れると、「これはアドラー派の考えと同じじゃないの」という部分がいくつも登場します。
Q2「子育てがうまくいかないのは母子関係が原因でしょうか」に対しては、概要次のように回答しています。
・過去の原因を追究するより「これから、何ができるか考えましょう」
・だいたい人生で起こることに「原因・結果」という言い方をしても、ほとんど役に立たない。
・考えなくてはいけないのは「これからどうするか」だから、過去の何が悪かった、と言ってみたところでしょうがない。
・子どもに問題が起きたときは、その家族全体にとって、何か課題を乗り越えなければならないときが来ているだと考えてみたらいい。
Q11「『早くしなさい』『それはダメ』と、小言ばかり言っています」については
・「手出しする前に、5秒待って様子を見るんです」
とアンガ―マネジメントと似たような回答をしながら、スタニフスキーの『俳優修業』(未来社)に書いてあることを引き出して、演出家が俳優に歩いてみるように指示して、側から「そんな風に歩く人があると思うのかね?」とか「重心をとって」とか「行く手に目をやって」とか言うと、俳優はだんだんコチコチになって、動けなくなる比喩を用いています。
この点は「ダメ出し」の弊害ともつながります。
合計48の、子どもの誕生から思春期までの質問に対して子育ての目標から夫婦論まで河合氏が語ったことをまとめたのがこの本です。
子育てを「家庭禅」と例えているのも面白かったです。
子育てに関係している人に強くお勧めです。
◆アドラー派の私の子育て論をカミさんと一緒にまとめたのがこの本です。
まだ読んでいない人は是非。
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