〇京都国立博物館 名品ギャラリー(1階)
先週末に書いていた名品ギャラリー(3~2階)レポートの続きである。
・『京都の仏像・神像』(2025年1月2日~3月23日)
1階の大展示室(彫刻)、階段下には愛宕念仏寺の金剛力士立像がお出まし。中央の展示台には安祥寺の五智如来坐像が戻った。展示ケースに唐風装束の凛とした小さな女神様がいらっしゃると思ったら、高山寺の善妙神立像だった。同じく高山寺の白光神立像も白一色のお姿に赤い唇が印象的な美貌。また、膝の上に横たわる幼児(童神)を抱いた女神坐像は市比賣神社のもので、2階の特集『日本の女性画家』とあわせて、女性的なものへの注目を感じた。
・新春特集展示『巳づくし-干支を愛でる-』(2025年1月2日~2月2日)
新春恒例の干支特集。縄文時代の土器、根付、鱗文の能装束、十二神将の巳神像など。東福寺の明兆筆『五百羅漢図』から、大蛇の口の中で座禅を組む羅漢の図が出ていたのが面白かった。
・『墨蹟-禅僧の書』(2025年1月2日~2月9日)
正月から地味な特集を組むなあと思ったけど、嫌いじゃない。寺院で所蔵しているものが多いので、やっぱり京都ならではの特集だと思う、
・特別公開『名刀再臨-時代を超える優品たち-』+特集展示『新時代の山城鍛冶-三品派と堀川派-』(2025年1月2日~ 3月23日)
重要文化財の刀剣3口の寄贈と寄託を受けたことを記念する特別公開。刀剣は1口ずつ公開されることになっており、1月2日~26日は『太刀(銘・国安)』の展示だった。国安(くにやす)は鎌倉時代に栄えた京の刀工集団・粟田口派の一人。1942年、旧国宝(重文)に指定された後、所在不明だったが、現在の所有者から申し出があり、80年ぶりに発見されたものだという。
同時開催の特集展示では、新刀期(慶長年間以降)の山城(京)鍛冶の双璧をなす三品派と堀川派の名品を紹介する。私は刀剣の魅力はよく分からないのだが、坂本龍馬所用の刀(銘・吉行、子孫の坂本家に伝わったが釧路火災で鞘などを焼失)など、歴史的な由来のあるものは面白かった。