○神奈川県立歴史博物館 コレクション展示「浄土教の絵画と彫刻」
http://ch.kanagawa-museum.jp/
雨の日曜日。アジサイを見に鎌倉に出かけたが、あまりの土砂降りに外歩きをあきらめ、帰りに横浜の歴史博物館に寄った。
この催しは特別展ではなく、常設展に併設された無料展示である。だから入場券を購入すると「3階からご覧ください」と誘導された。常設展は見るつもりがなかったのだが、受付のお姉さんに逆らいがたくて、エスカレーターに乗った。
しかし、久しぶりの常設展はけっこう面白かった。以前は東京都民として来館したのだが、最近、2年間、逗子に暮らしたので、中世の鎌倉周辺の復元図を見ても、ははあ、JR逗子駅がこのへんで私の住んでいたアパートはこのへんか、などと、リアルに感じられるようになったせいだろう。
常設展の展示品は複製品が多いが、気をつけてチェックしてみると、宝生寺の大日如来坐像など「本物」も混じっている。(横浜・磯子区の宝生寺~別名、宝金剛院~には、まだ神奈川県の土地勘が全くない頃、人に連れていってもらったことがある。たぶん。)
それにしても、地味な展示のわりには、観覧者が多かったので感心した。地道な企業努力を怠りなくやっているのであろう。
しかし、常設展を見終えると、いったん1階の入口に戻るルートになっている。そこから、閉室中の特別展示室の脇にあるコレクション展示コーナーにわざわざ立ち寄るお客は少ないようだ。受付のお姉さんも特に勧誘をしてくれない。
そのため、せっかくのコレクション展示コーナーは閑散としていた。私の他はおじいさんがひとり、一遍上人の事跡を描いた遊行縁起の前で熱心にメモを取っていただけだった。
展示品は20点ほどで小品が多いが、平安後期や鎌倉期の作も見られる。仏像では阿弥陀坐像(鎌倉期)が、小ぶりなりの風格があってよい。南北朝の一遍上人像(絵画)は、後世の信者が宗祖に向けた思慕の念が伝わってくるようで味わい深い。
また、江戸ものだが、鉦鼓(念仏をするとき、身体の前で叩く”カネ”)を吊るす「鉦架」という道具は、初めて認識した。たぶん下級僧か信者の日用品だったのであろう。子供の絵のようなデザインの蓮華や仏像で荘厳されていて、おもしろかった。
http://ch.kanagawa-museum.jp/
雨の日曜日。アジサイを見に鎌倉に出かけたが、あまりの土砂降りに外歩きをあきらめ、帰りに横浜の歴史博物館に寄った。
この催しは特別展ではなく、常設展に併設された無料展示である。だから入場券を購入すると「3階からご覧ください」と誘導された。常設展は見るつもりがなかったのだが、受付のお姉さんに逆らいがたくて、エスカレーターに乗った。
しかし、久しぶりの常設展はけっこう面白かった。以前は東京都民として来館したのだが、最近、2年間、逗子に暮らしたので、中世の鎌倉周辺の復元図を見ても、ははあ、JR逗子駅がこのへんで私の住んでいたアパートはこのへんか、などと、リアルに感じられるようになったせいだろう。
常設展の展示品は複製品が多いが、気をつけてチェックしてみると、宝生寺の大日如来坐像など「本物」も混じっている。(横浜・磯子区の宝生寺~別名、宝金剛院~には、まだ神奈川県の土地勘が全くない頃、人に連れていってもらったことがある。たぶん。)
それにしても、地味な展示のわりには、観覧者が多かったので感心した。地道な企業努力を怠りなくやっているのであろう。
しかし、常設展を見終えると、いったん1階の入口に戻るルートになっている。そこから、閉室中の特別展示室の脇にあるコレクション展示コーナーにわざわざ立ち寄るお客は少ないようだ。受付のお姉さんも特に勧誘をしてくれない。
そのため、せっかくのコレクション展示コーナーは閑散としていた。私の他はおじいさんがひとり、一遍上人の事跡を描いた遊行縁起の前で熱心にメモを取っていただけだった。
展示品は20点ほどで小品が多いが、平安後期や鎌倉期の作も見られる。仏像では阿弥陀坐像(鎌倉期)が、小ぶりなりの風格があってよい。南北朝の一遍上人像(絵画)は、後世の信者が宗祖に向けた思慕の念が伝わってくるようで味わい深い。
また、江戸ものだが、鉦鼓(念仏をするとき、身体の前で叩く”カネ”)を吊るす「鉦架」という道具は、初めて認識した。たぶん下級僧か信者の日用品だったのであろう。子供の絵のようなデザインの蓮華や仏像で荘厳されていて、おもしろかった。