付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

アニメ新世紀宣言

2007-08-31 | 雑談・覚え書き
『アニメ新世紀宣言』って知ってるかい? 昔、粋に……

 石黒さんの歯車党日記の2005年1月16日分。1980年の『アニメ新世紀宣言』に絡めてライトノベルについてあれこれ語ってます。
http://haguruma.2log.net/archives/blog121.html

 「アニメは決して子どもだけのものじゃない! 世間にだって通用する立派な映像作品なんだよ」という、アニメファンサイドから社会への宣戦布告が果たしてどうなったのか。何にも変わらず、むしろ世間の評価を気にすることによってジャンルとして衰退していってはいないか……という要旨と理解しました。
 でも四半世紀を経て、何も変わっていないのかな? それが気になりました。
 TVアニメなんてものは、もともと鉄腕アトムの時代から経済的には「商品を売るためのCM」でしかなかったわけで、それがふりかけや玩具といったアイテムにDVDが加わっただけマシと僕は思うのですね。玩具は子供向けのギミックだらけの似ても似つかぬものが、映像以上に本物らしいリアル志向が主流になって、むしろ万々歳。
 少なくとも「アニメは子供の見るもの。せめて高校生になったら卒業」と言われていたものが、深夜だろうが衛星放送だろうが、「誰がこんなもの見るんだ」というマニアックなものが製作され放送され、SMAPからT.M.Revorutionまでテレビのアイドルやアーティストが普通に「おれ、アニメ好きだよ」と公言するようになってます。この違いって、大きいですよ。何も変わってないとか凋落してるとか、そりゃあ水準が厳しすぎ。児童向け作品を見ていればむしろ上がってるんじゃないですか?

 ゴールデンタイムの放送は減っているし、在っても大半がUHFや衛星放送という指摘もいただきましたが、それでも自分は古い人間で、子供のアニメは1日2本もあればいいという時代も経験してますので、夕方になるとNHK教育から地方局までアニメが乱立し、子供が「裏番組をビデオで撮って!」と毎日のようにせがむ状況では、少ないとか廃れているとはとても言えません……。
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「戦記作家の雑記帳」 豊田穣

2007-08-31 | 戦記・戦史・軍事
「内情の異なる国と友好的に交わってゆくのが政治家の真の外交手腕」

 豊田穣の『戦記作家の雑記帳』を読む。
 戦争をテーマにしたエッセイ集です。扱う題材は、鍵屋の辻から山本五十六の人物評までと幅広いです。面白かったのは、筆者が航空士としてソロモン方面イ号作戦に参加し、撃墜されて俘囚となったときの顛末でしょうか。エンタープライズに乗艦したときのこと、彼は日本海軍の秘密を1つだけ明かしてしまいます。

「日本の軍艦ではラムネをつくって呑むんだ」

 でもアメリカ人には、どう説明してもラムネ瓶の構造を理解してもらえないのでした……。

「戦記作家の雑記帳」★★★

【雑学】【戦記】
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「ゆらゆらと揺れる海の彼方」 近藤信義

2007-08-31 | 架空戦記・仮想戦史
 『ゆらゆらと揺れる海の彼方』……といかにもリリカルなタイトルのくせに、中身はファンタジー戦記。銀英伝やろうとしたらファンタジーになっちゃって腐海で戦ってます☆という感じ。デビュー作なのに伏線張りまくりで、しかも大きな懸案事項は1つも解決していないという、まるで銀英伝の1巻のような……あ、別に『銀河英雄伝説』を彷彿とさせるような話じゃないですよ。例にあげちゃったけど。

 強大な帝国の侵略をかろうじて防いでいる連合国家が、敵の切り崩し工作によって内部から崩壊し始め、とりあえず味方国家同士の全面対決に決着がついたところまで。

【腐海】【戦略】【内紛】
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「萌えるるぶ東京案内」 JTB

2007-08-31 | エッセー・人文・科学
 英単語以来、今までにも法律だのなんだのといろいろあったけど、今度の『萌えるるぶ東京案内』は、JTBですよ、JTB。(上海の共同租界にも支店があった)1912年生まれの国内旅行社最大手から2004年10月に分社化した出版部門ですよ。それが東京オタクMAPをマンガで出そうなんざ、二重三重にヨモスエです……。
 あ、ちゃんと英語版を出すべきですよ、JTBなら。こういう本を世界のオタクに向けて発信することこそ、外国人観光客向けの旅行案内所としてスタートした会社にふさわしいと思います。
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「大日本帝国欧州大戦~総統のいない戦場」 高貫布士

2007-08-31 | 架空戦記・仮想戦史
 また架空戦記が恋しい季節になったので、高貫布士の『大日本帝国欧州大戦~総統のいない戦場』を読む。
 スターリンの陰謀でヒトラーが暗殺され、ドイツが混乱している隙にソ連が勢力を大きく拡大しようとするのだけれど、その結果、日独英を中心とした連合軍が成立してしまうという話。兵器の性能差や補給切れに悩まされた日本の戦車乗りやエースパイロットに、ドイツ製兵器で思う存分暴れ回ってもらいたいというコンセプトかな。日本軍ならではの夜戦描写もあり、面白く読めました。下巻も楽しみです。
 ただ、文章や構成の荒さに気になるところが何カ所かありました。

第5章 3.ケンプフ装甲師団出動
 ロンメル師団長、草葉栄砲兵大尉と会話し、ノモンハンの教訓から高射砲の対戦車使用を学ぶ。

第6章 1.高木支隊
 ロンメル師団長、宮崎繁三郎少将から高射砲の支援要請を受け、高射砲を対戦車使用するノモンハンの教訓を学ぶ。

 ネタが被っているんで、どちらか削るか、表現をもう少し考えるべきだったと思います。それから239頁。

「しかし河を渡って対岸に進出した支隊には、支隊が重装備を持たず、戦車の支援もなかったのに、この支隊への対応が鈍かった」

 ちょっと文章がくどくて、一瞬何を言いたいか判らなくなりました。推敲希望です。話そのものは面白く、つらつらと読んでしまったので、こういう引っかかりが気になりました。

「大日本帝国欧州大戦~総統のいない戦場」★★★

【第二次大戦】【ヒトラー暗殺】
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「六覇国伝」 南原順&人魚蛟司

2007-08-30 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 昔、今は無きログアウト冒険文庫に「六覇国伝」というシリーズがあって、けっこう好きでしたよ。 今では珍しくなくなった(辟易とさえしている)科学と魔法が融合した、ちょっとスチームパンクがかった世界を舞台にした話で、太古の魔道によって生み出された(一見しては人間と見分けのつかない)魔神と少女を巡る物語。
 登場人物も舞台も変えた『カラクの女神』『エンジュのお嬢』『ユナンの天女』『セイガの歌姫』の4冊で全部かな、かな。1冊につき1つの国の話でしたが、6冊にはならんかったね……。
 南原順・原作、人魚蛟司・作ということでしたが、面白かったのが原作者の功績か、実作者の力なのか。羽沢向一や市川光紀名義の作品も試しに読んでみたけど……こちらはあまり面白くなかった。たまたま外れただけかも知れないけれど、適当に立ち読みできる類の本でもないのでとりあえずそちらは断念。哀しい。

【六覇国伝】【人魚蛟司】【南原順】【ログアウト】【人造魔神】【スチームパンク】
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「ねじとねじ回し」  ヴィクトルト・リプチンスキ

2007-08-30 | 伝記・ノンフィクション
 道具の歴史を追ったヴィクトルト・リプチンスキの『ねじとねじ回し』という本があって、タイトルの通りこの千年で最高の発明であると主張するところの、ねじとねじ回しについて記録した内容なのだけれど、道具というものは互いに関連するものだから、いろんな道具の歴史と豆知識にもなっています。
 たとえば中世の騎士の甲冑の重さは、トーナメント用は45キロ超なので甲冑を身につけたら最後、1人では起き上がることもできないという描写はリアルなのだけれど、実戦用は20キロ前後だとか。あるいは石の建築物とか彫刻しか現存していないので、複雑な機械など持っていないと考えられていた紀元前のギリシア人が歯車式の天文時計を完成させていたのだとか。

「ねじとねじ回し」★★★

【ねじ】【歴史】
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「あの旗を撃て!~アニメージュ血風録」 尾形英夫

2007-08-30 | 伝記・ノンフィクション
 『あの旗を撃て!~アニメージュ血風録』を読む。
 雑誌「アニメージュ」創刊時の編集長でスタジオ・ジブリの設立にも関わった人物の回想録。ええ、もう私がリアルタイムに経験していた時代の舞台裏ですよ。それを売上がどうのとか、アニメなんて詳しくなかったとか、あそこにはあんな連中がいてとか……そういう話が好きなんです。
 ただ、やはり気になったのは、当然後半は徳間書店のアニメ映画をめぐる話になるわけですが、言及されるのは『風の谷のナウシカ』『アリオン』『天空の城ラピュタ』と来て、次は『となりのトトロ』。あとは『魔女の宅急便』とか『平成狸合戦ぽんぽこ』とか。
 あ~、やっぱり黒歴史になってる!!
 あったでしょ、『アリオン』公開から半年後。1986年12月13日に公開し、「『風の谷のナウシカ』『アリオン』『天空の城ラピュタ』に続く徳間SFアニメ最新作!」とテレビ・スポットで宣伝しまくったやつが!

『GREY デジタル・ターゲット』

 同時上映が『強殖装甲ガイバー』で、製作は徳間ジャパン、監督は出崎哲。本の著者である尾形英夫も企画に名前があがっていますよ……。
 徳間書店の劇場アニメといって特集組まれたり、CDアルバムができても絶対に載っていないんですよ。どこかで権利がこじれているのか、人間関係がこじれているのか、単にヒットしなかったんで忘れたいだけなのか……。

【あの旗を撃て!】【アニメージュ血風録】【尾形英夫】【黒歴史】
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「魔魚戦記」 吉村夜

2007-08-30 | 宇宙・スペースオペラ
 今さらながら吉村夜の『魔魚戦記』を読了。
 いかにもオカルト・ファンタジーっぽいタイトルで、中身はファースト・コンタクトと異種族婚と独立戦争。で、雰囲気はオトボケ&ユーモア(でも「大義のためには多少の犠牲は」などとヤバゲな話はこっそり絨毯の下に掃き込んでますが…)。
 ちょっとタイトルが固くて損をしてないかなあと思っていたら、続編はいきなり『レスト&ハーウィン~星に願いを』というタイトルに。くだけすぎというか、いかにも富士見ファンタジア文庫らしくなってよろしいですねというか。ま、ぴったりだと思います。

【魔魚戦記】【レスト&ハーウィン】【星に願いを】【吉村夜】【異種族婚】【ファースト・コンタクト】
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「ガラスの仮面」 美内すずえ

2007-08-30 | その他フィクション
 昔は『ガラスの仮面』が苦手でした。食わず嫌いです。だって絵がコワイじゃないか……って、わたなべまさこの『ガラスの城』と間違えていたらしい。
 そういえば一条ゆかりの『砂の城』も読まず嫌いだった。これも混同していたらしい。救いのない話には違いなかったろうけれど……。

 作者による改稿が入って『ガラスの仮面』42巻が刊行されたのは2004年12月。長いなあ……。
 幻の名作『紅天女』の主役の座をめざして競い合う2人の演劇少女、北島マヤと姫川亜弓の物語ですが……なんというか、肝心の『紅天女』の芝居が面白そうに思えないのですね。きっと動く映像と音を実写で観たら意見は変わるでしょうけれど、『たけくらべ』『嵐が丘』『奇跡の人』『ふたりの王女』『忘れられた荒野』といった今までの劇中劇が普通に面白かったので、あまりに観念的な芝居に見える『紅天女』が物足りないのです。
 でも、単行本では平気で100頁単位で描き替えるどころか、総集編ごとに全面改稿する美内すずえですから……追い続けて読まないといかんのかなあ。うーん。

 同じストーリーでも演出の解釈で全然違ってしまうということは、この作品で認識させられたんですけどね。

「ガラスの仮面」★★★★

【演劇】【紫のバラの人】
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「スカーレット・ストーム~第二海軍物語」 中岡潤一郎

2007-08-30 | 架空戦記・仮想戦史
 ファンタジーではなく、架空戦記として女性飛行士の戦いを描こうとしたとします。
 現実に東部戦線ではソ連の女性飛行士たちが前線で戦っていましたし、英米共に女性飛行士が輸送任務に就いていました。ドイツでは女性テストパイロットがいました。問題は日本です。
 日本人の女性飛行士が存在しないわけではありません。1913年、南部よね(1890-没年不明)はアメリカで飛行免許を取得して東洋人として初の女性パイロットとなり、国内では兵頭精(1899-1980)が1922年に三等飛行機操縦士試験に合格して国内初の女性飛行士となっています。二等飛行操縦士第一号となった木部シゲノ(1903-1980)は男装の麗人としてブロマイドまで発売される人気。西崎キク(1912-1979)は1933年8月に日本女性初の水上飛行機操縦士となっています。久岡秀子(1919-)は日本初のジェット・パイロット。及位野衣 (1916-)は日本女性として初めて米大陸横断飛行レースに参加しています(1975年になってのことだけど……)。
 そういうわけで、ちゃんと名のあがる飛行士たちは存在します。しかし、彼女たちは常に先駆者でしかなく、アメリカのようにコクランの呼びかけで2万5000人の女性飛行士がWASPに応募するとか、ソ連のように各地に政府主導の飛行クラブが幾つもあってパイロットが養成されていたわけでもありません。
 結局、国そのものが貧しかったのですね。飛行学校の月謝が大卒初任給の3倍、実習費は別途となれば、よほどの金銭的余裕があるか、韓国初の女性飛行士となった朴敬元(1901~1933)のようにマスコミを利用して一般からの寄付を募るしかないでしょう。そしてなんとか飛行士になれたとしても、結婚して引退とか満州で農業とか、次第に一線から外れてしまいます。戦争になってしまえば、それこそ「女が飛行機に乗って遊んでいていい時代ではない」となります。
 どこまでさかのぼって改変すればいいのでしょう?『スカーレットストーム~第二海軍物語』や『大奥』のように疫病で男女比が狂ったとしなければ無理なのか、そこまでして戦争したいかってことですよね。

 『スカーレットストーム~第二海軍物語』は、この手の架空戦記としてはエポックメイキング。それまで女性を主役にした戦争話というのはないでもなかったし、同人誌ネタではちょくちょくあったけれど、商業出版で真面目な話として、しかもライトノベル風のイラストをつけて出したってのは前代未聞。いわば萌え戦記の先駆け。

 明治41年、シベリア奥地ツングースで謎の大爆発がおこり、それ以後、世界各国で男子の出生率が急速に低下。男子の出生率が21%にまで下がるに至り、もはや女性の社会進出は避けられることではなくなっていた。
 昭和16年、凶作にあえぐアメリカは日本との開戦を決意するが、そのとき帝国海軍の一翼には女子兵による補助海軍、第二海軍があった……。


 ということで、女性も前線に投入されているということ以外は、極めてまっとうな架空戦記でありました。
 この本が2004年に刊行され、2003年に創刊した『ミリタリー・クラシック』の記事が偏向し始めている間に、2005年7月『萌えよ!戦車学校』が出版。ミリタリー業界に萌えの嵐が吹き荒れていくことになります。
 『スカーレットストーム』は『スカーレットストーム~第二海軍物語』『新スカーレット・ストーム~南洋の大海戦』『ファイナル・スカーレット・ストーム~散る桜、咲く桜』の3冊で完結。タイトルや小だまたけしのかわいいイラストに騙されるとギョッとするくらい真っ当で面白い架空戦記でした。

【スカーレットストーム】【第二海軍物語】【南洋の大海戦】【散る桜、咲く桜】【中岡潤一郎】【小だまたけし】【男女比率】【戦争】【政治】【架空戦記】
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「一眼デジカメ虎の巻」 吉田繁&蟹江節子

2007-08-30 | エッセー・人文・科学
 講談社+α新書の『一眼デジカメ虎の巻』を購入。
 そのいうところの「こっそり教えるプロのワザ」でスキルアップしたかったのだけれど……虎の巻というより入門編かなあ。「ズームより自分で歩け」って、ずいぶんと前にちはや師匠に教わったこと。
 全然役に立たないとは言わないけど、あんまり得る物は無し。

「一眼デジカメ虎の巻」★★

【デジカメ】
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「大奥」 よしながふみ

2007-08-30 | 時代・歴史・武侠小説
「俺達のガラスの仮面は超高校級だ」

……ということで、「WINGS」を読みました……といっても、今ではさほど読みたい話もなし。那州雪絵と獣木野生(なんでこんな高校生みたいなペンネームにしちゃいましたか……)とよしながふみを押さえればとりあえずOK。

 今日も嫁さんがケタケタ笑いながら何か読んでいたので確認したらよしながふみの『フラワー・オブ・ライフ』でした。納得。面白いんだよねえ。でも作品的にはホモ話の方が多いので、なんでもかんでも集めて読むわけにはいかない作家であることよ。男が安心して読めるのは『フラワー・オブ・ライフ』と『西洋骨董洋菓子店』くらいかな。あとはたいてい赤裸々なホモの痴話喧嘩になるから……。
 そのよしながふみが月刊「メロディ」に連載中の『大奥』も気になる作品です。
 時は江戸時代。致死性の高い疫病が国中に蔓延し、人間がばたばた倒れていくという災厄に見舞われますが、その罹患者はなぜか男性ばかりでした。そのため男女の比率が1:4にまで下がり……

……って、どこかで聞いた設定ですね。そこで話が近代戦争になれば『スカーレットストーム~第二海軍物語』なのですが、そこはそれ徳川ン百年の太平の世ですから、話は「大奥」になるわけです。女将軍に美男子3000人ですけど。
 ただ、このまま時代が流れていけば、男女を問わず戦いに臨む日本が誕生するわけで、沖田総司はBカップとかロリロリ太平洋戦記も有りになるのだなあと妄想飛ばしながら読んでいるわけです。

【大奥】【よしながふみ】【MELODY】【白泉社】【男女比率】【ガラスの仮面】
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「メアリー・アニングの冒険」 吉川惣司&矢島道子

2007-08-29 | 伝記・ノンフィクション
「肩書きがあれば 人はもっと綴ることができる」

 古生物学が博物学の中で一躍脚光を浴びるようになった19世紀初頭。紳士階級が生命の歴史を語ろうと躍起になっている頃、イギリス南部の観光地で1人の少女が誰をも驚かせる化石を掘り当てた。それこそが生命界のミッシングリングともなる化石であり、この少女こそ貧しい家具職人の娘、メアリー・アニングであった……。

 ということで、『メアリー・アニングの冒険~恐竜学をひらいた女化石屋』を読了。ヴィクトリア朝において地位も教養もない女性がいかに化石採取人として活躍し、学者や貴族、果ては大英博物館と丁々発止の取り引きを繰り広げ、いかに古生物学の発展に貢献していったかを、彼女の生活や地位や名誉に対するモノの見方を交えながら描いた作品。
 共著者の1人が古生物学者なのは当然として、もう1人が僕らの世代ではおなじみの吉川惣司。『装甲騎兵ボトムズ』や『未来少年コナン』の脚本、あるいは『ルパンvs複製人間』や『星のカービィ』の監督で見知った顔。虫プロの『鉄腕アトム』以来アニメ業界に浸かっていた人です。
 意外というか当然というか。なんにせよ、アカデミズムの世界に食い込んだ女の生き様が面白かったです。

【メアリー・アニングの冒険】【吉川惣司】【矢島道子】【朝日選書】【働く女性】【化石】【博物学】【フランス軍中尉の女】
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「ステンレス・スチール・ラット諸君を求む」 ハリィ・ハリスン

2007-08-29 | 宇宙・スペースオペラ
 ハリスンの代表的なシリーズに『ステンレス・スチール・ラット』があります。『ステンレス・スチール・ラット』『ステンレス・スチール・ラットの復讐』『ステンレス・スチール・ラット世界を救う』『ステンレス・スチール・ラット諸君を求む』『ステンレス・スチール・ラット大統領に』の5冊。短期間で潰れてしまい、古書店でもプレミアがつくサンリオSF文庫から出ていたので、古書店で調子に乗ってバカ高い値段が付いてたりしますが、まあ、200円くらいで普通に手に入る程度の本です。パラグラフタイプのボードゲーム『ステンレス・スチール・ラットの帰還』なんてものも付録ゲームで作られたとか。

 遙か未来においても鋼鉄の都市を縦横無尽に暗躍する泥棒は存在していて、<するりのジム>ことディグリッツもその1人。しかしついに年貢の納め時。特殊部隊によって捕らえられてしまう。
 なぜ、特殊部隊はこんなに簡単に犯罪者を追い詰めることができるのか。それは特殊部隊は捕らえられ、転向または洗脳された犯罪者によって構成されているからだ(……ってワイルド7みたい)。
 <するりのジム>も特殊部隊の一員となり、凶悪な女性殺人鬼を追いかける任務を与えられるのだが……。

 個人的には『ステンレス・スチール・ラット 諸君を求む』の冒頭、主人公の妻の誘拐から寄宿舎から息子たちを連れ出しての大攻防までの展開が忘れられません。みんな、そんなに税務署を嫌うなよ……☆

【ステンレス・スチール・ラット 諸君を求む】【ハリィ・ハリスン】【泥棒】【詐欺】【殺人鬼】
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