1986年8月24日(日)
-カシュガルの1日-
馬タク 4元
昼飯代 22元3角
スイカ 1元6角
ホージャ墳入場料 1元
ブドウ 6角
夕飯代 16元
ビール 10元
(レート 1元=約42円)
カシュガル市郊外に、(新賓館の近くだという)にホージャ墳(香妃墓)がある。
この先の不安は解決されていないものの、如何ともし難い訳で、この際さらりと切り替え、郊外散歩に出かけることとした。
ロバタク(馬タクより安い)をけちって歩き始めたが、案外遠くて、結局、馬タクに乗る。
まっすぐに伸びたポプラ並木の道を、ロバに跨った老人がポコポコと歩いてくる。
馬車が鈴を軽やかに鳴らしながら駆け抜ける。
泥水色の小川では、子供達が素っ裸で水と戯れ、歓声を上げる。
翳りの無い陽光が白く跳ね返り、一馬力の足音が心に響く。
なかなか良い具合の歩調だ。
ホージャ墳は畑の中にひっそりとあった・・・観光客の少ない時間帯だったのか・・・。
円形ドーム型建築を見ると、イスラム圏内だなぁ・・・一山超えれば中央アジア、その先は中近東だもの・・・繋がってるんだよね・・・と実感する。
我等の日課となったスイカ買いは、当然、カシュガルでも続けていた。
小山の如く積み上げられた中から、あれがおいしい、これは高いなんて品定めに、馬タクを値切るよりも夢中になるのは、食べる楽しみがあるからだろうか・・・。
ここでは、午後1時から3時まで昼休みが通常らしく、街に出ても閉まっている店が多い。
我等も「郷に入りて郷に従え」で昼寝を楽しんだ。
賓館での昼食時にビールを少し(本当に少しだけ・・)多めに飲み、ホロ酔い気分で横になる。開け放した窓からは、馬タクが鳴らす鈴の音が聞こえ、穏やかに、眠りに誘われてゆくのです・・・・。
このビール、真に「場所を得たり」で、乾燥しているためか、私の胃腸にはすこぶる快適(というのも、常の私は、飲みに行っては胃薬を服用するという状態だった)で、昼に飲み、晩に飲み、風呂上りに飲む。
これに昼寝が入るんだもの・・・小原庄助さんそのものじゃないの・・・。新賓館の滞在が長かった我等は、のん兵衛ぶりを知られるところとなって、たまには休肝日と注文しないでいると、服務員お姉さんは、伝票片手に「ビールは?・・・」という顔をして待ちの姿勢をとる。
で、ついつい頼んでしまうのだった・・・まぁ、言い訳だけれどね。