今年も今夜で終わりです。
いろいろ体調管理に気をつけつつも仕事が忙しく、思うように本が読めなくてかなり溜めてしまいました。余裕が無くて、分厚い本、緻密な情景描写や登場人物の心理描写がねちっこいまでに書き込まれた本も読めなくなりました。
それでも1日1冊ペースは維持してますが、ライトノベル系が増えましたね。
『豚は飛んでもただの豚』 涼木行
昨年12月に刊行され、手に入れたのは年が変わってからなので、こちらでカウント。
元不良のボクサー志望の純情高校生と、美人三姉妹が繰り広げる青春ストーリー。
姉妹の幼なじみのデブ男が出番少ないながらも印象的。タイトルも彼が「飛べねえ豚はただの豚だ」の言葉に発憤して努力したことから。出番が多いと主人公を食うこと確実。
『俺はまだ恋に落ちていない』 高木幸一
友人からの紹介で、彼の2人の妹とつきあうことになった高校生の戸惑いと決意の物語。まっとうな青春小説。全4巻。
『豚は飛んでもただの豚』と同じ方向性の作品。大きな事件はないけれど、登場人物を絞り、人間関係をしっかり語っているから面白い話になってます。これもまた良し。
『魔法科高校の劣等生』 佐島勤
20世紀末に超能力の存在が社会に認められ、その制御技能として魔法が世の表舞台に登場し、その魔法を効率よく使うために科学技術が使われるようになって100余年。
魔法科高校に主席合格した妹と劣等生であるはずの兄が(顕してはいけない)頭角を現していく学園活劇。2011年夏スタート。専門用語の説明も多いので、ハードSFは理解できないしする気もないとか、スポーツものはルールがわからないし覚える気もないから読まない……というような人にはお薦めできません。細かい用語もしっかり頭に入るとか、逆にわからないところはとりあえずスルーできると面白いと思います(私は後者)。
『侵略教師星人ユーマ』 エドワード・スミス
人類と意思疎通する気配の全くない、宇宙人の宇宙船が地球に居座って10年。そんな宇宙人に喧嘩を売る国語教師がやってきた。彼、ユーマは海に鎮座する宇宙船に向かって叫ぶ。「俺が侵略する星に手を出すな」と。
自称・侵略宇宙人の変人だが教師としては優秀で、生徒や同僚たちからの信頼も厚い男とその美少年な弟を取り巻く人々の物語。
平凡な日常から始まる、熱血学園青春侵略小説。
『マージナル・オペレーション』 芝村裕吏
働こうと思ったら、いつの間にか戦場でオペレーターとして年端もいかない少年少女の兵士たちの生殺与奪に責任を持つことになってしまっていたニート青年の物語。
今年は、交通事故で箱だけの身体になってしまった少女と医師のラブストーリー『キュビズム・ラブ』や電脳空間での祖国防衛戦『この空のまもり』など芝村作品が豊作の年でした。
『憑き物おとします ~死者たちが騒ぐので』 佐々木禎子
幽霊の存在が普通に認知された社会で、保険会社にむりやり就職させられ、迷惑な幽霊を成仏させる仕事を引き受けるはめになったロック・ミュージシャンと、彼のゴスロリ守護天使、天然な死神たちによる除霊譚。
『銀のプロゲーマー』 岡崎裕信
賞金付きゲームがあたりまえになった世界で、プロゲーマー養成のエリート校に合格してしまった、マインスイーパーだけが取り柄の高校生の学園バトル小説。
ゲームを楽しむ高校生の物語は増えてきたけれど、この熱さはその中でも上位クラスだと思いました。
『アルカナオンライン』 猿野十三
仮想現実体験型のMMORPGの世界に妹ともども取り込まれた青年が、ゲーマー初心者なので開き直り、クエスト攻略を無視してひたすら海で泳いで魚と戦い続けていくうちに、すっかり世の中の流れとズレてしまい……。
最近目立って多い、ゲームの仮想現実世界から帰還できなくなるケースの物語。主人公のやっていることはズレているんだけれど、単なる悪ふざけとか自暴自棄とかではなく、本人はあくまで真摯で真面目だから面白いんだよね。
『宇宙軍士官学校』 鷹見一幸
銀河文明から与えられた技術によって世界が統一され、繁栄の時代を迎えた地球。技術供与の見返りに、そろそろ宇宙戦争に人を出してもいいなんじゃないかな?という宇宙人たちのタンスターフルを断れなかった地球人は、あらたに士官学校を設立。そこで教官を勤めるべく送り込まれた候補生たちの物語。
『友達からお願いします。』 清水マリコ
小学校時代のトラブルから目立たず地味に生きていくことを選択した少年が、生真面目でまっすぐなクラスメイトの美少女と行動をともにすることになり、その自分と正反対の生き方に興味を引かれるのだけれど、その少しズレた行動に翻弄される話。
2009年に書籍化が始まった『ソードアート・オンライン』のテレビアニメ化、『ゲート』のコミック刊行など、今年は全体的にMMORPGというかバーチャル・オンラインゲームの世界を舞台にしたファンタジー小説が多角展開で隆盛の年。正統派の『ログ・ホライズン』が巻を重ねる一方で、『オーバーロード』や『アルカナオンライン』、『勇者互助組合交流型掲示板』のような変化球もばんばん登場しています。
シリーズ新作が着々と刊行されて『犬とハサミは使いよう』や『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』も好調。『化物語』もアニメ化が続き、新作『憑物語』が登場しましたが、こちらは『猫物語』『傷物語』までで読むのをやめといた方がすっきりして良かったかもしれないと思っているところ。読みますけどね。
皆さん、良いお年を。
そして来年も面白い本に巡り会えますように。
いろいろ体調管理に気をつけつつも仕事が忙しく、思うように本が読めなくてかなり溜めてしまいました。余裕が無くて、分厚い本、緻密な情景描写や登場人物の心理描写がねちっこいまでに書き込まれた本も読めなくなりました。
それでも1日1冊ペースは維持してますが、ライトノベル系が増えましたね。
『豚は飛んでもただの豚』 涼木行
昨年12月に刊行され、手に入れたのは年が変わってからなので、こちらでカウント。
元不良のボクサー志望の純情高校生と、美人三姉妹が繰り広げる青春ストーリー。
姉妹の幼なじみのデブ男が出番少ないながらも印象的。タイトルも彼が「飛べねえ豚はただの豚だ」の言葉に発憤して努力したことから。出番が多いと主人公を食うこと確実。
『俺はまだ恋に落ちていない』 高木幸一
友人からの紹介で、彼の2人の妹とつきあうことになった高校生の戸惑いと決意の物語。まっとうな青春小説。全4巻。
『豚は飛んでもただの豚』と同じ方向性の作品。大きな事件はないけれど、登場人物を絞り、人間関係をしっかり語っているから面白い話になってます。これもまた良し。
『魔法科高校の劣等生』 佐島勤
20世紀末に超能力の存在が社会に認められ、その制御技能として魔法が世の表舞台に登場し、その魔法を効率よく使うために科学技術が使われるようになって100余年。
魔法科高校に主席合格した妹と劣等生であるはずの兄が(顕してはいけない)頭角を現していく学園活劇。2011年夏スタート。専門用語の説明も多いので、ハードSFは理解できないしする気もないとか、スポーツものはルールがわからないし覚える気もないから読まない……というような人にはお薦めできません。細かい用語もしっかり頭に入るとか、逆にわからないところはとりあえずスルーできると面白いと思います(私は後者)。
『侵略教師星人ユーマ』 エドワード・スミス
人類と意思疎通する気配の全くない、宇宙人の宇宙船が地球に居座って10年。そんな宇宙人に喧嘩を売る国語教師がやってきた。彼、ユーマは海に鎮座する宇宙船に向かって叫ぶ。「俺が侵略する星に手を出すな」と。
自称・侵略宇宙人の変人だが教師としては優秀で、生徒や同僚たちからの信頼も厚い男とその美少年な弟を取り巻く人々の物語。
平凡な日常から始まる、熱血学園青春侵略小説。
『マージナル・オペレーション』 芝村裕吏
働こうと思ったら、いつの間にか戦場でオペレーターとして年端もいかない少年少女の兵士たちの生殺与奪に責任を持つことになってしまっていたニート青年の物語。
今年は、交通事故で箱だけの身体になってしまった少女と医師のラブストーリー『キュビズム・ラブ』や電脳空間での祖国防衛戦『この空のまもり』など芝村作品が豊作の年でした。
『憑き物おとします ~死者たちが騒ぐので』 佐々木禎子
幽霊の存在が普通に認知された社会で、保険会社にむりやり就職させられ、迷惑な幽霊を成仏させる仕事を引き受けるはめになったロック・ミュージシャンと、彼のゴスロリ守護天使、天然な死神たちによる除霊譚。
『銀のプロゲーマー』 岡崎裕信
賞金付きゲームがあたりまえになった世界で、プロゲーマー養成のエリート校に合格してしまった、マインスイーパーだけが取り柄の高校生の学園バトル小説。
ゲームを楽しむ高校生の物語は増えてきたけれど、この熱さはその中でも上位クラスだと思いました。
『アルカナオンライン』 猿野十三
仮想現実体験型のMMORPGの世界に妹ともども取り込まれた青年が、ゲーマー初心者なので開き直り、クエスト攻略を無視してひたすら海で泳いで魚と戦い続けていくうちに、すっかり世の中の流れとズレてしまい……。
最近目立って多い、ゲームの仮想現実世界から帰還できなくなるケースの物語。主人公のやっていることはズレているんだけれど、単なる悪ふざけとか自暴自棄とかではなく、本人はあくまで真摯で真面目だから面白いんだよね。
『宇宙軍士官学校』 鷹見一幸
銀河文明から与えられた技術によって世界が統一され、繁栄の時代を迎えた地球。技術供与の見返りに、そろそろ宇宙戦争に人を出してもいいなんじゃないかな?という宇宙人たちのタンスターフルを断れなかった地球人は、あらたに士官学校を設立。そこで教官を勤めるべく送り込まれた候補生たちの物語。
『友達からお願いします。』 清水マリコ
小学校時代のトラブルから目立たず地味に生きていくことを選択した少年が、生真面目でまっすぐなクラスメイトの美少女と行動をともにすることになり、その自分と正反対の生き方に興味を引かれるのだけれど、その少しズレた行動に翻弄される話。
2009年に書籍化が始まった『ソードアート・オンライン』のテレビアニメ化、『ゲート』のコミック刊行など、今年は全体的にMMORPGというかバーチャル・オンラインゲームの世界を舞台にしたファンタジー小説が多角展開で隆盛の年。正統派の『ログ・ホライズン』が巻を重ねる一方で、『オーバーロード』や『アルカナオンライン』、『勇者互助組合交流型掲示板』のような変化球もばんばん登場しています。
シリーズ新作が着々と刊行されて『犬とハサミは使いよう』や『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』も好調。『化物語』もアニメ化が続き、新作『憑物語』が登場しましたが、こちらは『猫物語』『傷物語』までで読むのをやめといた方がすっきりして良かったかもしれないと思っているところ。読みますけどね。
皆さん、良いお年を。
そして来年も面白い本に巡り会えますように。