○暮らしの手帖別冊 若菜晃子編・著『徒歩旅行』 暮らしの手帖社 2011.9
写真と文章で構成された、小さな旅のガイドブック。品のいい作りである。写真の構図や大きさが、奇を衒ってガタガタしていない。本文に、大きな字や色つきの見出しを添えたりしない。どのページを開いても、真面目な学生のノートみたいで、安心できる。
内容は、雑誌「暮らしの手帖」に連載されている同名記事をまとめたもので、松本(長野県)、豊橋(愛知県)、桐生(群馬県)、上田(長野県)、下田(静岡県)、秩父(埼玉県)、会津若松(福島県)、鳥取(鳥取県)、村上(新潟県)、木更津(千葉県)、桑名(三重県)、鎌倉(神奈川県)の計12の街が取り上げられている。「超有名」な観光地ではないけれど、どこか懐かしさのある街名のラインナップだと思った。私が訪ねたことのある松本、上田、会津若松、鳥取なども入っていれば、以前から行ってみたいと思っている桐生や秩父が入っているのもうれしかった。
どうやらライターは女性で、一人旅ではなく、「旅の友」と呼ばれる誰かと一緒に、これらの街を旅して歩く。ライターは、表紙に名前の記載されている若菜晃子さんという方だと、あとで(巻末の「編集者の手帖」を読んで)気づいた。「旅の友」は、途中にある種明かしのエッセイが素敵だったので、ここには書かないでおく。
何よりもいいのは写真。私は、史跡や仏像を目的に地方都市を訪ねる機会が多い。しかも車の免許を持ってないので、だいたい徒歩だ。そうすると、本書のカメラが捉えているような、のんびりした地方都市の日常空間が、必然的に記憶に残ることになる。街角のさびた看板とか、スーパーで売っているご当地食品とか、普通の民家の生け垣の美しさとか、突然出遭うレトロな商家とか…。どの写真にもデジャヴめいた懐かしさを感じた。
あと、紹介されている食べものが、どれも美味しそう。何でもない菓子パンやおやつばかりなのだが。観光ガイドではないので「(店は)探してみてください」という紹介で終わっているものもある。探してみましょうとも!
写真と文章で構成された、小さな旅のガイドブック。品のいい作りである。写真の構図や大きさが、奇を衒ってガタガタしていない。本文に、大きな字や色つきの見出しを添えたりしない。どのページを開いても、真面目な学生のノートみたいで、安心できる。
内容は、雑誌「暮らしの手帖」に連載されている同名記事をまとめたもので、松本(長野県)、豊橋(愛知県)、桐生(群馬県)、上田(長野県)、下田(静岡県)、秩父(埼玉県)、会津若松(福島県)、鳥取(鳥取県)、村上(新潟県)、木更津(千葉県)、桑名(三重県)、鎌倉(神奈川県)の計12の街が取り上げられている。「超有名」な観光地ではないけれど、どこか懐かしさのある街名のラインナップだと思った。私が訪ねたことのある松本、上田、会津若松、鳥取なども入っていれば、以前から行ってみたいと思っている桐生や秩父が入っているのもうれしかった。
どうやらライターは女性で、一人旅ではなく、「旅の友」と呼ばれる誰かと一緒に、これらの街を旅して歩く。ライターは、表紙に名前の記載されている若菜晃子さんという方だと、あとで(巻末の「編集者の手帖」を読んで)気づいた。「旅の友」は、途中にある種明かしのエッセイが素敵だったので、ここには書かないでおく。
何よりもいいのは写真。私は、史跡や仏像を目的に地方都市を訪ねる機会が多い。しかも車の免許を持ってないので、だいたい徒歩だ。そうすると、本書のカメラが捉えているような、のんびりした地方都市の日常空間が、必然的に記憶に残ることになる。街角のさびた看板とか、スーパーで売っているご当地食品とか、普通の民家の生け垣の美しさとか、突然出遭うレトロな商家とか…。どの写真にもデジャヴめいた懐かしさを感じた。
あと、紹介されている食べものが、どれも美味しそう。何でもない菓子パンやおやつばかりなのだが。観光ガイドではないので「(店は)探してみてください」という紹介で終わっているものもある。探してみましょうとも!