○元木泰雄『源満仲・頼光』(ミネルヴァ日本評伝選) ミネルヴァ書房 2004.4
ときどき、現実と縁の切れた古代史や中世史の研究書を読んで精神を休める。
源(多田)満仲という人物は、よく知らないのだが、漱石の「坊っちゃん」の主人公が「俺は生粋の江戸っ子で、先祖は多田満仲だ」という誇りを抱いていたことで、気になっていた。満仲の息子、頼光のほうが、鬼退治の説話で多少有名か。
しかし、本書を読んで分かったことは、満仲も頼光も、史料で追跡できる範囲では、あまりぱっとした存在ではなかったらしい。つまんないなあ。足利幕府の時代、武門源氏の地位が確立するとともに、さまざまな始祖伝説が作られたようだ。
なお、著者は歴史学者だが、まめに和歌集を参照している点に感心した。
ときどき、現実と縁の切れた古代史や中世史の研究書を読んで精神を休める。
源(多田)満仲という人物は、よく知らないのだが、漱石の「坊っちゃん」の主人公が「俺は生粋の江戸っ子で、先祖は多田満仲だ」という誇りを抱いていたことで、気になっていた。満仲の息子、頼光のほうが、鬼退治の説話で多少有名か。
しかし、本書を読んで分かったことは、満仲も頼光も、史料で追跡できる範囲では、あまりぱっとした存在ではなかったらしい。つまんないなあ。足利幕府の時代、武門源氏の地位が確立するとともに、さまざまな始祖伝説が作られたようだ。
なお、著者は歴史学者だが、まめに和歌集を参照している点に感心した。