かつては栄華を誇っていた召喚士も、その強大な力を世界そのものを滅ぼせるものへと発展させ、周囲の国々を巻き込んで争い合う大災厄を引き起こしたため、その権勢は衰え、暗黒時代を経て100年以上経っても人々から恐れられている。田舎では盗賊除けの用心棒として、都会では招かざる厄介者として。ユウゴ・ヴァーンズは召喚士としての才能に恵まれながらも、ブロドリックの町に災いをもたらしたオウマ・ヴァーンズの息子ゆえにその力を使用することに制限を受けていた。そして事件から14年経った今、再びオウマは武装集団を率いて街を襲撃し、魔術師組合から旧時代の遺物を強奪してしまう……。
勝手に殺戮を広げたあげくに遁走した父親のせいで肩身が狭いまま生きていた息子の前に再び父親が姿を現し、やりたい放題やっていったとばっちりを全部背負った主人公の追跡譚。
【サマナーズウォー／召喚士大戦１～喚び出されしもの】【榊一郎】【toi8】【木尾寿久】【Com2uS】【電撃文庫】【絡み合う父子の因縁が導く熱き召喚士バトル】
「エーライちゃんはわしが壊した!!」
「いいなあ、草太のやつ！」
「悲劇こそ笑い飛ばそうというか、人に言われるより自分で道化になって笑いをとったほうがまた救われるっつうか」
「お食事はね。美味しく頂くの。御作法はそのためのモノなの。だから、美味しく頂けないなら、御作法はいらないのよ？」
「そもそもストーリーや設定が大体出尽くしてパターン化している！」
「おはよう」「行ってきます」「お帰りなさい」
「今この場にいるのは、全員、だれが何と言おうと『良いものは良い』って認められる奴らばかりだ。そいつらが『良い』って言うんだから、それでいいんだよ。だから、もう少し自信を持ってくれ。な？ 特別顧問殿」
「たった一人で生まれて、たった一人で死んでいくのは仕方がない。だから人と関わりたい。あったかいものを感じたい」
「私も、あなたが好き。あなたの、たった１つの幸せになりたい」
「結局、きちんと整理された心を持つ者にとっては、死は次の大いなる冒険に過ぎないのじゃ」
「金貨はガリオンだ。銀貨がシックルで、17シックルが１ガリオン、１シックルは29クヌートだ。簡単だろうが」
イベント会社の営業企画課勤務の27歳、笹宮和人は通勤電車内でスマホを見ながら悩んでいた。指導担当している新入の女子社員からのLINEにどう返事をして良いのか、気の利いた言葉の一つも思いつかない。さんざん悩んだ末に『そうか』の一言を返したのだが、それを隣に居た女子高生にダメ出しされた。「相手の人、かわいそう」と。
『風呂には入れない？ よろしい、ならば戦争だ。
「一時的にでも人から好かれるのはいいことですよぅ。私はここにいてもいいんだって、思えちゃいますものぅ」
