付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ギリシア棺の謎」 エラリー・クイーン

2025-01-10 | ミステリー・推理小説
「ナポレオンが生やしそこなった顎ひげにかけて」
 エラリーはぎらぎら光る眼でつぶやいた。

 盲目の大富豪ゲオルグ・ハルキスの死去後、遺言書が金庫から消失していることが判明。リチャード・クイーン警視の指揮するニューヨーク市警が乗り出すものの遺言書は見つからない。
 クイーン警視の息子で、大学を出たばかりのエラリーが捜査に加わり、ハルキスの棺の中を調べるべきだと指摘するが、結果、暴かれた棺からは遺言状の代わりに前科者のグリムショーの絞殺死体が発見されてしまい、窃盗事件は殺人事件へと変わってしまう……。

 国名シリーズの第4作にして、エラリー・クイーン最初の事件。
 最初の事件ゆえに推理の間違いも多く、以後「最終的に自分の推理に確信が持てるまでそれを誰にも話さない」理由となりました。つまり、名探偵の言い分として「間違えてたら恥ずかしいじゃないか」を最初にカッコ良く言い切った作品。
 東京創元社創立70周年フェアの店舗限定版で、なぜか表紙はゆうきまさみ。

【ギリシア棺の謎】【エラリー・クイーン】【ゆうきまさみ】【創元推理文庫】【国名シリーズ】
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「大誘拐」 天藤真

2024-12-24 | ミステリー・推理小説
 悪事から足を洗うことに決めたスリ師の戸並健次が最後の仕事に選んだのは、紀州一の大富豪、日本一の山林地主である柳川家の当主とし子刀自の誘拐だった。ムショ仲間の正義と平太と協力し見事誘拐に成功した3人だったが、誘拐された82歳の老婦人は身代金が5000万円と聞くと激怒した。安すぎる、ふざけるな、身代金はきりよく100億や! ビタ一文負からんで……。

 「ラーメン単位で考えるからあかんのや。もっとでかいもん単位で考えたらどうや。たとえばロッキードのトライスターや」
 そんな言葉で刀自は誘拐犯たちを説得したらしい。どうしても必要だからと身代金5000万円で誘拐を計画した男たちに、身代金は100億円にしなければ価値はない。100億といってもE2Cの1機がやっとの金額で何が出来るのだと。

 創元推理文庫の70周年記念のマンガ家による描き下ろしカバーバージョンが出ていたので購入。これで4冊目かな。
 この作品最大のミステリは、何故誘拐された大富豪のパワフルお婆ちゃんが誘拐犯の手助けをしたのか?なんですね。

【大誘拐】【天藤真】 【藤田和日郎】【創元推理文庫】【営利誘拐】【生前贈与】【雑損失】【相続】
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「須美ちゃんは名探偵!?」 内田康夫財団事務局

2024-07-23 | ミステリー・推理小説
「もしかしたらという仮説を立て、思考を深めていくと色々な出来事が繋がって、隠れていた真実が見つかったり新たな発見に辿り着くことがある」
 浅見光彦が雅人に語っていた言葉を須美ちゃんは思い出す。

 みんなから「須美ちゃん」と呼ばれている吉田須美子は、警察庁刑事局長の家に住み込みのお手伝いさん。家の掃除から買い物まで働き者の須美ちゃんだが、出先でちょっと不思議な話を聞かせれては「須美ちゃんは名探偵だから」と謎解きを頼まれるのだ。違うと言っているのに。
 そんな須美ちゃんが買い物に行った商店街で聞かされたのは、(主に子供の間で囁かれている)都市伝説だ。「捜し物をするお婆さん」とか「動くD51」というのが最近の怪談らしい……。

 2009年から始まった名探偵・浅見光彦シリーズの外伝。本編でもちょこちょこ登場してアラサーの「光彦ぼっちゃん」の世話をかいがいしく行うお手伝いさんが、門前の小僧ばりに町の小さな謎を解決していく連作短編集です。風に飛ばされてきたメモを拾ってしまい、小さな謎の1つ1つが最後に大きな輪となって物語を締めくくります。
 内田康夫の作品は家に良く転がっていたので読む事はあったけれど、ちゃんと買ったのは今回の「須美ちゃんは名探偵!?」シリーズからで、やはりtoi8さんのイラストに惹かれたからでした。

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「奇譚の街~須美ちゃんは名探偵!?」 内田康夫財団事務局

2024-07-02 | ミステリー・推理小説
「わたし、決して名探偵なんかじゃありませんし、お手紙を見せていただいても何も分からないかもしれませんけど……」

 高校を卒業した吉田須美子が東京都北区にある警察庁刑事局長の家に、今どき珍しい住み込みのお手伝いとして勤めるようになってもう9年。周囲からは須美ちゃんと呼ばれて可愛がられている。
 そんな須美ちゃんが買い物に行った商店街で通りすがりにメモを拾い、落とし主に渡そうとするのだが見つからない。ところが、そのメモには「牛蒡モチ、下瀬三平」と意味不明の言葉が……。

 2018年に亡くなったミステリ作家、内田康夫の人気シリーズを財団として書きつないでいこうという企画群のうち、浅見家のお手伝い須美ちゃんを主役にした日常系ミステリの第四弾。連作短編ミステリ的に小さな謎解きを積み上げていく長編ミステリーです。
 門前の小僧。子供たちの間で噂になっている「空飛ぶハサミ」の真相から、昔に文通していた相手が書き記していた「北区で一番大きな剣」の謎まで須美ちゃんが仕事の休みに解き明かしていきます。
 そしていちばん気になるのは、無責任で無邪気な子供の悪意でした。

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「満天キャンプの謎解きツアー」 高野結史

2024-02-12 | ミステリー・推理小説
「負い目や劣等感を癒やすには、優越感が手っ取り早い薬になるんだよ」
 伍楼巌は金のある者がない者にある理由はそんなものだと言った。

 夜はバー「満天CAMP」になる「満天キャンプ」はキャンプ飯が評判のアウトドア・ツアー会社。霧谷歩子がこの会社の常連となったのはアウトドアが好きだったからというわけではない。キャンプ場で児童誘拐事件が起きたとき、この会社のキャンプガイドである天幕包助が真相を暴き、彼女がそのときの捜査に参加した刑事だったからだ……。

 アウトドア知識と料理の腕前を活かして隠された真実を見いだすキャンプガイドと刑事を主人公にした連作短編で、冒頭から天幕が容疑者となって取り調べるところから始まるアウトドア・ミステリー。謎解きとアウトドア料理の比率が半々くらいで、キャンプ場周辺で起きる事件、もしくは不可解なエピソードに道筋が示されていきます。

【満天キャンプの謎解きツアー~かつてのトム・ソーヤたちへ】【高野結史】【前田ミック】【宝島社文庫】【『このミス』大賞】【爽快アウトドア・ミステリー】【児童虐待】【別荘荒らし】【死体消失】
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「謎のクィン氏」アガサ・クリスティー

2023-08-30 | ミステリー・推理小説
 ミステリの女王アガサ・クリスティーの生んだ名探偵といえば、気取ったベルギー人探偵ポワロとヘイスティングズ大尉のコンビ、セント・メアリ・ミード村在住の老嬢ミス・マープルが双璧なのだけれど、これにトミー&タペンスと共に続くのが正体不明のハーリ・クィンとサタースウェイトのコンビです。
 クイン氏はまさにハーレクイン。サタースウェイト氏の目前で不可解な事件が起きたとき、あるいは人間関係に理解しがたいほころびが生じたとき、どこからともなく現れてはその言葉でサタースウェイト氏に真相に至る手がかりを与えます。突如現れる道化役者として、人生の観察者を自認するサタースウェイト氏の背中を押すだけで彼自身は何もしないのです。
 ハヤカワと創元からそれぞれ何度か訳を変えて刊行されていますが、自分の初クイン氏は1971年の創元推理文庫版の一ノ瀬訳。今となってはやや古めかしい言い回しが多いかもしれませんが、ミステリアスな探偵にはその方が似合う気がします。たとえば「海から来た男」の最後のセリフと地の一行、ちょっとした言い回しの差ではあるけれど創元版の方がちょっと不気味なんですよね。

【謎のクィン氏】【クィン氏登場】【窓ガラスに映る影】【〈鈴と道化服〉亭奇聞】【空のしるし】【クルピエの真情】【海から来た男】【闇の声】【ヘレンの顔】【死んだ道化役者】【翼の折れた鳥】【世界の果て】【道化師の小径】【アガサ・クリスティー】【ハヤカワ文庫/クリスティー文庫】【幻想味あふれる珠玉の連作短篇】
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「薬屋のひとりごと13」 日向夏

2023-07-20 | ミステリー・推理小説
 一年ぶりに中央に帰ってきた猫猫たちは、また以前の仕事や生活に戻りつつあった。
 しかし、官僚の中には玉葉后の息子が東宮にふさわしくないと他の皇族を立てようと考える者たちがおり、さまざまな権謀術数が乱れ飛んでいた……。

 猫猫と壬氏の関係が進みそうで進まず、皇位継承が絡むことでますます距離が開きそうですが、何よりの問題は猫猫自身に恋愛や結婚や出世に憧れとか希望がまったくないことなのです。

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「大江戸奇巌城」 芦辺拓

2023-05-02 | ミステリー・推理小説
 将軍家慶の御代、琉球尚育王よりの使節を邀撃し、清国道光帝よりの親書を奪おうという陰謀をつかんだ井伊大老は、遠山金四郎にその拠点とおぼしき「奇巌城」の所在を暴き、陰謀を未然に阻止するよう命じたが、その所在は使節の移動ルート上に見つけることは出来なかった。
 その頃、数奇な運命で出会った5人の少女は、女ということで馬鹿にされ、表に出すことを禁じられていたスキルを使って、同じように困っている者たちを助けようとしていた……。

 19世紀末の江戸を舞台にした冒険活劇浪漫小説『大江戸奇巌城』。前半の第一部「江戸少女奇譚の巻」は、雑誌などに掲載されていた短編と書き下ろしによる、男装の剣士やら銃使いのお姫様、学問好きの才女に出島の商人と遊女の間に生まれた娘やら5人の少女が出会い、集うまでを断片的に描いたミステリ短編集。後半の第2部「大江戸奇巌城の巻」は、暴れるオラウータンの怪やら運び込まれたロゼッタストーンの秘密から始まる冒険譚。
 ルブランの『奇巌城』の山場は、その奇怪な城とその誕生の過程から物語時点までの歴史に隠された秘話の数々が語られる部分だと思っているので、この話でそのくだりに該当する箇所がちょっとあっさりしていたかなと思いました。映像だったら、重々しい音楽が鳴り響きながら、異様な城が出現する場面になるのでしょうが。

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「シャーロック・ホームズ人物解剖図鑑」 えのころ工房

2023-03-26 | ミステリー・推理小説
「行動あるのみ、それが男だ。でなければ、敗北するしかない」
 You must act, man, or you are lost.

 アーサー・コナン・ドイルによって生み出された希代の名探偵 シャーロック・ホームズの諸作品に登場するキャラクターと正典の物語について、マンガとイラストで紹介し解説していくオールカラー本。事件の流れを時系列で表にしたり、ホームズの部屋を図解したりした上で、ホームズとワトソンから街角の浮浪児や酔っ払いまで約250人をヴィジュアル化、物語の導入部を漫画化しています。
 しかし、こうやって正典での描写をまとめてみると、ワトソンってレストレード警部が嫌いだよね?
 なお、ハドスン夫人については意外にも正典に詳細な記述がないことから若き未亡人から老婦人までさまざまな解釈がありますが、とりあえずここでは無難にそこそこ年配の女性説を採用しています。
 さすがに全60作は網羅できなかったので、未紹介作品についてはリストを作って続刊に乞うご期待という締め。正典の記述の矛盾にはツッコミを入れつつネタバレは避けているので、未読者にもファンにもお勧めできるものとなっていますが、221B以外は建物そのものへの言及はほとんどありません。そういえば、ホームズ作品に登場する建築ばかり取り扱った本があったような……。

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「薬屋のひとりごと12」 日向夏

2022-11-17 | ミステリー・推理小説
「一時的にでも人から好かれるのはいいことですよぅ。私はここにいてもいいんだって、思えちゃいますものぅ」
 満身創痍の雀はそう言って笑う。

 西都は領主代行を失ったままだ。一時的に政務を引き受けることとなった壬氏は玉鶯の息子たちの誰かを後継者に据えたいと考えているが、周囲にはあわよくばこのまま壬氏を西都の領主に吸えようと考える者も少なくない……。

 一件落着かと思いきや、ここからさらに二転三転します。殺人事件あり、盗賊の襲撃ありの、月の君を後釜にと考える者たちの権謀術数ありでなかなか帰路につけません。

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「渡辺典子ベスト」 コロンビア

2021-06-04 | ミステリー・推理小説
 コロンビアとソニーからリリースされたシングル曲19曲のコレクション。
 渡辺典子は角川映画の全盛期に「角川三人娘」と呼ばれた1人。薬師丸ひろ子、原田知世に比べると少し影が薄いけれど、1980年代の角川映画を思い返すと真っ先に浮かんでくるのは彼女の歌声。角川文庫のCMで「雨やまんかえ」と呟いていたのは彼女ではなかったかしら。
 Youtubeで角川映画CM集を眺めていて、ふいに聞きたくなったので購入。角川映画って、実際に観ると75点くらいの感想になる映画が多いのだけれど、予告編だけ見てると120点クラス続出なんですよ。「絵」の作り方が巧いんだろうね。

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「薬屋のひとりごと11」 日向夏

2021-05-11 | ミステリー・推理小説
「民衆は不満が大きくなれば、為政者に対して声高になるからな。後になって、実は気にくわなかったと文句を言う」
 李白はそんなものだという。

 ひとまず蝗害は過ぎ去った。あらかじめの対策で最悪の事態は免れたが、それでも傷跡は深く、また第二波、第三波の到来にも備えなくてはならない。
 そんな中、西都の領主代行である玉鶯は、積極的に住民の救済を進めていたが、その一方で密かに西方への軍事侵攻を画策していた……。

 急転直下の幕引き。怒濤のクライマックスです。

【薬屋のひとりごと11】【日向夏】【しのとうこ】【ヒーロー文庫】【見目麗しい中世の痛快ミステリー】【小説家になろう】【ウェブ小説】
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「薬屋のひとりごと10」 日向夏

2021-03-22 | ミステリー・推理小説
 無事に西都に到着した壬氏の一行だが、西都側は壬氏を名前だけの権力者として扱い、皇弟として政務に充分に踏み込めていない。
 そんな中、猫猫は羅半兄とともに農村部の視察に同行することになったのだが、そこで過去の大蝗害の生き残りの老人と出会う……。

 西都編です。やはり、こういう中華風世界では蝗害がターニングポイントとなる大事件に位置づけられるようですね。政争からノウハウが承継されないまま途絶えてしまうとか、いろいろ問題の存在が1つずつ明らかになっていきます。

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「百華後宮鬼譚」 霜月りつ

2021-03-20 | ミステリー・推理小説
 甜花は本好きな少女で、後宮に下働きとして潜り込んだのも亡き祖父の蔵書を後宮の図書宮に入れたい、後宮の本が読みたいから。そしてなんとか後宮に潜り込めたのは良いけれど、なぜか第九夫人、陽湖妃の付き人に命じられてしまう。
 そんな彼女にはあまり人には言えない、鬼霊を視る才が生まれつきあったのだが、この後宮でも鬼霊を視てしまったことから事件に巻き込まれてしまう……。

 後宮で権力争いやらなにやらを起因して起きる事件がメインで、小物から大物まであやかしが登場して、皇帝と付き人との因縁みたいなものがあるという話で、この話なら大企業が舞台でも通用しそうなんだけれど、書籍情報の「主な対象年齢・学年」が「高校・一般・シニア」というあたりが面白いです。読者層がシームレスなんですね。後宮ものだからシニアも狙えるということかな。

【百華後宮鬼譚:目立たず騒がず愛されず、下働きの娘は後宮の図書宮を目指す】【霜月りつ】【しのとうこ】【ポプラ文庫ピュアフル】【謎解き×あやかし】【中華風後宮ファンタジー小説】
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「住職探偵」 建待吉作

2020-06-22 | ミステリー・推理小説
 僧侶だった過去を持つ探偵・笹峰誓之助は、調査相手の罠にはまって職を失った。さらに山奥の寺に送り込まれることになった依頼人を救うため、彼は代務者として山奥の奧世郷にある寺へと向かうこととなった。
 しかし、その奧世郷では「厖臓宗」という独自の信仰が信じられており、過去幾度も死者が出ているのだという……。

 サスペンスというか伝奇ミステリっぽい展開に。

【住職探偵】【建待吉作】【平沢下戸】【プライムノベルス】【現役僧侶が贈る感動サスペンス】【連続猟奇殺人】【限界集落】
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