
南北戦争後のアメリカ。元南軍の騎兵大尉ジョン・カーターは、不思議な洞窟で仮死状態に陥ってしまい、そのまま火星へと転移してしまう。
そこは滅びゆく世界であり、世界を蹂躙していく移動都市と文明最後の砦ヘリウムとの戦いが続いていた。
カーターは4本腕の緑色の巨人サーク族の皇帝タルス・タルカスやヘリウム国の王女デジャー・ソリスらと知り合い、バルスームの危機を救う戦いに身を投じていくのだが……。
原作はバロウズの『火星のプリンセス』。
ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品ということだけれど、事前の評判は大コケの予想で、一方、見てきた人はそこまで悪くなかったという評。ここは観て確かめなくては……と劇場へ。
……こんな話を最近、観たような……ああ、
『三銃士』だ。さっくりあらすじを語ると原作ままなのに、細部がかなり違うという不思議な感覚。
1話完結の構成としては悪くなかったし、面白い。原作の雰囲気で流してしまった設定を、きちんと説明するストーリーにしているし。原作をよく知らない相方は、ラストの扱いに不満があったみたいだけれど、悪くなかったよーとのこと。中1の三男は「いろいろ笑えた」。え、笑うとこ、あったっけ? でも、よくできた冒険活劇でした。133分が長くない。
面白いと言っていた人もデジャー・ソリスの人選には不満があったみたい。
確かに、日本版の武部イラスト(左)に馴染んだオールド・ファンには、ごっついデジャー・ソリスは辛いよね。才色兼備だけれど、腕っ節も強いという設定は、最近のアメコミ版(右)に顕著な特徴。なので、腕がけっこう太いんだ。あの剣をふるってザコ兵をなぎ倒す剣舞に説得力があります。アメコミ版準拠のキャラになってます。その、儚げな美少女があえて剣をふるって戦って、しかもけっこう強いからギャップに萌えるのに、見るからに女戦士という筋肉のついたヒロインなんて……。
とりあえず、誰の伝記かいな?というタイトルが悪いと思うね。そのまま『火星のプリンセス』(A Princess of Mars)ではいかんかったのかな。
【ジョン・カーター】【ピクサー】【アンドリュー・スタントン】【火星のプリンセス】