今年(2023)の夏は 暑いだけで不安定な気象状況が続き、2050年頃になると、日本の夏は気温が40度を超える日が有るとテレビで聞きました。
世界各国での気象異変により発生した災害を目にすると、納得できる感じがします。
6月頃から暑くて「熱中症に注意」と叫ばれる中、野外での作業中に熱中症に罹ってしまった私としては、中々「山に行ってくる。」とは言えなくなり、悶々とした夏を過ごしました。
そんな事で以前に山仲間の皆さんと歩いた夏山をご紹介いたします。
北アルプスの中央部に位置する黒部五郎岳(標高 2840m)~三俣蓮華岳(標高 2841m)~双六岳(標高 2860m)付近のご案内であります。
先ずは東側に壮大なカールを見せてくれる黒部五郎岳を目指します。
黒部五郎岳は美しいカールを抱える秀峰であります。 一方、三俣蓮華岳は高山植物が咲き乱れるお花畑の美しい山として知られており、この二つの山を結ぶコースは、秘境ムード漂う雲上の楽園であり登山者を魅了させてくれます。
黒部五郎小舎に大きな荷を預け、荷を軽くして黒部五郎岳を目指します。
カール内に入り、東方向に目をやると遠く左から水晶岳(標高 2978m)、その右にワリモ岳(標高 2888m)、鷲羽岳(標高 2924m)の稜線が見えます。
大きな岩が集まった雷岩付近には綺麗な水が湧き出し、その美味しい水で喉を潤す。
山頂を目指し、カールの北側から稜線に向けて急な登山路に取り付く。
正面のどっしりした岩峰が黒部五郎岳の本峰で、右手の斜面を登り稜線に出た。 北アルプスにおける2回の氷河期のうち、黒部五郎岳のカールは年代が新しい約2万年前の氷河期にできたものとのことで、そのために痕跡も鮮やかに残ったものと推測されています。
山体は1億 8000万年前にできた古期花崗岩が占め、これが浸食に弱い粗粒だったために鋭利なピークは造られなかったようです。 東側が欠けた鍋の様に見えることから、かつては鍋岳とも呼ばれていました。
この尾根は 南側の稜線ルートであり、これを下れば今日の宿「黒部五郎小舎」の前に出るのだが、午後に雲が 出たら雷雨の恐れありと言うことで、「雲が出たらカールの道を引き返すように 」と小舎から観天望気の支持を頂き、往路を戻った。
黒部五郎岳と三俣蓮華岳の間に池塘が点在する草原が五郎平。 この草原に建つ三角屋根の洒落た黒部五郎小舎がお世話になった山小屋であります。
翌日も好天に恵まれ、全員元気に三俣蓮華岳を目指す。
稜線に出るまでの登山道は岩のゴロつく狭い涸れ沢の急登であったが、歩き始めであり皆さん難なく登り切りました。 稜線に出たら抜戸岳から笠ヶ岳の稜線が目に飛び込み、皆さん益々元気。
尾根上の登山道には、花が終わり羽毛状になったチングルマが迎えてくれた。
三俣蓮華岳に近くなったら、左から祖父岳、ワリモ岳、右の大きいピーク鷲羽岳が見え、その下は黒部川源流にあたる。
先行する仲間たちは、既に三俣蓮華岳(標高 2841m)山頂に立ち周りの山岳風景を楽しんでいた。 三俣蓮華岳は富山県、岐阜県、長野県の三国の境として古来から重要視されてきました。
三俣蓮華岳を基点として北西に立山連峰、北東に後立山連峰、南には槍・穂高連峰につながる尾根が延び、それらの間から黒部川・高瀬川・神通川の各源流が発しています。
三俣蓮華岳山頂からの景色を楽しみ、次は丸山経由で双六岳を目指す。
双六岳に向かう稜線上の南東方向に槍ヶ岳など山岳風景を望みながら尾根を進む。
稜線上から来た道を振り返ると、雲ノ平を囲む東側の山塊、左が三俣蓮華岳、中央が水晶岳、右手が鷲羽岳であり、北アルプスの中央部に位置する山々であります。
双六岳(標高 2860m)山頂。 この山一帯の地質は石英閃緑岩を主とした深成岩であります。
双六岳山頂を通過すると進路を南東方向に向け、広い尾根道を槍ヶ岳に向けて進みます。
登山道脇に咲くトウヤクリンドウ。
双六小屋に到着。 正面の山は槍ヶ岳に向かう西鎌尾根の取付き、樅沢岳(標高 2755m)。
双六小屋からは南側にある双六池のキャンプサイトを抜けて行く。
この先は鏡池のある鏡平山荘を通過し、奥飛騨温泉郷の最奥にあたる新穂高温泉に下りました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます